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金コロイドの合成方法を教えてください
10nm未満の金コロイドを作りたいのですが、ご存じの方、教えてください。 私は、窒素雰囲気下にて0.29wt.%のクエン酸ナトリウム溶液60mlに塩化金酸(HAuCl4・4H2O)0.12molの10ml水溶液を滴下し、60℃で反応させる方法で粒径約10nmのコロイドを得ることが出来ました。でも、もっと小さなコロイドを作りたいのです。 よろしくお願いいたします。
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反応容器はテフロンコートされたダブルジャケットの反応容器を使用しています。 試しの実験では使い捨てのPPの容器を使います。 窒素パージなどせず、大気開放です。 経験上 液面に金属光沢をもった金が析出してくるようならガラスのせいで、 黒い固まりが凝集しているようなら、還元剤が多い・反応濃度が濃い・保護 能をもった物が少ないせいだと思います。 液面に薄い膜が張ったり、壁面に析出する場合は還元速度が遅いせい? と思います。 反応容器は完全に綺麗にしとかないと、洗い残したコロイドを核にメッキ状態になる場合もあります。 DMABが金コロイドに配位しているかどうかは分かりません。 そこまで調べない物で(^^ゞ 水素化ホウ素ナトリウムが10倍モルは多すぎです。 もっと少ない量で還元は終了します。思い切って量を振って観て下さい。 反応後のコロイドはどのような処理していますか?
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- Hippopotamus
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略号使って済みませんでした、 SBHは水素化ホウ素ナトリウム DMABはジメチルアミンボランです。 粒度分布は結構シャープな物が出来ています。 ポリビニルピロリドンなどの高分子で保護してやると、分散安定性が増します。 反応容器は何を使ってますか? 普通のガラスの容器だと金は析出してしまうと思いますが。
お礼
再びお答えいただき、ありがとうございます。 ジメチルアミノボランを還元剤として用いるのですか。初めて聞きました。 窒素が金コロイドに配位したりはしないでしょうか。 そうなってしまうと、ちょっと都合が悪いです。 水素化ホウ素ナトリウムを用いますと、クエン酸ナトリウムよりも粒径が大きくなってしまいました。 塩化金酸の10倍モル加えていたのですが、還元剤濃度を変化させればもっと小さくすることが出来ますかね? 反応容器はごく普通の3つ口ナスフラスコを用いています。 確かに強い還元剤を使うと金属が析出します。 どのような容器を使うのが良いのでしょうか?教えていただけますでしょうか。
- Hippopotamus
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自分の会社で、5nm以下のコロイドを作っております。 逆に大きな物を安定に作るのが難しかったりします。(^^; 詳しく教えることは出来ませんが、 kohichiさんが答えているように、還元剤は強い物を使用するのが良いと思います。SBH,DMAB,など SBHで還元させたときにクエン酸3Naは入れましたか? 入れた方が粒径は小さくなると思いますが。 反応時の濃度と温度はとても重要ですね。 あと自分でやったことはないのですが、 還元剤に硫酸鉄、安定剤にクエン酸3Naを使うと4nm程度のコロイドが出来るそうです。 文献で読んだのですが、何か忘れてしまいました。m(__)m 保護基を付けたくないと言うことは触媒用?導電ペースト用?
