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大学入試の採点基準
大学入試における一般的な採点基準に関心があります。 たとえば、They are fighting for the championship.を和訳する問題の場合に、「彼らは王者をかけて戦う」と「彼らは王者の立場をかけて戦う」という二つの解答が合った際には二つの解答に一般的な大学受験の採点基準では得点差をつけるのでしょうか?
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- P-Tech
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P-Techです。 > 大学毎の許容範囲の問題ではなく、前者は誤りなのでどのような大学の採点基準であっても減点の対象となるという理解でよろしいのでしょうか? 採点基準は、各大学の自由裁量・専権事項です。また、一般に公開される性質のものでもありません。したがって、「どの大学の採点基準であっても減点の対象となる」と一律には言えないでしょう。 しかも、ひとつの大学でも「科目ごと」に採点基準を設けるはずです。ですから、先に「国語の問題なら減点…」と書きました。 常識的に考えられる採点基準としては、 (1)単語の誤訳は減点対象(場合によっては0点)…これは当然でしょう (2)日本語表現の不適切は減点対象…この点にどの程度の厳密さを求めるかが、外部からは不明です。 その他にも詳細な決めごとがあるだろうと推測しますが、「王座」を「王者」とすることが、上記(2)に該当すると判断されたら微妙だということです。 しかし、今改めて考えてみると、「この受験者はchampionshipという単語をchampionと間違えて解釈している」──つまり上記(1)に該当すると判断される可能性も十分にあるのではないでしょうか。その場合は、明らかに減点対象となるでしょう。 採点基準は、外部にはわかりません。たとえば、答案上で、「採点基準」を「さい点基準」と書いたら(教育漢字や常用漢字をひらがなで書いたら)減点されるのか? など、わからないことは数多くあります。 受験者側としては、「厳しい採点基準によっても減点対象とならない」ように受験対策を行うしか方法はないのではないでしょうか。 ちなみに、仮に私が採点者なら、「王者をかけて」は減点します。理由は、(1)と(2)の複合判断によります。 一方、「王者の立場をかけて」は減点しません。日本語としては、「王座をかけて」あるいは「王者の地位をかけて」の方が優れていますが、「王者の立場をかけて」が間違っているとはいえない、と考えるからです。 あとは、たとえば大学受験予備校の教務課などに問い合わせてみると、より詳しく教えてくれるかもしれませんね。特に大手予備校は、経験と実績が豊富でしょうから。 こんなところでよろしいでしょうか。
- P-Tech
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P-Techです。補足します。 手もとに、電子辞書の「デジタル大辞泉」と「明鏡国語辞典」がありました。調べてみましたが、いずれにも、王者という言葉に「王としての地位」という解説はありませんでした。 1.王である「人」2.王道をもって国を治める「君主」3.ある分野で最も実力のある「者」 といった具合です。すべて、「地位」ではなく「人」を表す解説のみです。 実際の日常表現においても、「王座を奪還する」とは言いますが、「王者を奪還する」とは言いません。「王座」と「王者」の意味の違いは、ここからも明らかだと思われます。 なお、私の回答の本来の趣旨は、「王者の意味」ではなく、「入試採点基準における減点方式」です。この点もご確認ください。 > 「They are fighting for the championship.」を「王者をかけて戦う」と訳出した解答は、「championship」と「champion」の差異を理解し更に日本語における「王者」という言葉の持つ二義性を理解したうえでの解答なのか、単に「championship」と「champion」の差異に気がつかず「王者」と訳出したのかは解答のうえからだけではわかりません。 仮に、おっしゃるとおり「解答からわからない」のであれば、減点する理由もないことになります。試験では、「間違いだから減点する」のであって、「正解か不正解かわからないから減点する」のではありません。 ただ、ひとつ言えることは、「正しく理解しているのであれば、そのことが採点者に明確に伝わる答案を作成するべきだ」ということです。 つまり、「この答案は、受験者が正しく理解しているようにも見えるし、そうでないようにも見える」ということは、裏を返せば、「誤って理解しているように見えたから減点した」という判断を、受験者側は覆せる立場にはないということでもあります。 