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前後異サイズタイヤの意味って?
こんにちは。ちょっと疑問に思ったのですが、スポーツカーなどでは前後異サイズ(幅)のタイヤが多くみられますが、 ※前後異なった幅にすることによってどのような効果があるのでしょうか? ※前後同サイズ→前後の幅の差が大きくなるにつれて、車はどんな特性を持つのでしょうか? よろしくお願いします。
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例えば、トヨタスープラでは、前235/45ZR17/後255/40ZR17が標準で装着されて います。駆動方式はFRで、前にエンジンがあり後輪で駆動しています。 そして、280ps,46.0kgf・mと言う大きなパワー後輪にかかります。 これだけパワーがあると、どうしても後輪のタイヤには、パワー相応のグリップが 要求されます。なので後輪のサイズがアップされているのです。 サスペンションも、前後異サイズであることを前提に設計されています。 ホンダNSXは、MRで前215/45ZR17/後255/40ZR17と言うサイズが標準になり ましたが、MRと言うのは後輪の若干前側にエンジンが配置してあります。これを 俗にミッドシップと言います。この場合、前後の重量配分が約4:6になります。 コーナリング中に、クルマには速度の2乗に比例して遠心力がかかります。後側に エンジンがあるので、それだけ遠心力も後の方が強くなります。従って、横滑りを 抑えるためにリアのサイズがアップされています。もちろん、スープラと同様に、 280ps,31.0kg・mのパワーを路面に伝えるためにもタイヤの幅が必要になります。 前後同サイズの場合ですが、タイヤの幅が広くなることによって絶対的にグリップ が高まります。また、走行安定性(直進、コーナリングともに)がアップします。 ただし、幅が広くなる分、ロードノイズは大きくなります。 純粋に考えてみてください。 205mm幅のタイヤと255mm幅のタイヤを、タイヤだけで同時に同じ速度で転がしまし た。すると、そこで真横から風が吹きました。どちらの方が倒れにくいですか? 答えは255mm幅のタイヤです。分かりますよね? このように、幅を広くすることによって車体の安定性を向上させたり、パワーを伝 達させるために幅を広くしたりと、色々な要素が絡み合ってタイヤサイズと言うの は決められています。が、純正の場合は、そのクルマのキャラクターやコストまで 考慮されていますので、役不足だったり自分の好みに合わないことがあります。 そこで、インチアップをしたり、タイヤ幅を広げてみたりするわけです。 これまでは、純粋にタイヤ幅の話をしてきましたが、タイヤの横の厚み(偏平率)の 話も少しさせて下さい。 例えば、タイヤの外径が660mmであったとします。タイヤの幅だけを変えて、厚みを 変えなければ何も問題は生じません。けれど、タイヤの横(サイドウォール)の厚み が高ければ、横風が吹いたり、カーブしたりする時に、タイヤはゴムで中に空気が 入っているだけなので、どうしても“ゆがみ”が生じます。 なので、サイドウォールの厚みを減らすために、ホイールを大径のものにして外径 を同じにするのです。 215/65R15 225/50R17 225/45R18 この3つのサイズはほとんど外径が同じです。幅は、17インチと18インチで同じで すが、タイヤのサイドウォールの厚みを示す偏平率は、18インチの方が低くなって います。偏平率とは、タイヤ幅に対するサイドウォールの厚みの割合を言います。 215/65だと139.75mmとなりますが、225/45では101.25mmとなります。分かります ね?225/45の方が215/65に比べて、サイドウォールの厚みが38.5mm薄くなってい ます。これで、安定性が増すのです。 しかし、これも限度があって、車両重量、サスペンションセッティング、パワー… と言った要素が絡んで、ベストなサイズというのは、そのクルマの状態によっても 異なっていますし、ドライバーの好みというものもあります。 1~3インチアップが一般的に行なわれいる“インチアップ”と言うものです。 インチアップすると、乗り心地は多少犠牲になりますが、乗り心地が引き締まって ハンドリングがキビキビとスポーティになります。さらに、ドレスアップ効果が高 く、このためにインチアップする人も少なくありません。 以上、とても長くなりましたが、参考にしてください。 まだまだ、話せば長くなりますが、とりとめがなくなるのでこの辺で失礼します。
