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宮沢賢治 「星めぐりの歌」の意味

「星めぐりの歌」について知りたい事が有り、質問しました。 オリオンは高く うたひ つゆとしもとを おとす "つゆとしもとを"をって漢字にすると「露」「霜」の事なのでしょうか?だとしたらオリオンは何を高くうたって(歌?詩?謳?)いるのでしょうか?それとも漢字を当てて考えるのは無粋な事でしょうか?幼稚な質問ですが、皆様の考えや一般論を伺えたらと思います。(私個人の勝手な解釈は、露と霜はオリオンの涙だと思ってます。オリオンは恋人アルテミスに射殺されたので)

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  • zephyrus
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回答No.3

楽しい回答寄せられていますね。 さまざまな解釈があるかと思うのですが、 無粋きわまりなくことばを補えば、 オリオンは(中天に)高く(かかって、なにごとか)うた(っているかのようだ) (そしてまるでそこから、あるいはそれらさまざまの星座からふり落とされてきたかのように)露や霜が落ちて(きている。) くらいに個人的に受け取りました。 質問者さんのおっしゃる「オリオンの涙」と特定してもいいし、 前全部の星座、さそり座や鷲座や子犬座、へびつかい座もをすべてあわせて全天、 夜空一面から降り落ちてくるかのような露や霜でもいいんじゃないでしょうか。 まわりの草木も暖かい季節には露にぬれ、寒い季節には霜の銀砂にまみれて星の光にきらめいているのかもしれません。 詩は、(この場合は歌詞ですから「詞」のほうが適切でしょうが)しばしば的確な言葉を探し出し、できるだけ簡潔な表現ですべてを言い切ってしまおうとします。 言葉は短いと明晰であり、同時に細部は曖昧になります。 こうした詩の曖昧さを想像(みずからの経験や、選び取られている言葉のイメージの喚起力)によって補うものである、膨らませて楽しむものである、と個人的にですが捉えています。 また、日本語の表記は、漢字、ひらかな、カタカナ、alphabet、さまざまが併記でき、また書きかえることができます。実際にやってみると、  露と霜とを落とす  つゆとしもとをおとす  ツユとシモとを落とす など。見た目のニュアンスが微妙に異なることがお分かりになるかと思います。 また、この歌詞は子供たちが歌ってくれる(見てくれる)ことを前提ともしているでしょう。 言葉をあつかう詩人は、表記一つにも繊細な判断をこころがけ、最上であることを目指そうとしているものなのではないかと思っています。 以上、ご参考まで。 脱線: 『銀河鉄道の夜』は「星祭の夜」の出来事。八月中旬のペルセウス座流星群が強く示唆されています。 ヒントは「白鳥の停車場に十一時に着く」「南十字星に三時に到着」です。 ご興味があれば詳細はサイエンスライター竹内薫氏の著書『天才の時間』中の、 「宮澤賢治 『銀河鉄道の夜』に秘められた科学の美」をご覧ください。 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4757160151.html

noname#134408
質問者

お礼

回答有難う御座います。この様な幼稚な質問と、自分勝手な解釈であるにも関わらず、暖かくて易しい(優しい)参考意見に恐縮です。回答者様お一人お一人の、自分なりの解釈と、それに至るまでの考え方を拝見し、詩を読むことの楽しさ(愉しさ)を再発見出来たと思っています。"脱線"の項も有難う御座います。非常に興味が沸きました。

その他の回答 (2)

  • staratras
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回答No.2

夢のない無粋な解釈で申し訳けありませんが、天文ファン的な考え方です。 オリオン座は冬の星座という印象が強いのですが、今頃の季節には午前3時前には南中(真南に来て高度が最も高くなる)します。秋の夜には露が降りることが多く、長時間露出で星の写真を撮影する際には結露防止のためカメラのレンズをカイロやヒーターで暖めるほどです。またこれから先晩秋には霜もおります。何年か前、11月中旬にしし座流星群を福島県の鹿角平高原で見たときには、穿いていたGパンの裾にまで霜が降りました。こうしたことから私は単純に、賢治が東北の高原で秋の明け方に南天に高く昇ったオリオン座を見上げている情景を想像し、野原に露や霜が降りているのではないかと考えますがいかがでしょうか。オリオンが歌っている歌はわかりませんが、狩猟の名人なので勇ましい歌(「よだかの星」のように)がふさわしいのではないかと想像します。 なお「星めぐりの歌」には「アンドロメダの くもは さかなのくちの かたち」(アンドロメダ大星雲)や「小熊のひたひの うへは そらのめぐりの めあて」(北極星)など賢治が天文好きだったことが伺える表現に富んでいると思います。 

noname#134408
質問者

お礼

回答有難う御座います。文章が丁寧で、天文素人の私でも分かり易かったです。この詩は小学3年の時に歌として習いました。子供の時は深く考えずに、星座の歌なんだ、という風にしか思ってなかった事を覚えてます。つい最近再び詩を目にした時、どうしてもオリオンの箇所だけが理解出来ませんでした。「単純だけど奥深い、それが宮沢賢治」という自分の思い込みから、暴走した(?)解釈に辿り着いてしまいました。なので、御回答者の冷静な解釈はとても参考になり、また有り難いです。詩に対して素直になる事も大切ですね。

  • ikoan7632
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回答No.1

なるほど……な解釈ですね。 私はそこまで深く考えたことはありませんでした。 「オリオンは勇ましい歌をつづけながらよだかなどはてんで相手にしませんでした」 という一文がよだかの星にありますので、 宮沢賢治にとって、オリオンは歌をうたうイメージだったのかと思っています。 「つゆとしも」は私にとっても謎でした。 寒い季節に出てくるオリオンなので、霜ならまだしも露は何のことやらでした。 「おとす」なので雪のことかと解釈したこともありましたが、 なぜ「雪」ではなく「つゆとしも」なのかという新たな疑問も出てきます。 今ではオリオン座流星群のことではないかと、解釈しています。 オリオン座の方向から流れてくる流星を、オリオンがが落とす露と霜と表現したのではないかと。 個人的解釈です。参考までに

noname#134408
質問者

お礼

回答有難う御座います。すごく参考になりました。流星群という考え方は頭からすっかり消えてました。賢治が見上げた空には星座も流星も綺麗に輝いていたんですね。近頃空を眺める事は滅多にしないので、(東京の夜空を見上げても星はそんなに見えない)詩を書いた時の気持ちや情景を考えなければならないと改めて思いました。それにしてもオリオンは何の歌を歌っているのでしょうか?やっぱり賢治本人にしか分からないんですかね?(^^)