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フランスの近現代芸術と日本人

フランスの近代芸術には、異質文化吸収同化という面がかなりあると思います。美術のジャポニズム(もちろん日本化だけでなく、さまざまな世界的影響を受けていると思う)や、音楽の国際化(ジャズとか民族音楽をフランス音楽家はよく取り上げる) そういう、ねたを広く外に求めて吸収同化してさらに新たな段階へ進むという、フランス的(ラテン的?)芸術精神というのがかなりメジャーで、評価も高いな気がするのですが、それはどういった理由でそうなるのでしょうか?またこういう素質は、日本人と共通性があるでしょうか?もしかしたら、地上で日本人に1番近いのはフランス人ということにならないでしょうか(かつての日本人かもしれませんが)

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  • harepanda
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回答No.2

外資系企業で働いている者です。 ごく一般論から言えば、アメリカ人が自分たちのやり方が何でもグローバルスタンダードだと思っているのとは違い、ヨーロッパ人は国境の向こうには違う文化があることを知っています。異文化を吸収しやすいのは、ヨーロッパの全ての国について言えることで、特にフランスが突出してその傾向を示しているわけではありません。 絵画については、確かに日本の浮世絵の影響をまともに受けたのはフランスです。日本酒に造詣の深い人が多いのもフランスです。しかし、世間での通常の評価では、日本人に一番近いヨーロッパ人は、ドイツ人であり、したがってラテン系ではありません。ドイツ人は日本人と同じく時間の管理に厳格で、小さなミスも見逃さず、用心深いという特徴があります。ただし、ドイツ人は日本人と違い、議論を好み、あいまい決着を許さない傾向があります。ドイツにおける日本文化の受容については、「新世紀エヴァンゲリオン」や「あさきゆめみし」にドイツ語版があるほか、様々な文学がドイツ語に翻訳されているなど、硬派なものが目立ってしまうので、絵画ほど分かりやすくはないのです。日本のサブカルチャーは、ドイツでは非常に高い評価を受けています。そのほか、ミュンヘンにパチンコ屋があるとか、オリバー・カーンの愛人は、ハロー!キティにはまっているとか、妙な現象も見られます。そういえば、ドイツ語圏であるリヒテンシュタインの電話会社は、ADSLの宣伝に、小錦を使っていますね。わけが分かりませんが。 こんな、ストレートなドメイン名まで、あるんですよ。 http://www.neon-genesis-evangelion.de/ なお、私見ですが、日本人に一番近いヨーロッパ人は、アルメニア人だと思います。ドイツ人に「日本では電車が15分以上遅れると、遅延証明書が発行され、従業員はそれを人事部に提出するのだ」と言ったところ、「さすがにドイツ人でもそこまではしない」と言われました。この日本人の、うっとうしいまでの厳格さという点で、ドイツ人を上回るのが、アルメニア人なのです。マイナー系の国なので見落とされがちですが、行ってみると良く分かります。 ホテルで朝食のバイキングを使うと、レストランから出る時に、「私は確かに朝食をとりました。もう一度、来ることはしません」という書面にサインをさせられるのです。なんだこりゃ、状態のもので、こんな妙な制度は、他の国では見たことがありません。また、銀行で両替を依頼するとパスポートの提示を求められ、長ったるい文章の4箇所にも署名させられ、最後に帰ってくるパスポートには、銀行の宣伝マークの入ったカバーがかけられているというおまけつきです。アルメニア人と日本人には、同じ悪い傾向がある点でもドイツ人とは違います。その悪い傾向とは、やられたらやりかえすという古い復讐に基づく規範意識を持っていること。日本に殺人犯には死刑が下されて当然という意見が多いことと、アルメニアが隣国であるアゼルバイジャンとの関係修復を全くする意志がないのは、同じ問題の別の現れ方だと思います。ドイツでは、復讐の連鎖をとめるため、刑罰を下す権限を国家に集中させ、私刑(リンチ)を許さず、事前に刑法に明示的に禁止事項として書いているもの以外は犯罪ではないとしたうえで、刑法における拡大解釈を禁止しているのと、大きく違います。

garcon2000
質問者

お礼

生のヨーロッパの姿を想像できました。フランスよりもドイツ、そしてアルメニアですか!ユーゴとチェコの差って言うのもありますね。日本は戦争を好まないということでチェコらしいですね。たいへん面白いお話でした。 しかし、報復思想とかは穏やかでないものをもっている日本なんですね。だから暮らしにくく感じるのか?とも考えました。

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  • tyr134
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回答No.1

