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アメリカの不良債権買取機構
アメリカで不良債権買取機構の設立が具体化してきて 好感されたNY株式市場などでは株価が上げました。 機構が不良債権を買い取ると、どういうプラス効果があるのですか? 金融業界にとって、また実体経済にとってどうなんでしょう。 素人考えでは、債権者が変わっただけのような気がするんですが・・・ よろしくご教授お願いします。
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金融仲介機能を持つ金融機関が不良債権をどの位保有していて、今後どの位焦げ付くのか。これが明確にされないと、金融不安は治まりません。 今回の買取の目的は、大きく、 1.金融機関から不良債権を切り離すこと 2.これにより金融機関の正確な資本状況を把握すること の2点だと思われます。 これが出来れば、各金融機関の必要な追加資本額が明確化され、公的資金注入等の手が打てるというものです。資本増強が果たせれば、金融機関の金融仲介機能が復活し、実体経済へのプラス効果が出てくるだろうという狙いです。 不良債権買取と金融機関への資本注入の両面で税金が投入されることになり国民負担となりますが、その意味では、債権者は国民になるのでしょう。金融機関に対し国民が不良債権を肩代わることで金融機関仲介機能を復活させるのが今回のスキームであり、この果実は、実体経済が上向いて金融機関の株価が上昇することで得られるとの期待も背景にはあると思われます。
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- merkjet
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#3の方へ はて、バッドバンクが銀行が抱える不良債権を買い込んだらバランスシートが改善するのですか?ファンドが銀行の簿価で買ってくれるわけがないですね、簿価で買ってくれたらファンドが今の銀行の苦しみを引き受けることになるのです。 銀行の不良債権が売れても損切りでしかなく不透明なバランスシートがはっきり表され政府は更に資本注入をやるのです。 それで市場が安心するのですね、 バッドバンクは銀行のバランスシート改善の為?にバッドバンクが設立したのではなく、あくまで不良債権を切り離しなんです。 >金融機関の経営が健全化すると、米国も低金利時代に >突入しているので、銀行融資が積極的に行われるのでは、 >との連想によるものです。 はて、低金利ならば積極的に銀行融資が進むではなく、企業や個人が積極的に融資を願うのです。それが銀行の収益改善につながれば良いのですが、日本は、低金利どころか超低金利1%以下で15年経過してますが未だ政府の資本注入の返済が終わらないのです。そもそも銀行の収益は金利が上昇して利ザヤが拡大します。シティやモルガン、バンカメも投資業務を減らすのですから低金利だからと喜んでいられませんよ。 失礼ですが、補足説明にはなってません。
- akik
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補足説明として、 今回の金融危機のもう一つの側面は、金融機関のバランス シートが悪化している。これは不良債権を抱え込んでいる ことが理由である。 金融機関が保有する不良債権を他に移すことで、バランス シートを健全化するのが目的です。金融機関の経営を 健全化させることになります。 金融機関の経営が健全化すると、米国も低金利時代に 突入しているので、銀行融資が積極的に行われるのでは、 との連想によるものです。
- merkjet
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不良債権買取機構とはバンドバンクのことだと思いますが、その前に >素人考えでは、債権者が変わっただけのような気がするんですが・・・よろしくご教授お願いします。 債権者が金融機関から政府とファンドに変われば金融収縮が収まります。金融機関を簡単に説明すると自己資本と他人資本を資産として運用してますよね、BIS規制により全体の資産の内、資本を8%以上積み上げなければなりませんが、多くの資産は他人のものです。預金者が多くを占めているわけです。預金を運用してリーテルやホールセールで利ザヤを稼いだり、有価証券を運用してキャピタルを得たりして預金者に利子を払って経営してます。その資産が運用で失敗したら、自己資本で毀損分を補わなければ預金者が引出しに走り、融資先の資金を回収しなければならない事態になります。預金者が一機に預金引出しに走ればパニックです。銀行が不良資産を抱え込んだので自己資本を政府が資本注入して手厚くしたのですが、不良債権の評価損が止まらないのです。 不良資産の多くが商品化証券で市場そのものが停止状態ですので評価しようがないゼロドルとも言いがたいのですね、 この不良債権が経営上、新たな融資に慎重になる。今後不良資産を増やさないように少しでもリスクと思えば融資を手控えるのです。これが景気を悪化させ、景気悪化が融資先企業の返済焦げ付きとなり益々景気が下降してしまうのです。このように「金融収縮」として起こっているわけです。収縮ですのでお金が回ってくれないので、回るように政策金利を下げたり銀行に資本注入をして流動性を高めようとしたのですが、根本の不良債権処理が進まないと金融市場はリスクに機敏になって投資や融資にお金が出せないのですね。 米国の住宅市場は12兆ドルを超えています。そのうちのサブプライムローンが6兆ドル程あります。サブプライムは他の証券と掛け合わせているので実際は住宅市場の2兆ドル分が住宅ローン債券です。 これが、CP(コマーシャルペーパー)や地方債、クレジット、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)に波及して資金の流動が止まったわけです。資金が収縮してリスクとして出回らない事態になりました。 政府が金融支援(TARP)として7000億ドルを拠出、景気対策7800億ドルです。問題のサブプライムローン債券そのものは2兆ドルですが、金融収縮が更に経済を悪化させて、あっちこっちに政府の支援が必要になったのですね、 この収縮を起こしているのが金融機関であり、不良債権を切り離すことで金融収縮を抑えるのです。金融機関が健全になれば通常通りに資金を提供してくれます。 バッドバンクの中身は、ブッシュ政権でTARPの7000億ドル中から1000億ドルを政府が支出しファンドが同額の1000億ドル出してローン債券や商品化商品を買取ります。当然、それでは足りませんので連邦預金保険公社とFRBが融資と保障してレバレッジしてローン債券は14倍、証券は4倍の融資に応じ、もし債券が下落したら担保差し出すだけでOKです。ノンリコースなので清算となれば最初の投資額だけで済みます。 これが市場で受入れられて株価上昇となったわけです。