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クルマの設計屋です。 >※前後異なった幅にすることによってどのような効果があるのでしょうか? クルマは、加速するにも減速するにも、左右に旋回するにも全てタイヤと路面との摩擦力に頼っています。 で、このタイヤの摩擦力ですが、不思議な事にその総和が決まっています。つまり、もし今タイヤの摩擦力を旋回で使っているとしますと、この時加減速方向の摩擦力は殆ど出せないという事です。 さて、クルマの旋回特性は前輪左右の摩擦力の和と後輪左右の摩擦力の和のバランスで決まります。 ここで、後輪駆動のクルマを考えてみましょう。駆動しているタイヤは駆動力を路面に伝達する為に余計に摩擦力が必要なワケで、もしこれが大トルクの車両としますと、限界付近での旋回中にアクセルを踏んだ瞬間、後輪の左右方向の摩擦力がガクッと減少し、スピンします。 エンジンが強力なクルマでは、この旋回中の加速マージンを取っておく為に、駆動しているタイヤを駆動していないタイヤより太くして、摩擦力の『ツジツマ』を合わせます。 また、後輪付近の質量が大きく旋回時の遠心力が後輪側で大きく出るミドシップカーはハンドリングのツジツマを合わせにくく(意外に思われるかもしれませんが、ウィングなどの流体力学的付加物に頼れない市販車では、ミドシップカーでバランスのよいハンドリングを得るのは非常に困難です)、あまり強力なエンジンでないクルマでも、リヤタイヤを太くしなければならないケースが多い様です。 尚、駆動輪を太くする方法は、勿論前輪駆動車でも通用しますが、当然前輪を後輪より太くする事になります。 >※前後同サイズ→前後の幅の差が大きくなるにつれて、 >車はどんな特性を持つのでしょうか? 後輪駆動で後輪のタイヤを太くする場合は、アンダ・ステアが強くなります(限界付近でのハンドリングバランスを合わせると、限界より低い、スリップアングルが小さい領域での旋回では、当然強いアンダ・ステアを示す様になります。) 一方、前輪駆動で前輪を太くすると、ハンドルは重くなりますが、アンダステアが弱まる方向になります。但し、斯様なタイヤセッティングでは前輪駆動車での『恐ろしい』ステア特性であるタックインが強まるので、限界まで安全指向のハンドリングを目指す自動車メーカでは、前輪のみ太くした前輪駆動車のセッティングは、基本的には採用しません。
お礼
お礼遅くなりました。後ろを太くするにつれてアンダーステアが強くなるんですね。とても為になりました。ありがとうございました!
- angeleye1
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チーターを想像してみてください。 後ろ足で大地を蹴って加速します。 前足は方向を決めます。 まさにFR車はそんな感じです。 後輪で駆動力を前輪でハンドリングする楽しさがあるのです。 ですのでセリカやビッツ・フィットなどFF車で後輪だけを太くしているのは「全く意味のないどころかすごくバランスの悪いこと」なのです。
お礼
お礼遅くなりました。なるほど、FRは前後異なるサイズが最も自然なことなんですね。わかりやすい回答ありがとうございました!
- hamushin
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車のパワーが上がっていくと、接地面積の大きなタイヤを履かないと、空回りして駆動が地面に伝わりにくい状態になってしまいます。これを回避するために4WDにしたり幅広大径のタイヤを履いたりするわけですが、あまり幅広でグリップの良いタイヤを履くと、逆にコントロール性能(というより快適性能)が悪くなってしまいます。ハイグリップタイヤを履いた車を運転してみれば判りますが、路面の轍を拾い過ぎたり、ハンドルが重くなったりと、かなりいただけないものになってしまいます。FRの場合駆動を伝える(空回りの心配をする)のは後輪だけですので、前輪はこうしたコントロール性能の悪化を防ぐため、じゃっかんグリップに劣るタイヤを履いて、ハンドリングを高めるわけです。それでも無限に腕っぷしがあって乗り心地も気にしなければ前後同径でも問題ないかもしれませんが、スポーツカーには軽快感も大切ですからね。ちなみにFFではそれこそ無意味です。そこらへんもふくめて、スポーツカーにはFFよりFRの方が向くと言われたりするわけです。
お礼
お礼遅くなりました。やはり、すべては「ハンドリングの為」なんですね。ただ幅が広くてグリップが高ければいいというものでもないんですね。ありがとうございました!
FR車の場合、後輪のグリップを上げることで安定性が向上し、前輪はグリップを犠牲にして細めのタイヤを履くことで、旋回性が増します。 ただ、そのへんのバランスの取り方は、けっこう微妙なんじゃないかと思います。 前後の幅の差があまりに大きいと、前輪のグリップが足りなさすぎてアンダーが出る(つまり曲がりにくくなる)からです。
お礼
お礼遅くなりました。前輪はわざとグリップを落としているんですね!ありがとうございました。
お礼
お礼遅くなりました。詳しい回答ありがとうございます。扁平率の話もとても興味深いですね!ありがとうございました!