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ウイルス不活性化試験の判定について
- ウイルス不活性化試験の結果、インフルエンザウイルスの不活性化効果が確認されました。
- 公定機関の判定基準では、log TCID50/mlが4以上低下した場合に効果が認められます。
- しかし、この判定基準が薬剤使用後の感染率と一致するかは不明です。
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獣医師でウイルスに専門知識を有する者です。 >薬剤使用後の感染率が10000分の1になるということでよいのでしょうか? 微妙に違います。素人さんならそういう理解でも良いのですが、メーカーの担当者さんでしたらもう少し正確に理解しておいた方が良いでしょう。 TCID50というのは感染価(力価)で、"50%の細胞に感染するウイルス量"という意味です。 詳しいことは・・・前に同じような質問に回答したことがあるのでそちらを参照してください。 http://okwave.jp/qa3338621.html 力価が1/10000になるということは、最も近い「平易な言葉」に置き換えると、「生きているウイルス粒子の数が1/10000になる」あるいは「99.99%のウイルスが死滅する」ということになります。 ですから、「感染率が1/10000になる」という表現は、まあ素人さんが漠然と理解するにはそれでも良いのですが、正しい表現とは言えません。 例えば、このウイルスがヒトに感染するには最低10^2TCID50のウイルス量が必要である場合を考えてみてください。インフルエンザのように空気感染(飛沫感染)するウイルスは考え方が多少複雑になるので、経口感染するノロウイルスのようなウイルスを思い浮かべて頂ければ良いかと思います。 ま、ノロウイルスなので吐瀉物が微量に紛れ込んでしまったジュースを仮定してみてください。元の吐瀉物に含まれるウイルスの力価が10^9TCID50/0.1mlとして、この0.1mlが100mlのジュースに混入したとしてみます。するとジュース全体に含まれるウイルスの力価は10^6TCID50になります。 このジュースに除菌処理(ウイルスに除菌というのもヘンですが)して10^4力価が落ちるとします。すると処理後のジュースに含まれるウイルスの力価は10^2TCID50です。 ジュースを飲み干した場合、処理前のジュースはまず確実に感染しますよね。でも、処理後のジュースも10^2TCID50ありますから、かなり高い確率で感染します。 ところが、元の吐瀉物に含まれるウイルス量が1ケタ少ない10^8TCID50/0.1mlだと、処理後のウイルス量は10^1TCID50になってしまいます。これはかなり高い確率で「感染しない」ことになりますよね。 また、吐瀉物が混入したのが1000mlのジュースで、そのうちの100mlを飲み干した、という条件にすると、摂取するウイルス量は計算上「1個」になってしまいます。これだとまず確実に感染しないでしょう。 ・・・判りやすく説明するつもりで却って判りづらくなったかもしれませんが、要するに「感染率」は力価だけではなく感受性やウイルスの総量といった条件を決めないと推定できない、ということです。 ウイルスの不活化処理の効果として判るのは、あくまで力価をどれだけ下がることができるか、ということだけです。 「効果あり」と判定する基準については、いろいろな機関がそれぞれの理由で様々な基準を設けているので、その機関に問い合わせた方が話が早いでしょう。 一般的にはlog2という基準もよく用いられます。それよりは厳しい基準なのですね。
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- tunertune
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その結果からいえることは 「その除菌剤は、10の8乗TCID50/mlのIFVを10の3乗TCID50/mlに不活する」 ということだけです。 ANo.1様の回答されているとおり、「感染率」が10000分の1になるわけではありません。 さらにいうと、「logTCID50/mlが5減少する」わけでもありません。 抗ウイルス試験の傾向からいえば、今回の物質だと 「10の9乗TCID50/mlのIFVを10の5乗TCID50/ml」←4乗低下(効きが悪い) 「10の7乗TCID50/mlのIFVを10の1乗TCID50/ml」」←6乗低下(効きが良い) のようになることが多いですね。
お礼
>tunertune様 ご回答頂きありがとうございました。 初期のIFV量によっても結果が異なってくることが多いのですね。 有機物濃度等によっても異なってくるでしょうから、あくまで「この試験条件ではこの結果でした」としか言えませんね。 カタログ等には『感染症予防』という形で掲載しようとは思ってます。
お礼
>Jagar39様 ご回答感謝します。 大変判りやすかったです。ありがとうございます。 力価と感受性、ウイルス量などの関係が良く判りました。 基準も色々あるようなので、書籍・文献等も調べてみます。