- ベストアンサー
PWMの積分による復調について再質問(回路図付き)
- みんなの回答 (7)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
変調部の動作をシミュレーションしてみました(http://aikofan.dee.cc/aikoup1/src/f1368.jpg)。Audio INに入力された信号は、トランジスタQ1で約5倍に増幅され、タイマ555の制御端子の電圧 VC を変化させます(トランジスタは反転増幅なので、制御端子の電圧変化は入力波形と逆位相になります)。制御端子の電圧 CV が変化すると、555のOUT端子に出力されるパルスの周期とパルス幅が変化します。シミュレーション波形と同じものが、555のデータシート(http://www.national.com/ds/LM/LM555.pdf) 9ページの「FIGURE 11. Pulse Position Modulator」に出ています。このパルスがHレベルになっている間だけトランジスタQ2がONになります。Q2がONになるとフォトカプラのLEDに電流が流れので、最終的に赤外線の発光パルスとして送信されます。 ご質問の回路の場合、555のOUT端子に出力されるパルス(振幅は0-6の周期とパルス幅は、下表のように変化します(R5 = 1kΩ、R6 = 10kΩ、C5 = 1000pF でのシミュレーション結果)。 CV = 1V → 周期 10.4μs、パルス幅 2.4μs CV = 2V → 周期 11.3μs、パルス幅 3.8μs CV = 3V → 周期 13.5μs、パルス幅 6.2μs CV = 4V → 周期 16.7μs、パルス幅 9.4μs CV = 5V → 周期 23.2μs、パルス幅 15.9μs Audio IN に信号が入っていないとき、CVの電圧は (2/3)*Vcc になります(Vcc = 6V なら VC = 4V)。Audio IN に±0.2Vの信号が入ったとき、その振幅はトランジスタで5倍に増幅されるので、トランジスタのコレクタでの電圧変化は±1V(位相は反転)になります。トランジスタのコレクタと555の制御端子はコンデンサC4で交流結合しているので、制御端子の電圧VCは 4V を中心に±1V変化することになります。 受信側についてはのちほど・・
その他の回答 (6)
- inara1
- ベストアンサー率78% (652/834)
NANDゲートの前にプリアンプの特性をシミュレーションした結果を紹介します。 (プリアンプの特性) プリアンプの利得は大きいですが入力信号レベルの範囲は結構広いです。入力信号の振幅を変えてプリアンプの出力波形をシミュレーションしてみると(参考URL)、C7への入力信号レベルが10μV~3mVの範囲であれば出力波形はきれいです。ただし、これは無信号時のQ8のコレクタ電圧が2.5V程度となるようにVR1を調整した結果です。この調整がいい加減だと、入力レベルが小さい時にうまく復調できなくなります。 プリアンプの利得は低周波ほど小さいので、明るさが一定の周囲光(周波数的にはDC)や電灯のチラツキ(50Hz・60Hzまたはその高調波)による信号に対する増幅率は低くなっています。プリアンプの増幅率は100kHzが最大で、周波数が小さいほど増幅率が小さくなっています。これは外光の影響をなるべく受けないように、PMM変調された信号だけを大きく取り出すためです。を100kHz未満の利得を落としています。AudioINに何も信号が入っていないとき、555の制御端子電圧は4V (=2*Vcc/3 )になっているので、PPM変調された信号の周波数は69kHzになります。この周波数は、回答No.3の t1 と t2 を使って f (Hz) = 1/( t1 + t2 ) で計算できます。AudioINの信号レベルが±0.22Vのとき、トランジスタQ1のコレクタでの振幅は±1Vになるので、555の制御端子の電圧は4V±1Vになります。したがって、AudioINの信号レベルが±0.22Vのとき、PPM変調された信号の周波数範囲は 48kHz~88kHzになります。この範囲ならプリアンプの増幅率は90dB(31623倍)以上あるのでPPM変調された信号だけを増幅することができます。 PPM変調された信号はHレベルとLレベルの時間が同じ矩形波ではなく、Lレベルにある時間が一定(t2)で、Hレベルにある時間(t1)が変化する矩形波になっています。