>形容詞が前から修飾するのと、後ろから修飾するのではニュアンスなどに違いがあるのでしょうか?
○ 形容詞の基本についてまとめてみます。
【限定用法】:名詞の左側に置かれて、その名詞を修飾します。通常、その名詞の「恒常的」な特徴を表します。
(1) She is a pretty girl.
【叙述用法】:名詞の右側に置かれて、その名詞と補語の関係を表したり、その名詞を修飾したりします。通常、その名詞の「一時的」な特徴を表します。(名詞を修飾するものを「限定用法」と解釈することもあります。)
(2) The flower is beautiful.
(3) She sat silent.
(4) I found the book interesting.
(5) I know a man (who is) suitable for the job.
○ ご質問は、(1)と(5)の違いに関する疑問についてだと思います。すでに示したように、(1)は「恒常的」、(5)は「一時的」な特徴を表すことが原則です。
○ (5)の後置修飾について、「単独で名詞を修飾」する例をいくつか挙げておきます。(なお、後置修飾は基本的に「叙述用法」であり、名詞の後に「関係代名詞+be動詞」が省略された結果だと考えられますので、一部のみを別扱いはしません。)
※ thing, oneなどで終わる代名詞を修飾するとき
(6) Is there anything useful on the web?
※ able,ibleで終わる形容詞がany, all,every,the onlyや最上級を伴うとき
(7) This is the only single room available.
※ 場所や時の副詞が形容詞的に用いられたとき
(8) the meeting yesterday
(9) the school here
※ 慣用表現
(10) the people (who are) present
(11) the money (which is) required
※ フランス語の語順をモデルにしたもの
(12) court martial
(13) Secretary General
○ 最後の例を除いて、後置された形容詞はすべて「一時的」な意味を持っていると解釈できます。これが、形容詞の数少ない「後置修飾」を理解するもっとも簡単な手段だと思います。
● 今回は分詞についてのご質問ではないようですので、その説明はまたの機会にしましょう。
お礼
私は叙述説明のところの()内に書かれた方の分類しか知らなかったので、限定用法と叙述用法の説明は大変参考になりました。 回答ありがとうございました。
補足
私が探していたのぴったりの回答です。 実はある本にsomethingがなぜ後ろに形容詞を持つのかという説明に、前置と後置ではニュアンスが違い、somethingは漠然としたものを表現する単語なので、「恒常性」をもつ前置はあわないので、後置するという説明がなされていたのを見ました。 簡単なQ&A形式の本でしたので、あまり詳しく書かれておらず、それが著者独自の理論なのか一般論としてあるのかどうかわかりませんでした。それを確認するためにこの質問をさせて頂きました。