海外で日本人を殺した場合

質問

海外で、日本人が日本人を殺した場合、どうなるのでしょうか。いずれも、日本国籍の日本人です。

現地の国の法で罰せられるのはイメージがわくのですが、それとは別に、日本の法からも、何か罰せられるのでしょうか。
変な言い方をしますと、それが途上国などで、現地の警察がいい加減で、加害者が捕まらなかったり、事件自体、明るみにならなかったり、あるいは警察に賄賂を渡すだけで無罪放免になったり、した場合、加害者はその後も、堂々と？日本に帰国したりできるのでしょうか。

回答No.2

noname#83227 · ベストアンサー

かの有名なロス疑惑を考えれば分かります。

まず前提として、日本の刑法には適用範囲というのがあります。詳細は省きますが、誰がどこでどんなことをすると日本の刑法の適用があって犯罪となるかというのが日本の刑法では決まっています（詳しく知りたければ刑法1条～4条の2までを参照。5条はちょっと趣旨が違うから読まなくてもOK。と言うか、殺人罪だけ考えるなら3条と3条の2だけで十分）。
殺人罪は犯罪地が日本国外であっても犯人"または"被害者のいずれかが日本人であれば日本の刑法の適用があり、殺人罪になります。ですから、両方が日本人なら問題なく日本の刑法が適用になり殺人罪になります（一応、念のため言っておくと、これはあくまでも殺人罪の成立要件を満たしているという前提の話）。

そこで当該犯人について特に刑事裁判権が及ばない事情がない限り、処罰の前提としての裁判はできますし、有罪判決が出れば処罰も可能です（一応ここで5条が問題になる可能性はある）。
しかし、犯罪地である国外においては捜査が原則としてできません。警察権は国内にしか及ばないから。すると、証拠収集ができずに裁判にしても有罪判決の見込みが全くないということはあり得ます。そうすると、犯罪となるにしてもそれを裁判で立証できないので結局処罰のしようがないということは言えます。

さて、ロス疑惑は銃撃の方は無罪となりましたがそれはあくまでも裁判ができるからこそ出る結果です。つまり、日本の刑法が適用になるからこそ、そして処罰が可能であるからこそ裁判ができるのであり、だからこそ無罪という判決も出せるのです。もし日本の刑法が適用にならないのなら無罪判決ではなくそもそも何ら犯罪を構成しないものとして公訴棄却の決定が出ます。つまり、殺人罪は国外でも適用があるということ。

ところで、
>加害者が捕まらなかったり
>事件自体、明るみにならなかったり
では、日本国内の事件であっても裁判ができないので処罰できませんよ。特に後者は完全犯罪中の完全犯罪（犯罪は認知したが犯人がわからないという推理小説のネタとしての完全犯罪ではなくて、犯罪自体が認知されないという意味で本当の完全）。

補足

現地の警察がいい加減だったりすると、十分な証拠を入手できず、日本の警察は起訴が難しくなる、と言うことでしょうか。

現地の警察がいい加減で、犯人側からの賄賂で不起訴処分になったり、起訴されても、これまた賄賂で軽い処罰で結審していた場合、日本で裁くことはできるのでしょうか。ロス疑惑の場合、一度、けりの着いた事件を再び裁判にかけることはしない、という原則に関わる点で問題になっていますよね？

結局のところ、現地の警察から逃げ切るなり、買収その他で現地警察を押さえ込んでしまえば、日本の警察もあまり手を伸ばせず、犯人側はかなり有利にその後を過ごせる、と言うことでしょうか。

回答No.1

noname#64531

刑法の１条から５条まで読めば
この疑問は簡単に氷解します。

お礼

ありがとうございます。