総括すると、私は、質問者の疑問に対して、以下の面で提案しています。 (1)減点方式というのは、「間違っているから減点する」のであって、「より優れた解答に比べて劣っているから減点する」のではないこと、さらには「正しく理解しているか誤って理解しているかわからないから減点する」のでもないこと (2)「誤って理解している」ととられるおそれのない答案を作成するべきだということ (3)具体例として示された「王者と王座」の問題については、質問者の理解が不適切なのではないかということ (4)上記(3)に関連して、英単語の意味を厳密に区別するのと同様、日本語の意味についても、「日常使用の漠然とした意味」でとらえるのではなく、明確・適正な日本語の意味を確認するべきではないかということ(英語と日本語を等距離において妥当な線を見いだす) 以上です。
- P-Tech
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> 日本語の「王者」という言葉が人が占める抽象的な場所としての「王座」と人としての「王者」の両方の意味で使われるからだと思います。 私の理解では、「王者」という言葉に「人が占める抽象的な場所(地位)としての王座」という意味はないと理解しています。「王者」は、あくまで「王という地位に就いている人」のことを指します。 championにchampionshipの意味がないように、「王者」に「王座」の意味はありません。 > 「王者をかけて」と「王者の立場あるいは王座をかけて」は日本語の表現としては等価だと思います。 以上の見解から、上記両者の表現は等価ではないというのが、私の見解です。 手近に詳しい国語辞典がないので確証を与えることはできませんが、ネット上の辞書を見る限り、「王者」に「王座」の意味を与えている者は見当たりません。
- P-Tech
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まずは、一般論としての入試採点基準について。 大学入試(ペーパー試験のことを言っています)は、基本的に「客観試験」です。したがって、問題に対して、「正解か不正解か」を採点基準とします。 ○×問題、多肢択一問題については、これが唯一の採点基準なので、点数はオール・オア・ナッシング(その問題について満点か0点のどちらか)になります。 一方、質問にあるような和訳問題や、逆に英作文問題、あるいは要旨要約問題などの「記述式問題」については、「一字一句同じ1つの解答しかあり得ない」という採点方法をとることができません。その場合は、「減点方式」になります。 つまり、「本来あるべき模範答案(満点となるべき答案例)」を基準に、部分的な誤りに対して、例えばマイナス1点とか、マイナス2点という具合に減点していきます。 仮に、ある1問について配点が5点だった場合、誤った部分について減点していった結果、減点が5点を超えた場合、仮に解答の一部が正解であったとしても、減点方式では0点となります(0点未満にはなりません)。 もちろん、採点方法としては、減点方式の対極として「加点方式」というものもあります。しかし、日本の大学入試は、ほぼ例外なく減点方式です(ペーパー試験の場合)。 次に、質問者が提示した「和訳例」について。 > 「王者をかけて」に比べて「王者の立場をかけて」という訳出の仕方は「champion」と「championship」の差を出そうとしている点でより優れた訳だと思うのですが… 質問者は、「championとchampionshipの差」にこだわっているようですが、そもそも、fight for the championが「チャンピオンをかけて戦う」という意味の英語としては存在しないのではないでしょうか?(「チャンピオンのために戦う」という意味としてならあるかもしれません) また、観点を変えて、日常表現としての日本語に着目したとき、「王者をかけて」と「王者の立場をかけて」という日本語表現に、どのくらいの差を感じるでしょうか? その違いが、聞き手に対して、具体的にどういう差をもたらすとお考えでしょうか? さらに言えば、「王者をかける」というのは、日本語として適切でしょうか? 私なら、当該英文の日本語訳としては、 「彼らは『王座』をかけて戦っている」 とするだろうと思います。つまり、質問者の訳で言う「王者の立場をかけて」とほぼ同じです。 つまり、「彼ら」が戦っているのは、「王者になるため」です。言い換えれば、「王者としての地位(王座)を得るため」です。 「王者」というのは、あくまで人を指す言葉ですから、「人をかける」という表現は不適切で、本来は「地位をかけて」いるのです。 