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10式戦車の変速機がCVTであってDCTでない訳
自動車評論家の文章を読むと、ヨーロッパで普及している、手動変速機と同じ構造の変速機にクラッチを二重に組んだDCT(二重クラッチ式自動変速機)の方が、我が国で普及している連続可変変速機(CVT)よりも伝達効率が良いといわれています。 我が国の最新鋭の戦車である10式戦車(TK-X)には、DCTはなぜか採用されず、油圧式の無段変速機HST(Hydraulic Static Transmission)に遊星歯車を組み合わせた油圧機械式トランスミッションHMT(Hydraulic Mechanical Transmission) という形のCVTが採用されています。このCVTは、自動車で採用されているCVTとは構造が異なりますが(ホンダが2輪で採用しているようです)。 10式戦車がDCTを採用せず、HMT型のCVTを採用した理由を御存知の方がいらっしゃいましたら、御教示願います。
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- mk57pvls
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こんにちは > 10式戦車がDCTを採用せず、HMT型のCVTを採用した理由を > 御存知の方がいらっしゃいましたら、御教示願います。 10式は、確かに最新の戦車ですが、開発はかなり前から行って いました。 トランスミッションやサスペンションについては、昭和62年(1987年) から平成元年(1989年)にかけて製造された"装軌実験車"を使って 各種の実験が(平成4年まで)行われ、その結果が、10式の設計& 開発にフィードバックされています。 HMTは、ご質問にあったように(HONDAのスクーター、米軍Bradley IFV等への採用)、かなり早くから実用化されていたのですが、DCT は確か80年代にレースカー用で一度世に出たものの、(VW社に よって)実用化されて、市場に出始めたのはようやく2000年代に なってから、と記憶しています。 従ってDCTは、その技術自体の実用化が、つい最近の事であった のが最も大きな理由ではないでしょうか? ちなみに平成20年に実施された 「"新戦車"に関する外部評価委員会の(評価の)概要」においては 「動力装置の動力性能、車両の走行性能の基本性能については、 小型・軽量化及び高効率・高応答化という目標を達成しているもの と認められる。」 とされており、特に"軸出力の早い立ち上がり"と、使用頻度が高い 速度領域における"高い軸出力の維持"がHMTの特長として評価 されています。 http://www.mod.go.jp/trdi/research/gaibuhyouka/pdf/MainBattleTank3.pdf
お礼
mk57pvlsさん、お忙しい所、御回答くださり、誠にありがとうございます。 10式戦車の開発が始まった頃は、HMT式のCVTは既に実用化されていたのに対し、DCTは事実上実用化されていなかったという違いがあったために、CVTが採用され、DCTは採用されなかったということですね。開発時の事情ということですね。 そうなりますと、今後開発される自衛隊の車両(装輪、装軌を問いません)の変速機が、CVTになるのか、それともDCTになるのか、私も注目していきたいと思います。