おすすめを。
星の王子さまを書いたサン・テグジュペリの
夜間飛行 新潮文庫
人間の土地 新潮文庫
・まず、堀口大學の訳がすばらしいです。夜間飛行は、まだ航空技術が未熟だった1920年代に、航空機を夜間も飛行させ、郵便飛行事業を断固として行わんとする主人公リヴィエールのある一晩の物語です。一見無慈悲に見えます。実際、無慈悲です。今日の感覚でいったら訴えられたりするような事もしています。しかし、
「彼らを愛したまえ。彼らに知られずに愛したまえ」
といい、自分のしたことは正しいのか自問しつづけます。
ある一晩は終わります。著書はこう結ばれます。
“偉大なリヴィエール。重い勝利を背負って立つ、勝利者リヴィエール。
”
人間の土地は、体験談の中、人間を語る本ですが、無味乾燥な本ではありません。著者自身も初期の輸送航空機に乗って郵便運んでいたので、過酷な環境での人のありかたを興味深く、滋味深く書いてくれています。
2冊あわせて、おすすめです。ただ、夜間飛行に並録されている「南方郵便機」は、あまり評価の高いものではないので、お時間のあるときにでも。
ちなみに、表紙のイラストは宮崎駿が描いています。
お礼
是非読んでみたいです。ありがとうございました。