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代表取締役の責任

皆様のお知恵をお貸しください。 私はIT会社の代表取締役を務めております。 今回、システム開発の受託案件に失敗してしまい 多額の負債を負う可能性があります。 (負債額の内容は主に協力会社への支払単金) 資金繰りがうまくいけば問題ないですが 最悪倒産するケースも考え、 リスクについて3点ご質問させていただきます。 1.会社を倒産した場合、上記の負債は代表取締役個人が 負わなければならないのでしょうか? 2.金銭的にその他の責任はありますか? 銀行からの借入金はありません。連帯保証人にもなっておりません。 代表取締役は有限責任だと思いますので、自分で出資した金額分はあきらめます。 3.システム開発に各社との基本契約書は付物です。 契約書の内容で事業主の責任として「業務の完成について、事業主としての財政上及び法律上のすべての責任を負う。」 という文言をよく見かけますが、これは個人に対する責任ですか?それとも法人に対する責任ですか? 個人の場合、質問1.は負わなければならないと思いますが、いかがでしょうか? 以上 よろしくお願いします。

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  • toon_b
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回答No.2

1.取締役の責任についての総論 取締役(代表取締役も当然に含む)の責任には、(1)会社に対する責任、及び(2)第三者に対する責任があります。質問者の経営する会社組織が、取締役会設置会社であるか否か、公開会社であるか否か、が不明であるため、以下は取締役会非設置会社(個人経営の株式会社)を想定して回答致したいと存じます。また、便宜上、取締役と記述させて頂きます。(代表取締役も同様の責任のため。) 事案が重大なため、あくまでご参考程度に受け止めて頂きたく思います。 1‐1 (1)取締役の会社に対する責任 取締役は会社に対して、その任務を怠ったこと(任務懈怠)により生じた損害を賠償する責任を負います。(会社法423条1項)これは、取締役と会社の関係は、委任に関する規定に従うため(会社法330条、民法644条)、取締役の会社に対する善管注意義務・忠実義務の違反についての責任となります。(会社法355条) 特に、今回の事案のような業務執行上の判断につき、取締役が善管注意義務をつくしたか否かは、「行為当時の状況に照らし合理的な情報収集、調査、検討等が行われたか、その状況と取締役に要求される能力水準に照らし不合理な判断がなされたか」を基準に、ケースバイケースに判断される性質の責任であると言えます。(経営判断の原則) 1‐1‐1 責任の免除 この種の責任は、会社の総株主の同意による責任免除、株主総会の特別決議による一部責任免除が可能(会社法424条、425条1項等)ですが、会社債権者からの詐害行為取消権(民法424条)や破産債権者による否認権の対象(会社の支払い停止前6ヶ月以内の免除行為、破産法160条3項)となりますので、注意を要します。 なお、損害賠償額は、取締役の業務執行行為と相当因果関係のある損害を合理的に算出した金額となります。(当該損害を取締役が予見可能であったか否かの判断が加味されます。) 1‐1‐2 会社役員賠償責任保険(D&O保険) その他、取締役に対し損害賠償請求がなされることにより同人が被る損害を填補するための責任保険というものもあります。 1‐2 (2)取締役の第三者に対する責任 取締役がその職務を行うにつき悪意・重過失があったときは、第三者に生じた損害を賠償する責任を負います。(会社法429条1項)この場合の損害には、間接損害と直接損害があります。なお、この責任は総株主の同意があっても免除することはできません。 1‐2‐1 間接損害 取締役の悪意・重過失による任務懈怠から会社に損害を被り、その結果第三者に損害が生じる場合です。例えば、取締役の放漫経営や利益相反取引により会社が倒産した場合に、会社債権者(銀行ほか)が被る損害です。 1‐2‐2 直接損害 取締役の悪意・重過失により、会社に損害が無く、直接第三者に損害を被る場合です。例えば、会社が倒産に瀕した時期に取締役が返済見込みのないのに金銭の借入れを受けた場合や、代金支払の見込みのない商品購入を行った場合に、契約相手方である第三者が被る損害のことです。 2.本事案への回答 2‐1 会社を倒産した場合、上記の負債は代表取締役個人が負わなければならないのでしょうか? 協力会社への支払が滞り、資金提供ができない場合には、会社が一義的に支払義務を負っているため、受注に際して個人保証をしていない限り、直接的には代表取締役個人が負債を負うことはありません。代表取締役は、会社から委任されて業務を執行する立場にあり、契約主体はあくまで会社であるからです。 2‐2 金銭的にその他の責任はありますか? 1‐2の場合には直接責任を負います。特に、資金振りの苦しい状況下での借入れについては、将来の返済見込みや借入額は経営上必要最小限に留めることが、今後の経営を圧迫しないためにも必要かと思われます。そのため、協力会社に返済時期の延長や一部免除等を取り付けられるよう、会社の信用を保全する努力と手腕を発揮して頂きたく思います。 借入については、各商工会議所や日本政策金融公庫(旧称・国民生活金融公庫)、地方自治体の融資制度などもありますので、参考にしてみて下さい。 2‐3 契約書の内容で事業主の責任として「業務の完成について、事業主としての財政上及び法律上のすべての責任を負う。」という文言をよく見かけますが、これは個人に対する責任ですか?それとも法人に対する責任ですか? 事業主とは、株式会社の場合には、経営者や会社役員のことを一般的に指しますので、代表取締役個人に対する責任を規定したものではないものと思料致します。 数点質問がございます。 1.どのような経緯でシステム開発の受託案件の失敗が起こったのでしょうか。システム開発には他社との事業協力などはなかったのか、開発の失敗は納入した他のシステムの不都合が原因であったりはないのでしょうか。 2.会社組織についてですが、登記簿上、取締役となっているのは質問者様以外に何名ほどいらっしゃるのでしょうか。 3.会社財産は出資金(資本金)以外にPCや固定資産等はあるのでしょうか。負債をカバーできる責任財産の規模でしょうか。 返答できる範囲でお聞かせ頂けたら幸甚です。

ken-kas
質問者

お礼

toon_bさん ご回答ありがとうございます。 長文で回答していただき、感謝いたします。 とても分かり易く参考になりました。 話がちょっと進展しまして、なんとか乗り切れそうです。 こんなご時世ですが、がんばってみます。

その他の回答 (1)

  • zorro
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回答No.1
ken-kas
質問者

お礼

ありがとうございます。 参考にさせていただきます。