現在は中規模病院、3月までは大規模総合病院、その2年前までは大学病院に勤めていました勤務医です。
今や大学病院であっても、病院経営をきちんとしないと多額の赤字を抱えてしまう時代です。私が最近勤務した何れの病院でも院長や科長、事務方から色々と指示がありました(現在もあります)。上に挙げた何れの病院もDPC(診断群分類包括評価)を用いていました。
DPCは疾患によって予め医療費が定められている制度で、例えば脳梗塞で入院した場合、入院日~3日目まで一日○○円、4~7日目までは一日○○円、8~16日までは一日○○円・・・といった感じで医療費が定められています。日にちがたつほど料金は下がっていきますので入院期間はできるだけ短い方が良いですし、金額が固定されていますので、この間に何回採血しても、高い薬を処方しても、CTやMRIを撮っても料金は変わりません(寧ろたくさん検査をすると損をしていくシステムです)。
従って、例えば手術が予定されている患者さんの場合には、術前検査はなるべく外来で行い(外来検査は出来高払い)、入院中は検査は必要最小限とし、入院期間をなるべく短くするよう病院側から医師に対してお達しがあります。患者さんが元々他院で処方されていた薬については、なるべく自分たちでは処方せず持参してもらうよう指示が出たりします。また、コストを削るために点滴薬、内服薬、検査で用いる造影剤などをジェネリックに変更、材料もできる範囲で安いものを使うなどしてコストの削減に努めています。
また、他の回答者の方がおっしゃられているように、救急でちょこちょこっと行った検査や処置についても忘れずにコストをとるように指示されていますし、自分の調子が悪いからちょっと点滴を貰ってきて・・・なんてことはできなくなってきています。
以上のように、例え勤務医であっても患者さんの治療に差し障りの無い範囲で、病院経営についても考えていかなければいけない、或いは実際に行動せざるを得ない時代になってきています。