たとえば、「王座獲得」とはいいますが、「王者獲得」という日本語には違和感を覚えます。「スポーツ用品メーカーA社が、自社の広告イメージキャラクターとして、五輪金メダリストB選手との広告出演契約締結に成功した」というのであれば、「A社は自社の広告媒体として王者獲得に成功した」と言えなくもありませんが……。 その意味では、これが「国語」の試験問題であれば、「王者をかけて」は減点の対象となる可能性があります。「英語」の試験問題としては、大学によっては「許容範囲」ということで減点されないかもしれません。 注意してもらいたいのは、この場合でも、「王者をかけて」が減点対象になりうるのであって、「王者の立場(王座)をかけて」が加点対象になるわけではないということです。日本の大学入試はあくまで「減点方式」なのです。それは、「客観性」を保つためのひとつの方法です。 いずれにせよ、あまり「深みにはまらない」よう留意された方がよろしいかと思います。 私が「客観試験」ということを強調しているのは、ひとつには、「学習姿勢そのものも客観的(冷静)であるべきだ、近視眼的になるべきでない」ということを質問者に伝えたい意図もあります。 質問者は、championとchampionshipという英単語の差異に着目するあまり、「和訳の日本語としての適否」を忘れているのではないでしょうか? 「英語を日本語にする」以上、英語をいかに忠実に再現するかという観点に加えて、日本語として適切かどうかという観点も持ち合わせなければなりません。つまり、英語と日本語を等距離において、その最も妥当な線を探る必要があるわけです。 以上、参考になれば幸いです。
お礼
丁寧なご回答ありがとうございます。 すこし質問の趣旨を整理したいと思います。 英語を訳出する際に、聞き手が感じる違いを考える必要があるというのはその通りだと思います。その意味では、「王者をかけて」と「王者の立場あるいは王座をかけて」は日本語の表現としては等価だと思います。それは日本語の「王者」という言葉が人が占める抽象的な場所としての「王座」と人としての「王者」の両方の意味で使われるからだと思います。 しかし、ご指摘のように英語では「fight for champion」は「champion」が人を表すために違和感のある表現になってしまいます。言い換えれば、英語の「champion」と「championship」の間には差異があります。 このように考えたときに、「They are fighting for the championship.」を「王者をかけて戦う」と訳出した解答は、「championship」と「champion」の差異を理解し更に日本語における「王者」という言葉の持つ二義性を理解したうえでの解答なのか、単に「championship」と「champion」の差異に気がつかず「王者」と訳出したのかは解答のうえからだけではわかりません。一方で「王者の立場」あるいは「王座」と訳出した解答は「championship」と「champion」の差異に留意したことは明らかです。このような意味で、「王者をかけて戦う」と「王者の立場をかけて戦う」には日本語の表現としての差異はありませんが、和訳の解答としては前者は非決定性を持つが後者は明瞭という意味で差があると思います。この差を一般的な大学の採点基準は掬いとるのかというのが質問の趣旨でした。 その意味では大学によっては「王者をかけて」は減点対象となりうると考えてよいのでしょうか?
- zorro
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二通りの解釈が出来る場合は両方正解となります。
お礼
さっそくのご回答ありがとうございます。 「王者をかけて」に比べて「王者の立場をかけて」という訳出の仕方は「champion」と「championship」の差を出そうとしている点でより優れた訳だと思うのですが、このような差異は大学入試の採点基準とされるのでしょうか?
お礼
またまた詳しいご解答ありがとうございます。 減点方式とわかっていても、どうも頭の中で加点方式で考えていたのかもしれません。「王者」と「王座」の差もなかなか難しいですね。「奪還」とのかかわりを考えると、差は明らかですが、P-Techが前に指摘されたとおり「かけて戦う」という場合には差異はないように感じられます。「かけて戦う」何かは人ではないと思われるので、辞書をひかずに「王者」に立場の意味があるのかなと思い前回のような解釈をしてしまいました。 提案のこと、その通りだと思います。「王者」と「王座」が厳密な区別があるとすると、P-Techの最初の示唆のように、「王者をかけて戦う」と「王座をかけて戦う」は大学毎の許容範囲の問題ではなく、前者は誤りなのでどのような大学の採点基準であっても減点の対象となるという理解でよろしいのでしょうか?