私も興味はあるんですが、知識不足なので以下は参考として聞いてもらえると幸いです。 西洋の美術史をダイナミックに捉えることが、回答に繋がる気がします。 で、以下は私の見解です。 まず、近代美術に繋がる重要な点として、やっぱりイタリア・ルネサンスがスタート地点でしょうか。 イタリア・ルネサンスでは、主にビザンツ帝国やオスマン・トルコを通して東方文化が入ってきました。 イタリアに入ってきたのは、地理的な位置とヴェネチア共和国を始め、東地中海貿易をする商人が沢山いたからですね。 で、彼らを通じて東方文化(古代ギリシア・ローマ文化、アラブ・イスラム文化)が入ってきました。 それらを吸収しながら、徐々にキリスト=カトリック教の教えや文化と融合していった。 イタリア・ルネサンス文化が花開くとほぼ同時に、フランスや神聖ローマ帝国、スペイン王国なんかが、次々とイタリア侵略を狙って侵入してきました。 で、そうした侵略等を通じて徐々にルネサンスが西へ北へと広がっていった。 また、海洋技術が向上した事により遠洋航海もできるようになっていった。 その結果、バスコダ=ガマやコロンブスのような成功者も出てきた。 我も我もと後に続く探検家や、その探検家を支援するパトロンとかが出てきました。 そして、アフリカ、南北アメリカ、インド、東南アジアなどなど、世界中から色んな珍しいモノが入ってきました。 また、聖書に書かれた世界と現実の世界を整合性を見つけ出そうという試みも同時に行われていた。 まぁ、つまりルネサンスによって航海技術が向上し、富を求めて、そして「キリスト教的真理」を求める時代として大航海時代が幕を開けたのです。 で、この大航海時代によって海外から珍しいモノが沢山入ってくるようになりました。 また、探究心も向上していました。(宗教的な動機が多い) ただ、宗教改革・反動宗教改革・度重なる戦争・フランス革命・啓蒙思想などなどを受けて、徐々に宗教色が後退し世俗的な動機が全面に出てくるようになります。 ただ、これは信仰心が無くなったとかいうのではなくて、言い換えれば「神学の世俗化」というか、まぁ宗教色が後ろに引っ込んだんですね。(消えたわけではない) で、産業革命なんかを経て、ある程度国家の大枠が決まって「コップの中の戦争(ナポレオン戦争とか、ヨーロッパ社会での戦争)」が一段落すると、次は帝国主義時代に入り、ドンドン外に向かって膨張が加速していった。 ジャポニズムはそんな時代に起こりました。 つまり、ヨーロッパ社会がある程度平和になり(歴史的には嵐の前の静けさでも)ヨーロッパ以外の世界に興味・関心が向いていた時期でした。 また、日本はも逆に西洋からの圧力におされ欧米に対する知的欲求が起こっていました。 そんな中で、1867年のパリ万国博覧に日本が初参加します。 そして、日本の芸術が紹介され、ジャポニズムブームに広がっていったようです。 >日本人と共通性があるでしょうか? う~ん、どうでしょうか。 個人的には、異文化吸収同化というのは、どの国でも多かれ少なかれ行われると思います。 ただ、それがどの分野で発揮されるかは時代・地域・民族などなどに差はあるような気がします。 例えば、日本の場合は芸術には疎く、逆に生活に密着したモノ(衣食住など)は吸収同化しやすい気がします。 芸術に関しては、西洋が認めたモノを輸入するだけ、、、、って感じですね。 画家にしろ建築家にしろファッションデザイナーにしろ、およそ芸術家と言われる人は欧米が認めたから日本でも認められたって人が多いですね。 逆に、フランスを始め欧米は「芸術面」に対して凄く貪欲な気がします。 特に、制作熱もありますが、それ以上に「蒐集熱」がありますね。 少し前は古典作品でしたが、今は現代アート、それもアジア、アフリカのアートが注目されて、新進作家の作品が高値で買いあさられているようです。 私見を長文でダラダラ書いてしまいましたが、参考になれば幸いです。

garcon2000
質問者

お礼

歴史的な流れを再確認できました。ジャポニズムの流入期っていうのは、確かに、熟覧したヨーロッパ(革命やナポレオン戦争の波が引いてから、第一次大戦の再攪拌から旧体制の崩壊までの間の)文化的熟覧期ですね。ヨーロッパの度量と経済力があってこそできた、世界的美術観点の拡大だったのでしょうね。日本はその点、芸術的というのは恥ずかしいほどかとも思います。