- ベストアンサー
イスラエルの核兵器問題に関しての真の利益とは?
はじめまして、大学のレポートを書くにあたって、「イスラエルの核問題会議における行動」について調べています。 イスラエルの核保有は、事実上世界中がもうわかっていますよね? そんな中で、イスラエルは各国とどのように交渉しているのでしょうか??イスラエルの要求なんて、誰も聞く耳持たない気がするのですが・・・ (1)核問題において、イスラエルの真の国益とは何か? (2)核問題に関してイスラエルの強みとはなんだ? の2点にわけて教えていただけたらありがたいです。 (2)に関しては、アメリカが味方であるということとかでしょうか? よくわかりません・・・;;;; ご助言おねがいします!!
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
まず最初に言えることは、イスラエルはこれまでに公式に自国の核兵器所有を表明したことは一度もないということです。核兵器の開発には一昔前には実際に核実験による爆発させることによって、その能力を実証させることが必須条件でした。そしてイスラエルはこれまでに一度も核実験を実施してはいません。 しかし世界の軍関係者や専門家はイスラエルが核兵器、それもより威力のある熱核融合兵器、つまり水爆を所有していることを認めています。ではなぜ実験をすることなしに持てたのかといえば、核実験シュミレーションです。詳細は省きますがスーパーコンピュータによるシュミレーションで「解」を得られることが可能になっているからです。 さらに確実を期するならそこに「レーザー核融合実験装置」があれば鬼に金棒です。この装置はかなりの先進的技術ですので、所有する国は限られており。米英仏、そしてなんと日本も所有しています。つまり国内電力の4割近くを原発に依存している日本も、その気になればその原材料の供給が問題ないこともあって、核実験なしに水爆を持つことが可能だということです。などと、前置きが長くなり申し訳ありません。 ご質問ですが、核問題イコール核兵器と考えます。 1) イスラエルが核兵器を持つことによる、イスラエルが享受出来る国益ですが、まず周辺諸国(つまりは敵対する中東諸国ですが)への強い威嚇になり、ひいては自国への壊滅的な攻撃を受けることを避けられます。更には直近に起こったパレスチナへの攻撃のように、世界の非難を受けることが容易に想像できるような強引な行動を起こすにしても、それほど世界の顔色を伺う必要性がありません。もちろん好き放題やっているイスラエルにしても国内の世論はかなり気になるようですが、今回の総選挙の結果を見ても分かるように、おおむねイスラエルは好戦的な国家ということが確立されています。 自分たちの国が核兵器、その中でも最も威力のある水爆を所有しているという「既成事実」は、国民にいかなる国への先制攻撃や他民族への弾圧も、必要に迫られれば許されるという発想を持つことに繋がるのではないでしょうか。そしてこのような国内事情は右派政党の存続に安定感を与え、ますますイスラエルを軍事国家として延命させていくことになります。そしてこれがもっとも大きな国益になりますが、イスラエル国民の常に持つ願いである、神に与えられた安住の地に永遠に住むことが出来るということです。 2) 核兵器を所有することによる強みというのは、多分に1)と重複することになるのですが、敢えて言うならやはり国家としての、国連に影響されることのない行動の自由です。 まだ記憶に新しい1982年のイラクのバクダットにあった「オシラク原子炉」の爆撃に続いて、現在イスラエルはイランのナタンツにあるウラン濃縮施設の破壊計画をいつでも実行に移せる状態にあります。そしてこれが実行されたとして、世界はこの他国への侵略的攻撃に強く非難するはずです。しかし結局はそこまでです。それ以上は何も出来ません。アラブ諸国はもちろん武力による報復はもうなかなか実行は出来そうにありません。なぜならイスラエルは核保有国だからです。 では国際社会が懲罰として、他のいわゆる「ならず者国家」へ行った経済的制裁を行うことは可能でしょうか。まず無理です。やけになったイスラエルが核兵器を使用して中東で一騒動でも起こすようなことにでもなれば、中東の石油に依存している多くの国が大混乱に陥ります。 核兵器とはどこかの国が使用すればその国の破滅を意味することになりますが、残念ながら使用しない限り、つまり賢く有効に利用すれば世界に対してこれほど便利なジョーカーはないのです。ですから北朝鮮はあれほどまでに「核保有国」という国際的なお墨付を渇望しているのです。 さらにアメリカとイスラエルの関係ですが、これはいちがいに両国が蜜月の時代をいつも送っているとは言えないかと考えます。アメリカの政府や議会、そして議員の中にはイスラエルに対して強硬な態度をとるべきだという意見を見ることはそれほど珍しいことではありません。もちろん多くの在米イスラエル人が、アメリカの政治経済文化に深く関与している事実から引き出される結論も無視は出来ません。しかし私はちょっと違った見方をしています。 つまりアメリカはあまりにもイスラエルに弱みを握られすぎているということです。長くなっていますのでちょっとはしょりますが、アメリカが中東での存在感や発言力、ひいては影響力を保持し続けるためにイスラエルをかなり利用してきました。そしてしたたかなイスラエルはそれを逆手に利用しているというわけです。 前述のシュミレーション核実験ですが、最終的に必要になる「レーザー核融合実験装置」を思い出してください。英米仏日のどこがその装置をイスラエルに利用させる可能性があるでしょうか。そしてそれを利用させたことがわかれば、イスラエルの核に戦々恐々とならざるを得ないアラブ諸国、つまり石油産出国はその国に対してどんな感情を抱くことになるでしょうか。 国際政治は魑魅魍魎が棲む、とはよく言ったものですよね。 ほんとに長くなってしまいました。お許しを。レポートは既成の事実の積み重ねも大事ですが、論点の見方の突飛さやちょっとした持論の強引な持って行き方もも、案外レポートに奥行きと新鮮さを与えてくれますよ。勉強頑張ってください!
