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ダフ屋規制の保護法益と「公衆に発売する場所」の範囲
- 最近、ダフ屋行為の規制について学究的関心がわいている。千葉県の「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」の抜粋では、転売目的での入場券等の購入を禁じている。
- 「公衆に発売する場所」とは、チケット購入サービスや金券ショップ店舗内を指すのか疑問が生じている。
- 保護法益としては、ダフ屋からの迷惑行為の防止、チケットの値上げや入手困難の防止、定価での流通の保護、暴力団資金源の防止が考えられる。 インターネット上の会員制チケット購入サービスと金券ショップ店舗内は、それぞれ「公衆に発売する場所」に該当するかどうかは保護法益を考慮しながら判断する必要がある。
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長文の回答なのに(ご質問に対応したら、そうなったんですが)、丁寧にコメントいただき、ありがとうございます。 やや話が込み入ってきたので、少しだけ資料を(といっても、ネットと教科書類ですが)調べてみましたが、よくわかりません。 (1)「A~D説のうちどれが妥当か」 1つに限定する必要はなく、一応、どれも理屈がつくんじゃないでしょうか。ただ、B説、C説はやや苦しいように思います。 D説 3条から9条で規制する行為は、広い意味でのヤクザ、愚連隊等に昔からありがちだった行為だろうと思います。よく知りませんが、暴力団などの行為を広く規制することは今の法律で妥当と考えられているように思います。 A説 1条(目的)や、3条から6条の規定ぶりから、8条も、公衆に対し不安を覚えさせるような言動などを公衆の生活の平穏をそこなう行為として規制していると考えます。公衆の安心も、妥当な法益だろうと思います。 B説、C説 転売と購入の両方を規制していることから、B説、C説をとっているとも考えられます。国民の健全な経済観念(≒単純賭博罪?)も、多分、妥当な法益になるんじゃないかと思います。 (2)「条例タイトルや、痴漢行為など同条例内の他の犯罪などとのバランスも配慮しながら論じ」 リクエストにお答えできるかわかりませんが、(1)で述べたように、1条から9条あたりを一体として考えれば、D説、A説が妥当になると思います。そして、それは立法の歴史的過程や、条文の位置などから根拠づけることができるような気がします。 ただ、だからといって、B説、C説が成り立たないとまではいえないと思います。 (3)「条文の文言からは、行為や行為者・目的での限定は難しいでしょう」 仮に、法益をD説、A説に限る立場に立てば、主体や行為で犯罪成立を狭めることができると思います。ただ、たしかに、8条の文言だけで法益を限定するのは難しいと思います。 (4)「チケットショップにおける転売目的買受」 最近の事情は知りませんし、店によって違うかもしれませんが、10年ほど前は、チケットショップがチケットを買い取るのではなく、個人の売却希望者からチケットを預かって、売却できたら一定率の手数料を取って代金を渡すという形が多かったように思います。 チケットショップが転売目的で買い受けをしているのであれば、個人からの買い受けは処罰しないというのは、C説の立場からは不合理だと思います(A、B、D説からは直接の法益侵害はないような気がします)。
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- dontknockt
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以前のご質問、回答を締め切ってしまわれたんですね。 質問サイトに跋扈するエセ法律専門家(1名の方を除く)のとんでも回答と、それに立ち向かう学識経験者?の法律論が、大変、おもしろく、勉強になったんですが。 今度のご質問ですが、関連資料(があるかどうか知りませんが)を参考にするんじゃなくて、自由な意見でもいいんでしょうか。 以下、法律にはほぼ素人が適当に考えたことなんですが。 インターネット上の会員制チケット購入サービス A説 当たらない(物理的な付きまといは考えられないし、ネット上でそれに準ずる何らかの行為も考えにくい) B説 当たる(抽選や先着順に販売する場合でも、ソフトやコンピューターを駆使して大量に申し込みを行うなどして、一般の購入者が手に入れにくい状態にすることは可能) C説 当たる(購入したチケットが常に高価で売れるわけではないが、その可能性・危険はある) D説 当たる(暴力団関係者を購入の際に締め出しているわけではないので) 金券ショップ店舗内 A説 当たる(店舗には一応、自由に人が出入りできるし、店舗周辺の公道なども含めれば、付きまといはありうる) B説 当たる(大量動員や大量購入が可能) C説 当たる(購入したチケットが常に高価で売れるわけではないが、その可能性・危険はある) D説 当たる(暴力団関係者を購入の際に締め出しているわけではないので) 補足 前回、話題になった事とも関連して。 (1)C説には、例えば公演を行うアーチスト側の利益(ファンからの信頼、人気)を保護するという意味も含められるんじゃないでしょうか。 若いファンに安価でコンサートを楽しんでもらうために、赤字覚悟でライブをするスーパースターの話をときどき聞きますし、主催者側は価格設定とアーチストのイメージの釣り合いを考えていると思います。 (2)千葉県だけかもしれませんが、常習でなければ刑罰が非常に軽いことが、処罰範囲がやや広くなってもよいという方向に働かないでしょうか。 他方、常習者に重いのは、D説とつながるように思います。 (3)そもそも「場所」という言葉の意味として、物理的な店舗や販売所に限定することはできないでしょうか。 (4)犯罪成立を限定するのなら、「場所」よりも、行為や行為者、目的などを限定する方が容易なような感じがします。
お礼
ご回答、ありがとうございます。 前回の質問は、明らかにに誤りと思われる回答が少なくなかったので締め切りました。 今回の質問ですが、A~D説のうちどれが妥当かまで述べて頂けると、より幸いです。「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」という条例タイトルや、痴漢行為など同条例内の他の犯罪などとのバランスも配慮しながら論じられるとよいと思います。 補足 (1)可能でしょうが、条例の目的からはアーティストのような一部の人を保護するのは難しそうです (2)憲法上の人権行使だとすればいささか疑問に思います。 (3)かなり説得ですが、そうではないと解釈することできてしまいます。 (4)条文の文言からは、行為や行為者・目的での限定は難しいでしょう。限定できるとすれば可罰的違法性の理論くらいでしょうか。例えばB説を採った場合に、少ない数量の購入なら、正常な購入は困難にならないとするなど。 チケットショップを昨日見ましたが、野球のチケットを定価より高い価格で堂々と売っていました。営利目的で買い取っているんだと思います。チケットショップにおける転売目的買受が適法なら、会員制サイトにおける購入サービスを転売目的で利用するのも適法にすべきなのかなあと思いました。ただ、現状ではチケットショップは取り締まられておらず、一方で転売目的でコンビニ店頭で購入したチケットゲッターが逮捕されるという事件が起きています。