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トランスミッションについて
こん××は 自動車・バイクのトランスミッションについて質問させていただきます。 ずばりHSTとHMTの違いとはなんでしょうか? HSTは単に ENG→HYDポンプ→HYDモータ→出力 なのでしょうか? 他方、HMTはプリウスの変速システムのハイドロバージョンで、 飛行機のCSDみたいに、 軸のトルクの一部でハイドロポンプを駆動させ、 ピストンポンプ(又はモーター)のジンバルを動かして、 ハイドロモーターから任意の回転数とトルクを出力後、 遊星歯車等を用いて トルクと回転数の足し算と引き算を行うのでしょうか? HMTを採用していると言われている(wikipediaにそう書いてありました)、 ホンダのDN-01のトランスミッションのスケマチックを見てみても、 トルクを足し算引き算するようなシステムが見当たらないのですが・・・
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- twilight77
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>ここで『機械的接続』という点が腑に落ちないのですが、 >例えばDN-01の場合はロックアップ機構によって軸を直結させるシステムを >『動力伝達機械』という事なのでしょうか? 『機械的接続』というのは、HSTが純粋に油圧という「液体」だけで動力を伝達するのに対し、HMTは油圧だけでなく変速機内の斜板ピストンや遊星歯車といった機械部品でも動力を伝達することから「機械的」と言っています。 DN-01のHFTを例に取りますと、HFTの動力伝達経路は以下のようになります。 1.エンジンの回転がポンプ側斜板を回転させる。 2.斜板の回転によりポンプ側ピストンが押され、中の油が高圧になってモーター側ピストンのほうに流出する。 3.ポンプ側より来た高圧の油によりモーター側ピストンが押し出される。 4.押し出されたモーター側ピストンによりモーター側斜板が回転する。 ご覧になったかもしれませんが、以下のサイトが動きについて判りやすいです。 http://www.honda.co.jp/tech/motor/hft/detail/index.html HFTの場合、ポンプ側からモーター側に動力を伝える媒体となっているのは油です。 しかし、(HSTのように)油だけが動力を伝えているのではなく、ポンプ側とモーター側にある斜板やピストン、ピストンを格納しているシリンダーといった機械機構も合わせて使うことによって(つまり、油が動力伝達機構の一部となることによって)、初めて動力を伝えることが出来ます。 そこで『機械的接続』というふうに呼ばれるわけです。 また、ロックアップは定速巡航等の低負荷時に変速機の入力側と出力側を直結することをいいますから、これはあくまで機械的動力伝達(接続)の機能の一部に過ぎないですね。 >それ以外の場合だと回転数が合わないと思うのです。 回転数は合わなくてもよいのですよ。 なにしろ、速度や負荷に応じて回転数を減じる「変速機」なのですから。 あと、前の回答で書き忘れましたが、HFTの場合はポンプ側→モーター側へのピストンの動き以外に、ピストンを格納しているシリンダーの回転によってもトルク伝達が行われます(伝達比率はピストン側が大幅に多いようですが)。 そういう点では、ピストン+シリンダーというようにトルクの足し算が行われていることになりますね。
- twilight77
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HSTとHMT、この両者の最大の違いは、入力側と出力側が一体化されているかということと、入力側から出力側への動力伝達を油圧のみで行うのか、油圧と機械部分を使って動力を伝達するのか、であると思われます。 HST(静油圧式変速機)は、ご指摘の通りENG→HYDポンプ→HYDモータ→出力という経路で動力が伝達されますが、このエンジンと油圧ポンプ、油圧モーターのうち、ポンプとモーターはたいていの場合全く別の箇所に設置されます。 HSTは動力伝達効率がよくないのですが、動力伝達は高圧油圧ラインによってのみ行われるので、ドライブシャフトのような機械的動力伝達装置が設置できないような状況(車体設計)においても動力が伝達できるのが特徴です。 HSTの採用例として挙げられるのが、ラフテレーンクレーン(自走式クレーン車)です。 このラフテレーンクレーンは、HSTを採用することによって一つのエンジンと操縦席で自走とクレーン操作とをできるようにしたもので、エンジンと油圧ポンプは上部の旋回体後部に積まれており、走行時にはそこで発生した油圧を下部の走行体まで送り、そこに設置した油圧モータで走行します。 このように、トランスミッションの入力側と出力側が必ずしも一体化されておらず、しかも動力が油圧のみで伝達されるのがHSTです。 一方、HSTの動力伝達効率の悪さを改善するため、油圧の他に機械部分でも動力伝達を行うようにしたのがHMT(油圧-機械式変速機)です。 動力伝達効率は高いのですが、動力伝達のための機械機構があるためにHSTのようなポンプ側とモーター側の設置の自由度は低く、またポンプ側、動力伝達機械部、モーター側が一体化され一つのトランスミッションケーシングに収められています。 動力伝達のうち機械機構部分は開発各社によって異なっており、ホンダ"HFT"のような斜板ピストン/モーターを使用するもの(DN-01、RC250MA)や、遊星歯車を使うもの(ヤンマーのトラクターや自衛隊次期主力戦車TK-X)など様々です。 なお、動力の伝達に当たっては、必ずしもトルクの足し算引き算をするというものでもないようです(ここは開発会社の独自性でしょう)。
お礼
詳しい説明ありがとうございました。 HSTはつまり普通のHYDシステムということなんですね。 ここで『機械的接続』という点が腑に落ちないのですが、 例えばDN-01の場合はロックアップ機構によって軸を直結させるシステムを 『動力伝達機械』という事なのでしょうか? それ以外の場合だと回転数が合わないと思うのです。
お礼
またまた詳しい説明ありがとうございます。 DN-01の変速システムがやっと解明できました。 ポンプのシリンダとモーターのシリンダが一緒に動いているなんて・・・ 回転数のズレをポンプのジンバルで作っているとは思いませんでした。 そして、 HFTのロックアップ機構はハイドロの柱を固定するシステムのようですね。 これほど詳しい解説がいただけるなんて予想外でした。 本当にありがとうございました。