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労組役員への勝手な賃下げ
当方、労組役員であります。 当事業所では、何年か前からえこひいき人事が横行しており、 人事権を持つ者にたて突いた者に昇給させない(実質、賃下げ) ことが行われております。 更には、当局に都合のよい者は、裁量で昇給・昇進しております。 (昇進には社内規定がありますが、それを無視していることが わかりました) 労組が労使交渉を行ってはおりますが、当局は賃金に関する 情報は一切開示しません。 このような場合、昇給されなかったことに対して、何か救済 できないのでしょうか? また、このような人事権を発動する者への処分はないのでしょうか?
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労組法上の論点ということでよろしいでしょうかね。 労組法7条違反がらみで、多数の救済命令・裁判例がありますが、その一例として、 ・不利益な取扱とは、たとえば、減俸昇給停止等の経済的待遇に関して不利な差別待遇を与えるのみでなく広く精神的待遇等について不利益な差別取扱をなすことをも含む。(最判S24.4.23) ・不利益処分における不利益性の態様には、経済上、精神上、生活上、組合活動上などの各不利益があるが、これらは一つの処分の中に複合して内在するのが通常であるから、不利益性の判断は個々の事象の現象面だけをとらえて一義的に決するべきではなく、当該従業員の経歴、同種従業員との比較、従来の先例や慣行との比較、その他諸般の事情を綜合評価して判断すべきである。(大阪高判S47.10.1) ・不利益取扱いとはある従業員に対して従前の事例との比較又は他の従業員との比較において実質的に均等を欠く不利益な差別扱いをすることを意味する。(松山地判S40.1.30) ・使用者側の不利益取扱いの意図については、労働者側がその意図の存在を推測させるような外形的事実を立証すれば使用者側においてその不利益な取扱いについて正当な理由があることを立証しない限りその不利益取扱いの意図を推認される。(松山地判S46.4.22) http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=06&hanreiNo=19921&hanreiKbn=05 ・組合における中核的活動家であることを嫌悪し考課査定において当該組合員を従業員中最低にしたことについて、考課査定の合理性は認められない。(名古屋地判H1.9.8) http://www.churoi.go.jp/saiban/Search?cmd=dtl&meihan=HAN&kanri=00000549 ・賃金引上げの査定において、分会員と非分会員との間に格差があり、会社がその格差の合理性を十分疏明していないことは不当労働行為である。(福島地労委S54.5.19) http://www.churoi.go.jp/saiban/Search?cmd=dtl&meihan=MEI&kanri=00001190 ・能力主義の下で不利益取扱いが成立するためには、低査定の事実に加え、勤務実績が他の従業員と同等であったことが立証されなければならないが、人事考課の資料は通常使用者が保有しているもので、労働者としては可能な限りで勤務実績が劣らなかったことを立証すれば、勤務成績の同等性を推認することができる。(東京高判H15.12.17) ・組合活動を非難し、組合活動を理由とする不利益取扱いを暗示する発言をなすことによって、組合の運営に対し影響を及ぼしたときは、たとえ発言者にこの点について主観的認識ないし目的がなかったとしても、組合の運営に対する介入に該当する。(最判S29.5.28) http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=30812&hanreiKbn=01 ・赤字を理由にゼロ回答を繰り返しても必ずしも不当といえないが、その理由を充分誠意をもつて説明しないことは不当労働行為である。(福岡地労委S53.7.13) http://www.churoi.go.jp/saiban/Search?cmd=dtl&meihan=MEI&kanri=00001098 ・組合が賃上げ要求の団交で従業員全体の平均賃金その他を資料として示すよう求めたのに対し、使用者がこれを拒否することは不当労働行為である。(大阪地労委S47.4.15) http://www.churoi.go.jp/saiban/Search?cmd=dtl&meihan=MEI&kanri=00002012 ・当該団交の状況からは会社が賃金関係資料の開示の要求に応じなかったことは不誠実とはいえないが、要求に応じられない理由を具体的に説明していないことは、会社の誠実交渉義務違反である。(東京地判H14.2.27) http://www.churoi.go.jp/saiban/Search?cmd=dtl&meihan=HAN&kanri=00000977 ・使用者には誠実に団体交渉にあたる義務があり、したがって、組合の要求・主張に対する回答や自己の主張の根拠を具体的に説明したり、資料を提示するなどして、合意達成の可能性を模索する義務がある。(東京地判H1.9.22) http://www.churoi.go.jp/saiban/Search?cmd=dtl&meihan=HAN&kanri=00000550 こんな感じでしょうか。あとは、労組役員のかたには釈迦に説法だとは思いますが、不当労働行為は都道府県労働委員会に対し、救済命令を出すよう請求することができます。 ご武運を!
お礼
詳細な回答ありがとうございました。参考にさせていただきます。 また不明な点が出てきたら、お時間あるときで結構ですのでアドバイスいただけたらと思います。