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高周波回路のエミッタ帰還抵抗について
現在、マイクロ波の回路設計について勉強しています。 高い周波数の増幅回路では、エミッタ帰還抵抗を外して直接 GND に接地している場合が多いようですが、これは何故でしょうか? 低周波回路のイメージで考えると、直接接地することで、バイアスが不安定になるのではないでしょうか? このメリットを失ってまで直接接地する理由を教えて頂けないでしょうか?
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"回答番号:No.1" のつづきです。 >回路によって入っていたり入っていなかったりしたので混乱していました。 そうです。わざとエミッタに抵抗を入れる場合もあります。 これは、受信すべき信号が広帯域の場合につかうテクニックです。 仮に、エミッタ帰還にインダクタを使う場合は、 狭帯域でしか効果がありません。理由は インダクタに周波数特性があるので、設計した周波数から極端に離れた周波数の値では、 帰還の効果が違って見えるからです。 これに対して、広帯域で一定のフラットな帰還の効果を得るには 抵抗で実現するしかないのです(キャパシタやインダクタのような 受動素子では必ず周波数特性があるので無理)。 実際はエミッタ帰還抵抗でがんばる前に、 ベース・コレクタに帰還抵抗を入れる、 すなわち並列帰還を試すと思われます。 結局のところ、製品の使われる状況(アプリケーション)によって 扱うべき回路を使い分けるということです。 ある場面で必要でない回路構成が、別の場面では最適な場合もありえるのです。
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- tkajte
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>高い周波数の増幅回路では、エミッタ帰還抵抗を外して直接 GND に接地している場合が多いようですが、これは何故でしょうか? 一番の理由は、抵抗が雑音源になるからでしょう。 おそらく、エミッタ抵抗をはずす場合は、RF回路でいう ところのフロントエンド(アンテナ側に近い)にある回路の場合です。 この場合は、少しでも受信感度が稼ぐために、抵抗素子は 極力使わないようにするのです。 実際は、RF-CMOSを例にすると、ソース側(エミッタ端子に相当)と GNDの間にインダクタを挿入します。こうすることで 反射係数の最小地点と雑音指数の最小地点を近づけることが 可能になります(その代わりに、少し利得が低下しますが)
お礼
ご回答、ありがとうございました。 雑音を除きたい場合に使うのですね。 これまで漠然と、高周波で電力を消費しないための措置なのかなと思っていましたが、 回路によって入っていたり入っていなかったりしたので混乱していました。 雑音抑制の用途で使う場合は、周波数に関わらず使われる技術だという理解でよいでしょうか? >こうすることで反射係数の最小地点と雑音指数の最小地点を >近づけることが可能になります なるほど。勉強になりました。
お礼
非常にわかりやすい回答、ありがとうございました。 今まで曖昧だった部分が大分すっきりしました!