AudioINでの信号が-側にあるとき t1 は大きくなり、+側にあるとき t1 は小さくなります。したがって、参考URLにあるように、AudioINに正弦波を入れた場合、AudioINの波形が下にある部分では、PPM変調波は平坦部分が多くなっています。この平坦部分は周波数的には低周波になるので、平坦部分の増幅率が小さくなります。そのため、参考URLの上から3番目の波形のように、プリアンプの出力波形は、この平坦部に相当する部分が平坦でなくなっています(低周波ほど利得が小さいというのは微分回路と同じですので、プリアンプの出力波形は矩形波を微分したような波形になります)。出力波形の中の赤い線は、プリアンプ出力につながっているNANDゲートの閾値電圧(Vcc/2)の位置を表わしています。つまり、プリアンプの出力信号がこの線をまたいで上下にないと、NANDゲートは繰り返し信号として認識できません。入力信号レベルが10μVppのとき、プリアンプの出力信号はほとんど赤線の上にあるので、NANDゲート以降でPPM信号をうまく復調できないと思われます。入力信号レベルが100μVpp~3mVppまでは、プリアンプの出力信号波形は赤線の上下にあります。入力信号レベルがこれより大きくなると、出力信号の平坦部分にヒゲが現れてきます。このヒゲは入力レベルが大きくなるほど幅が広がってきます。そもそも入力波形にはヒゲはないので、このようなヒゲは元に信号にはないノイズになります。したがって入力信号レベルが大きすぎても出力波形に乱れが生じます。このように、入力信号レベルを変えたときの出力波形を見てみると、この復調回路は、入力信号レベルが100μVpp~3mVppまでならばうまく復調できそうだということが分かります。 PMM変調波形の平坦部は、AudioINの振幅が大きいほど(-側に振れているほど)大きくなってくるので、AudioINの振幅を小さくすれば、平坦部の幅が小さくなるため、プリアンプの許容入力レベルの上限が広くなります。
お礼
休日までこのような質問で時間をとらせてしまいすいません。説明も大変わかりやすくしていただき、本当に参考になります。
- inara1
- ベストアンサー率78% (652/834)
平日は仕事なので頻繁にお答えできません。 「NANDゲートと積分回路」のところは土日にお答えするつもりですが、NANDゲートの部分は、周期の小さい信号(ノイズ)を除去するためのもののようです。
- inara1
- ベストアンサー率78% (652/834)
>式の途中にinやin(2)とあるのですがこれはなんの値でしょうか? in ではなく ln (エルエヌ)です。Excel 関数にもある自然対数の意味です。ln(2) = 0.693147・・になります。 >これは555の二番ピンのTRに入る電圧のことでしょうか? はい、CV(制御電圧)は 5pin の電圧のことです。 555の動作原理はここ(http://www.interq.or.jp/japan/se-inoue/ckt5_2.htm)に書かれていますのでご参考まで。
お礼
何度もすいません。ありがとうございます。
- inara1
- ベストアンサー率78% (652/834)
(受光部・プリアンプ) フォトトランジスタ Q3 は、送信側のLEDから出た赤外線パルスを電流パルスに変換するものです。この電流はR10で電圧に変換されます(R10の電圧(V)=光電流(A)×100(Ω))。トランジスタQ4からQ8までがプリアンプで、受信した信号を最大10万倍(100dB)増幅します。このプリアンプの電圧利得の周波数特性をシミュレションした結果を参考URLに貼っておきました。このアンプは100kHzあたりの周波数で最も利得が大きくなるようになっています。VR1を変えると全体の利得がかなり変わります。50kΩくらいのところで利得が最大となり、50kΩより小さくても大きくても利得は小さくなります。 しかし、この可変抵抗はアンプ全体の利得(感度)を調整するものではなく、無信号時のQ3のコレクタ電圧を調整するためと思われます。可変抵抗を小さくするとベース電流が増えることによってコレクタ電流が増えるためにコレクタ電圧が0Vに近づきます。可変抵抗大きくするとコレクタ電流が減り、コレクタ電圧は電源電圧に近づきます。無信号時のコレクタ電圧(動作点)が0Vや電源電圧に近いと信号がクリップしやすくなるので、通常は、動作点が電源電圧の半分程度になるようにします。 