化学平衡
内容積を自由に変えることのできる密閉容器に, n[mol]の四酸化二窒素N2O4を入れて56[°C], 0.540[atm]に保ったところ, 次の解離反応がおこり平衡状態に達した.
N2O4⇄2NO2
このとき体積はV[L]であった.
問
この実験を次のa~eのように条件を変えて行うと, 平衡状態における四酸化二窒素の解離度α, 二酸化窒素のモル濃度[NO2]はそれぞれ上記の実験と比べてどうなるか. 上記の実験の場合より大きくなる場合は(↑), 小さくなるときは(↓), 変わらないときは(→), ここに与えられた条件だけでは決まらないときは(?)と記せ. ただし上記の実験は吸熱反応である.
a~eにおいて
(1)は, はじめにいれる四酸化二窒素の量
(2)は, 温度
(3)は, 全圧または体積
を表す.
a
(1)n[mol]より増やす
(2)56[°C]のまま
(3)全圧を0.540[atm]のまま
b
(1)n[mol]より増やす
(2)56[°C]のまま
(3)体積をV[L]のまま
c
(1)n[mol]のまま
(2)56[°C]より高くする
(3)体積をV[L]のまま
d
(1)n[mol]のまま
(2)56[°C]のまま
(3)体積をV[L]より小さくする
e
(1)n[mol]のまま
(2)56[°C]より高くする
(3)体積をV[L]より小さくする
解答
解離度, 濃度の順
a(→), (→)
b(↓), (↑)
c(↑), (↑)
d(↓), (↑)
e(?), (↑)
c,eの濃度[NO2]が解答と合いません.
圧平衡定数をKp, 濃度平衡定数をKc, 全圧をPとすると
Kp=[{2nαP/(1+α)n}^2]/{(1-α)n/(1+α)n}P=(4α^2)P/(1-α^2)より
α=√{Kp/(4P+Kp)}ー(ア)
Kc=([NO2]^2)/[N2O4]より
[NO2]=√{Kc(1-α)n/V}ー(イ)
また, Kc={(2nα/V)^2}/{n(1-α)/V}=(4nα^2)/V(1-α)ー(ウ)
cについて
温度を上げるのでKcは大. n, Vは一定だから(ウ)よりαは大. Kcが大, 1-αが小なので(イ)より, [NO2]は大か小かわからない.
eについて
温度を上げるのでKcは大. nは一定,Vは小だから (ウ)よりαは大か小かわからない. (イ)より, [NO2]も大か小かわからない.
となりました.
定性的に考えると答えにたどり着くんでしょうか?
お礼
回答してくださって、ありがとうございます。 確かに、常磁性だから二量化するという因果関係はなさそうですね。 ご指摘いただき、やっと気づきました。