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<免疫機能>成育過程のT・B細胞について
胸腺の働きは成育過程において衰えていくと聞きました。しかし、胸腺が衰えてしまっては、T細胞の成熟が完了しないのでは、と思うのですが、どうなんでしょうか?胸腺は衰えきってはしないのでしょうか?それとも、胸腺がなくとも、どこか他の場所で成熟するようになるのでしょうか? それと、もう一つ。自己・非自己を認識するために未成熟なB細胞は抗原に出会うと消滅すると習いました。B細胞は成熟してからにおいても、骨髄にて分化して生じていくはずなので、未成熟なうちに非自己を自己と勘違いして消滅していってしまうようなことが起こらないのですか?別に少々なら起きても大丈夫なのでしょうか? まだまだ生物学初心者ですので、質問自体に間違いがあったりするかもしれませんが、その点はお許しください。以上2つを、よろしくお願いします。
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- kimwipe
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胸腺はT細胞が分化成熟する場として知られていますが、加齢につれて脂肪組織に置き換わっていくと言われています。最も胸腺が成熟しているのは15~20才位でそれからはだんだん減退していきます。よってこれまでの時期にT細胞のレパートリーは一通り揃っていると考えられます。御存知の通りT細胞はB細胞と同様にVDJ組み換えをランダムに起こすことであらゆる外来抗原にも対応できるレパートアを持っています。また胸腺が減退しても一度抗原反応をしたメモリーT細胞の存在は重要な役割を果たしていると思います。 T細胞は胸腺だけでなく肝臓や腸管でも分化すると言われます(胸腺外分化T細胞)。これら胸腺外分化T細胞の特徴としてTCRの発現が低い、TCRレパートアが胸腺内分化T細胞と比較して小さい、IL-2b chain (CD122)を恒常的に発現しているなどが挙げられます。 免疫系が自己、非自己の識別をどのような機構でしているかは最も大きなテーマの一つだと思います。これらの解析はB細胞よりもT細胞のほうが進んでいます。上述のようにT細胞は主に胸腺で分化しますが、自己組織へ反応する恐れのあるTCRを持つ胸腺細胞は除去され(ネガティブセレクション)ます。しかしこの機構は不完全なものとされ、また全身組織の抗原ペプチドが胸腺内で発現しているわけではありません。よって自己へ反応する生体にとっては不都合なT細胞が末梢組織へ移行してしまいます。これらの自己反応性T細胞は各種自己免疫疾患の引き金となる恐れがあります。これらのT細胞の不応答化にはアナジーという機構、またregulatory T細胞の関与があげられます。わたしはT細胞が専門でB細胞は詳しくないですが、教科書レベルでは… B細胞は骨髄で分化する際にもし自己組織と高親和性を持った場合、レセプターエディティングと呼ばれる機構で自己寛容が起こっていたとおもいます。例えばラムダchainを持った自己反応性B細胞は自己組織との親和性を低下させるためにカッパchainを持つようになるなど。 ズラズラと書いてしまいましたが、ご参考になるURLがあったらあとで追加します。
- GON009
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胸腺が衰えるのでT細胞の教育がしきれず、自分を攻撃してしまうことがあります。T細胞はthymus(胸腺)ゆらいですのでT細胞と呼ばれます。 胸腺は10代で最大になりその後脂肪組織に置き換わります。そのためT細胞は少なくなり老人は感染しやすく、自己免疫疾患(自分を攻撃してしまう)にかかりやすくなります。 B細胞は遺伝子をランダムに組み合わされしかも突然変異をまじえ再構成する中で分化、成熟するので100×30×6=18000種類以上の種類が出来ます。そこには当然自己と反応しうるB細胞もあります。 それが身体を攻撃しないのは 「骨髄中で」未熟なB細胞は抗原と反応し死滅、不活性化する。トレランスと言う。しかし骨髄中以外の自己抗原には反応しうるB細胞が成熟し骨髄から出て行く。そこでB細胞は自己を攻撃することもあるが、(ヘルパー)T細胞の助けがなければ抗体を作らないので自己抗原と出会っても攻撃しない(抗体を作らない)。 残念ですが成熟の過程で非自己とあってどうなるかは知りません。