Q8のコレクタはNANDゲート(HC00)に直結されていますが、無信号時のコレクタ電圧がNANDゲートのしきい値電圧(電源電圧のほぼ半分)に近いと、入力信号に重畳したノイズによって出力がばたつくので、Q8のコレクタ電圧はNANDゲートのしきい値電圧の少し上か下に少しずらしておくためにVR1を調整するのが本来の目的かもしれません(ノイズによる誤動作防止のには、NANDゲートはHC00でなく、シュミット入力のHC132を使ったほうが良いと思いますが)。 R10の値を変えるとアンプ全体の利得(受信感度)を変えることができます(R10の値を大きくすると感度up)。 NANDゲートと積分回路はのちほど・・
お礼
細かく書いていただき本当にありがとう御座います。大変参考になります。 しかし増幅回路の部分はダーリントン接続されているので、増幅度は大きいと考えていたのですが、10万倍ですか・・・・・おおきいですね
- inara1
- ベストアンサー率78% (652/834)
>CVへの入力電圧が変化したときの周期やパルス幅は、計算値で算出することはできないのでしょうか? できます。結果だけ書きますが Out _ ̄__ ̄_ ⇔←→ t1 t2 t1 = C*( R5 + R6 )*ln{ ( 2*Vcc - CV )/2/( Vcc - CV ) } t2 = C*R6*ln(2) 周期 T = t1 + t2 となります。制御端子をオープンにしておく通常の使い方では、CV = (2/3)*Vcc なので t1 = C*( R5 + R6 )*ln(2) t2 = C*R6*ln(2) 周期 T = t1 + t2 = C*( R5 + 2*R6 )*ln(2) 周波数 f = 1/T = 1/{ C*( R5 + 2*R6 )*ln(2) } ≒ 1.443/{ C*( R5 + 2*R6 ) } これはLM555のデータシート8ページ左側の式と同じです。 >音声を送るには低すぎるためちょっと気になったので・・・ 555の発振周波数をもっと高くすればいいのではないでしょうか(受信部の積分回路の時定数も変更する必要がありますが)。
補足
式の途中にinやin(2)とあるのですがこれはなんの値でしょうか?。これは555の二番ピンのTRに入る電圧のことでしょうか?
- inara1
- ベストアンサー率78% (652/834)
NAND回路の部分は、入力パルスの立下がりのタイミングで、幅が一定( tw = C*R*ln2 = 6.9μs )のパルス( ̄- ̄)を発生させるものです。回路図が不鮮明なので、例えば下記にuploadしてURLを教えてください。 【upload手順】 (1) http://aikofan.dee.cc/ (2) 左のメニュー欄の一番下にある「汎用うp1M」をクリック (3) 右上の「うpするファイル(1000Kまで)」のところの「参照」をクリックして、upするファイルを選択する (4) その下の「コメント」に題名を記入 (5) その下の del pass に削除用のパスワード(半角英数字)を記入 (6) 「Send」をクリック 【uploadされたファイルの閲覧・URL取得】 (7) upされたファイル一覧が更新され、今upしたファイルが一番上の行に表示されるので、その名前(f1335.jpgなど)をクリック 【uploadされたファイルの削除】 (8) ファイル一覧にある該当ファイルの左端にある「D]をクリック (9) (5)で記入したパスワードを記入し「削除」をクリック
補足
回答ありがとうございます。 画像ををUPしました。アドレスはこちらです http://aikofan.dee.cc/aikoup10/src/f0054.jpg よろしくお願いします。
補足
回答ありがとうございます。かなり詳しく説明していただき本当にありがとうございます。このCVの値で計算した値と実測値が一致しました!!ここで疑問なのですが、CVへの入力電圧が変化したときの周期やパルス幅は、計算値で算出することはできないのでしょうか?それともこれはne555の固定の仕様なのでしょうか? それと現在自宅ではないため、基板がないので詳しくは後日確かめて見るつもりですが、±1Vということは最大最小出力周波数は43kHz~74kHzでよろしいのでしょうか?音声を送るには低すぎるためちょっと気になったので・・・。私もspiceでシミュレートしてみたいと思います本当にありがとうございます。受信側のほうも期待しております。