はじめまして。
ご質問:
<‘子供‘と何か使い分けるのでしょうか?>
まったくありません。
書き手が「子ども」という表記にしたかっただけです。
1.「子供」「子ども」「こども」などの表記が可能ですが、どれも全て同等で同じ意味で、格に上下はありません。
それは対義語である「大人」「おとな」に違いがないのと同じことです。
2.「供」に「従者」の語感がある、というのは個人的な意見で定説ではありません。
3.本来は「子」として使われていたものが、複数の接尾語「ども」がついて「子ども」となり、それが単数名詞として用いられるようになったものです。
4.接尾語「ども」は奈良時代から使われており、複数といっても「およびその他」という概数的なニュアンスがあったようです。
例:
「妻子(めこ)どもには吟び泣くらむ」(万葉集)
また、無生物にもついて「~など」といった例示的な用法でも使われていました。
5.つまり、「ども」には「そういった種類のもの」という漠然とした複数名詞をさすものとして使われており、そこには、一種の集合体としてまとまった概念として抽象化する働きが「ども」に含まれているようです。
6.それが、「子・ども」という複数の集合体が、「子ども」という集合体を表す抽象概念として単数化したのだと考えられます。
7.「供」はその当て字で、特に「従者」の意味を内包しているわけではありません。
8.この「子ども」の単数用法は、ちょうど複数を表す接尾語「たち」を「友」につけて「友達」としながら、複数形で使われないのと同じことです。
それぞれ、「子・ども」「友・たち」という複数の集合体がそういうものとして、そういう種類をさす名詞として単数化したものと考えられるのです。
以上ご参考までに。