その他の回答 (1)
- pasocom
- ベストアンサー率41% (3584/8637)
(1)イスラエルにとっての「国益」とは国の安全と存続です。第二次大戦後アメリカの後押しで生まれたイスラエルは誕生直後からパレスチナとの領土問題に直面しています。数次にわたる中東戦争を勝ち抜いたもののいまだにパレスチナ民族との争いは絶えません。 パレスチナ側には同じイスラム民族としてエジプト、イラン、シリア(かつてはイラクも)などの国家が控え、パレスチナ民族を表に裏に支援しています。イスラエルとしては、これらの後ろ盾になっているアラブ諸国も敵国家と見なしていることでしょう。これらの国々に対して軍事的に優位に立とうとしてついに核保有に至ったものと思います。 (2)お見込みのとおり、国際社会の中でいくら非難されても、イスラエルの強みはアメリカの支援があることです。アメリカはイスラエル建国以来、中東における軍事的優位を保つためにイスラエルと同盟関係を結んでいます。アメリカの財界を牛耳るユダヤ資本の意向がアメリカの動向にに強く反映されているのです。またアメリカは最近は「反テロ戦争」に走っていますが、この実体はイスラム原理主義との戦いであり、上に述べたようにイスラム諸国と鋭く対立するイスラエルは同じ敵を共有する立場にあります。 ですから国連で何回イスラエル非難決議が提案されてもアメリカが拒否権を行使し提案が採択されることはありません。このことがイスラエルにどんなに有利に働いていることでしょう。 >イスラエルの要求なんて、誰も聞く耳持たない気がするのですが・・・ 北朝鮮問題でもそうですが、国際社会は一応核拡散を防止しようというNPT体制にあります。また実際に核ミサイルの射程距離内にある周辺アラブ諸国にとっては身に迫る脅威ですから、なんとか核兵器の廃絶を模索するためにはイスラエルの意見(脅し)にも耳を傾けざるを得ません。 イスラエルの当面の目的は今はパレスチナ自治区となっているヨルダン川西岸とガザ地区をあわよくば奪還して堂々と自国領土としてパレスチナ人を排除し、再び入植活動をしたい、というところでしょう。そうすればこれらの地域からロケット弾攻撃を受ける心配もなくなりますから。 そのためにアラブ各国との交渉では核を含めた軍事力をテコに交渉を優位に進めたいという思惑があるのではないでしょうか。
お礼
さっそくのご回答ありがとうございます!!本当に分かりやすくてためになります!!イスラエルが存続の危機に陥っていることがよく分かりました。 >イスラエルの当面の目的は今はパレスチナ自治区となっているヨルダン川西岸とガザ地区をあわよくば奪還して堂々と自国領土としてパレスチナ人を排除し、再び入植活動をしたい、というところでしょう。 ということは、イスラエルは、パレスチナ(とか、イランとか)に勝つためにも軍事力を保持したいということですよね? そのためにたとえば国連においては、 (1)具体的にどのような要求をするのでしょう? (2)どのような形で要求を通すのでしょう?(アメリカを通して要求するとか??) (1)に関して・・・ イスラエルは軍事力と同じように経済力もあるので、お金の援助は特に求めてない気がします。 では、ロシアやヨーロッパ各国との情報交換でしょうか?(イランがどれほどの核施設を持っているのかなど) さらに質問を重ねてしまいすみません;;;
お礼
詳しい回答ありがとうございます。 レポートを書く際ものすごく参考になりました!!! こういう国家間の関係って、みてて本当におもしろいですね・▽・