お礼
ご回答ありがとうございます。 5nm以下のコロイドを作っていらっしゃるのですか。うらやましい限りです。 チオールなどの有機保護基なしでですか? >還元剤は強い物を使用するのが良いと思います やはりそうなんですね。 SBH,DMABとはなんの化合物の略称ですか?教えていただけますでしょうか。 また、この手の還元剤を用いて粒径分布は大きくなりませんか? >還元剤に硫酸鉄、安定剤にクエン酸3Na これは文献で読んだことがありますが、自分で実験してみるとうまくいきません。 還元剤が強すぎて金が析出してしまいます。どうしてでしょう?悲しいです。 >保護基を付けたくないと言うことは触媒用?導電ペースト用? その辺りも含めて色々考えております。 大変参考になりました。本当にありがとうございます。
- kohichi
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science finder とはサイト名ではくケミカルアブストラクトのコンピューター版の検索ソフト名です。大学などでしたら、使えると思うのですが個人ではちょっと難しいですね。エルゼビアだけになりますけど、siencedirect という論文検索サイトhttp://www.sciencedirect.com/ がお手軽でしょうか。 また、こういうテーマを扱うお仕事をされてるのでしたらご存じかもしれませんが日本化学会にコロイドを扱っている部会があります。(ちょっと名前を度忘れしました。部会名にコロイドの文字が入っています)そちらの要旨集などを参考にすれば、ヒントが見つかる可能性があると思います。 No.1では自信アリで答えてしまいましたが、実際クエン酸系で10nm以下を作ったことはありませんでした。逆ミセル系では4~5nmはできるのですが、 有機中になりますので、やはりチオール保護になってしまいます・・ どういった用途か分かりませんが、メジャーな保護方法の1つにシリカでカプセル化する方法があります。これなら水中に分散すると思います また話は変わりますが、1970年代G.Frensが発表した論文では NaAuCl4 と クエン酸3ナトリウムを使っています。 これなら、窒素置換などの繁雑な作業がいらず本当に混ぜて熱するだけです。 還元方法ですが今思い付くのは L-アスコルビン酸Na 強い超音波のよるラジカルの発生 紫外線 粒径制御に効いてくるのは保護の強さではないかとおもうので、 還元剤と保護剤を混ぜるとうまくいくかもしれません。金ナノ粒子に対しクエン酸Naがどういった保護をしているのか私は知らないので誰かに教えてほしいところですが・・。
お礼
再度色々お答えいただき、ありがとうございます。 >メジャーな保護方法の1つにシリカでカプセル化する方法 >NaAuCl4 と クエン酸3ナトリウムを使っています。 >L-アスコルビン酸Na この3つの方法は気になりますね。調べてみます。 超音波による還元では、粒径はかなり大きくなってしまいました。 紫外線による方法も10nm前後ですね。 金ナノ粒子の周りをNa+イオンが囲み、それに引き寄せられてクエン酸イオンが周りを囲む、という電気二重層を形成しているようです。 お礼を申し上げるのが遅れてしまいましたが、丁寧なご回答をありがとうございました。大変参考になり、うれしく思います。
- kohichi
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science finder などの検索で沢山でてきます。 "gold " , "nanoparticle"で検索してはどうですか? また 北陸先端大の寺西利治先生などが金ナノ粒子について研究されていますので、先生の論文を当たってみれば詳しい作成方法等が分かります。 creme-bruleeさんの方法でもクエン酸Na濃度をもっと上げるか、強い還元剤を使えばもっと粒径は下がるはずです。 しかしこの方法では比較的多分散な粒径となってしまいます。
お礼
御回答、ありがとうございます。 science finderとは、アメリカのサイトでしょうか。 http://www.sciencefinder.co.uk/ 検索サイトではない気がしますので、間違っているかもしれません。 お手数ですが、アドレスを教えていただけますか? ○寺西利治先生について HPを見たことがあります。この先生は、チオール系の有機保護基を導入することでAu微粒子同士を分散させていますが、私は有機保護基を使用しないで粒径のなるべく小さな微粒子を作りたいのです。 ○クエン酸ナトリウムの濃度について 濃度を振ったことはあります。論文には濃度を変化させることで粒径を制御する、と書いてありますよね。 しかし私の場合、1.5倍以上の濃度にした場合にはコロイドにはならず、金属が直接析出しました。逆に1/2、1/4倍の濃度にした場合には、薄くなればなるほど粒径は拡大しました。0.29wt.%が最適濃度だと思われます。 ○強い還元剤について 水素化ホウ素ナトリウムなどを用いたことはありますが、粒径は15~25nmでした。 しかも粒度分布が大きかったです。 たくさんのアドバイスを下さり、ありがとうございました。
お礼
空気下合成で数nmのAuコロイドを合成できるのですか。 酸素の影響で粒径が大きくなってしまうのかと思っていました。 水素化ホウ素ナトリウムは、もっと少ない量にしてみます。 反応後のコロイドは、単体に担持させて水洗し、乾燥させています。 たくさんの情報をありがとうございます。 本当に助かります。ここで質問してよかったです。