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アルカリ金属水酸化物とCO2の反応につて
このサイトで質問させてもらって、アルカリ金属水酸化物の水溶液はCO2量が少ない時は炭酸塩、CO2量が多いときは炭酸水素塩を作ることを教えてもらいましたが、例えば水溶液を何かの板にたらして大気中室温乾燥させる時、どちらを作りやすいでしょうか?乾燥させる時の雰囲気湿度が違うと反応も変わってくると思うのですが、どなたか頭のいい人教えてください。
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- chem_navi
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化学系の研究をしている大学院学生です.以下,推察しうる範囲でお答えさせていただきます.アルカリ金属炭酸塩の場合,炭酸水素塩の方が炭酸塩よりも水に溶けにくい(溶解度が高い)ので,アルカリ金属水酸化物とCO2が反応して沈殿生成する物質は,通常の場合,炭酸水素塩です(炭酸水素塩は水に溶けにくいので,水にとけていないで,さっさと結晶になりたがる).しかし,ご質問にあります通り,板に原料水溶液をたらして空気中に放置する場合,CO2がよく混ざらないことから,CO2との反応がかなり遅く進むので(炭酸水素塩が生成するまでには,(1)CO2が原料水溶液にとけるまでの過程と,(2)とけたCO2が原料と反応して沈殿生成するまでの過程という,ふたつの大きな山がある.),炭酸水素塩が析出する前に,原料水溶液の方が先に乾いてしまい,水にとけていたもともとの水酸化物が仕方なく析出する可能性の方が大きいと考えられます.一般に,結晶固体の沈殿を伴う反応では,原料濃度とpHと温度と攪拌条件(かきまぜかた),そして結晶の形を変えたりするためにわざと加える不純物の影響を大きく受けます.ご質問の方法の場合,反応が完了する前に原料水溶液が乾いて原料が析出してしまわないように,常に湿度を調整する必要があるでしょう.思うところ,湿度が適度に調整されたとして,まず原料水溶液の表面でCO2が多くとけて,そして主に液の表面で炭酸水素塩の微結晶が反応によって析出し,これが種結晶となって,どんどん炭酸水素塩の結晶が成長してゆくのでしょう.いかがでしょうか?最後までお読みいただき,ありがとうございます.