あのなあ、本を読むっていうのはな、
そこに書いてある内容を理解(誤解すんな)せんかったら意味ないんや。で、そやから言うて読むの止めたら、お前は一生馬鹿者や。
俺が本の読み方教えたろ。まず読んでる本を前に置く。右側に新しいノートとボールペン。で、左側に漢和辞典と国語辞典を置く(電子辞書でもエエけど、ラクするっていうのは自分のためにならんことは覚えとけ)。さあ、これで準備万端や。
まずページを開いて読み始めろ。読めへん漢字が出てきたか?その漢字のへんとかカンムリとか、だいたい一番偉そうにしてるヘンから当たりをつけて漢和辞典を引く。どうや?その漢字は書いてあったか?たいがいやったら、その漢字に続いて熟語が並んでるやろ?簡単な意味も書いてあるやろ?そしたら今度は右側に置いた新しいノートのページの左側に大きめの字でその熟語を書け。次に国語辞典でその熟語を調べる。そこに書いてある意味を、小さめの字で、自分がわかるようにその大きめに書いた漢字の横に簡略化してかけ。簡略化しすぎたらあかんで。書くことに意味があるんやから。読めヘン漢字に出会うたら、どんなにつろうてもそれを繰り返せ。なかには漢字が読めても意味のわからんもんもあるやろ?それも意味を調べて同じようにノートに書くこと。あとたとえ読み方も意味もわかってても、自分が普段頭の中で使こうたことのないような言葉(漢字でもひらがなでも)が出てくるはずや。それはまだお前のボキャブラリーになってない言葉や。それも同じようにノートに書いて、正しくお前が理解できてるかどうか当てにならんから、やっぱり国語辞典で引いてノートに書く。あと気に入った表現とかも書け。
それが読書の初心者の正しい本の読み方や。最初は1ページ読むのに、一時間とかかかるかもしれん。しかしその辛抱ができんかったら、お前は一生、本は読めヘン人間や。いますぐやれ。年取れば取るほど難しなるぞ。
これで終わりと違うぞ。お前が根性出して、最後までノート取りながら、その本を読みきったとしょう。ブーたれるなよ。今度は最初から、もう一回読むんや。おんなじ本を。どうや?一回目には気がつかへんかったことやわからんかったことがわかるやろう?そうやって本から本へと旅をするんや。いい本やと思たら、同じ本を3回以上は読めよ。とくに学術書なんかは、言葉が記号みたいな意味合いを持ってくるから、正確に理解できてるかどうかが問題やからな。読みにくいとか、文章が下手みたいに見えるのは、そんなことを主眼に学術書や論文は書かれてないということや。小説とかエッセイとか、物語のある文章と混同するな。美文というのは、安易に決められることとちぉうぞ。わかったな?余談やが、数式にも美しい美しくないがあるんやぞ。そんなことまでわかってみたいもんや。暇と根性があるんやったら、そんな分野も手出してみい。たぶん後悔するわ。俺は知らん。
違う本を読む時も、右にノート、左に辞書。この習慣を破ったらあかんで。たぶん新しい本を読むたんびに、ノートを取ることは少のうなっていくやろう。けどな、そのノートはお前の一生の宝もんや。お前が苦労して苦労して身につけていった知恵の軌跡がそこに残るんや。
どや?わかったか?本を読めるていうことは、ほんまに幸せなことやぞ。お前はリタイヤすんなよ。そのときになったら、どんなに素晴らしいことかお前にハッキリわかるはずや。それと俺の考えやが、「人生本」と「ハウツウもん」は読むな。前者は成功者の自慢話やし、後者は読んだら馬鹿になる。
ほんまにア○にもの教えるのは疲れる。金がもらいたいくらいや。
お礼
ありがとうございます。 こんな読み方ってあるんですね。たしかに初心者がこういう風に読んだら必ず語彙力が付き、物事に対する考え方とかも変わりますね。 かなり時間がかかりそうですが、一生物ですもんね。正直心うたれました。 今は忙しいので時間を作って必ずやろうと思います。