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吸光光度法について
UV-VIS吸光光度法を用いて2価の鉄の定量をします。発色にはオルトフェナントロリンを用います。そこであるサンプルに対して溶液処理を行う際、試薬は酸、還元剤、オルトフェナントロリン、緩衝溶液の順で添加しないと発色に影響を及ぼしてしまうと思いますが、これは何故なのでしょうか?大分本を探してみたのですが記載されているものを見つけることができませんでした。 ご存じの方がいらっしゃいましたら教えていただきたくお願いいたします。
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まず,試料中の鉄がイオン体で溶け出していないと話になりません.このとき Fe3+ はかなり低い pH でないと溶存できないので,とりあえずは酸で低 pH 状態にして,Fe3+ (あるいは Fe2+) として溶解する必要があります. o-phen は Fe2+ と Fe3+ とでは安定度定数も色も全然違うので,比色分析用にはすべて Fe2+ にするべきです.そのため,次に還元剤を加えて Fe2+ にすべて還元しておきます. いったん Fe2+ になると,Fe3+ に比べてもう少し高い pH でも沈殿しません.一方,o-phen はそれ自体が弱塩基であり,強酸性雰囲気では錯形成能力が下がります (速度的にも不利).とはいえ,中性くらいではほとんど溶解もしなくなります.そこでそれらの折衷案になるような条件の pH にするというのが有効です.なので,o-phen と緩衝液を加える順番は,逆でも問題ありません.
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確かにその順序が良いと思いますが「絶対」というわけではないでしょう。 酸は緩衝溶液より前でないと緩衝されて酸の意味がないし、 フェナントロリンより前に鉄はFe^2+に還元されている必要があります。 フェナントロリンも塩基ですから、緩衝溶液より前に加える方が良いでしょう。 といった「都合」の集積がこの順序になったと言うことではないでしょうか。
お礼
大変参考になりました。どうも有り難うございました。
お礼
詳しい解説を有り難うございました。とても参考になりました。