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企業って誰を指すのですか?
企業はモノではなくヒトです。 企業の責任を追及する場合、誰に追及するのでしょうか?誰に責任があるのでしょうか? 役員?問題のある従業員?それとも全従業員?
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法律概念では、企業は法人、個人は自然人といい、権利義務の行使能力で分けられた概念です。これとは別に、団体でありながら「人格なき社団」とか「権能なき団体」と呼ばれるものが存在します。たとえば、大学のサークルや趣味の団体、同窓会などがそれにあたります。 では、個人以外の法人、権能なき社団などはどうやってその実在を担保しているのかというと、法的に「登記」が強制されているかどうかで区別できます。法人はすべて法的に根拠法を持ち(だから「法」人と言うのですね)、管轄法務局で登記されなければ成立を主張することはできません。すなわち第三者に対して権能を有する人格として認められないのです。簡単な例では、同窓会など任意の団体は登記上の法人でないため同窓会名義で銀行口座が作れませんね。 法人は自然人と異なりフィクションですから実務上の権能を行使する能力はありませんね。ですから法人を代表し、業務を執行する機関を置かなければなりません。それが取締役会や取締役と呼ばれる存在になります。したがって、責任を追及するといった場合、人格としての企業(法人)を追及するとともに、その執行機関である取締役会(取締役)を追及することになります。 従業員は、一般の平社員などは故意(悪意)または重過失がないかぎり業務上のトラブルは免責される場合が多くなります。取締役でなくても、上級の役職員であり第三者からみて会社を代表しているとみなされる場合もありますが(表見代理)、その場合は寄与過失の割合が多く認定されるかもしれません。なお従業員の過失責任は外部に問われない場合でも会社として従業員に賠償を請求することはありうるでしょう。 ただ、法人でもペーパーカンパニーのような会社があるのも事実で、実際上は個人と一体の場合もあるでしょう。そうした事実を裁判所が認定すれば(法人格否認の法理といいます)、責任は自然人である個人に直接およぶと考えられます。