先ず比重の定義を確認します。
比重とは,同じ重力下で物の浮き易さ或いは沈み安さを示す数値と考えて宜しい。実際には重量比で表せる。ですから無重量状態では,比重は無意味になる。詰まり無重量状態では質量が違うものも全て浮き,重さも比重も無くなる。物質の質量はどんな環境下でも変わらない普遍的な値だが,重量や比重は重力の強さや,流動体の有無によって違って来るのです。例えば,月面上では同じ質量の物でも重量が減ります。又,液体の水や大気がないので,質量の大小に関わらず全て月面に落ちたままになります。そして地球の場合,同じ重力下では例え同じ気体でも比重が違うと分離するのです。
次に同じ空気でありながら,何故比重が違うのかの説明をします。例えから。鉄板を加熱するともやもやと陽炎が立つのは,過熱により軽くなった空気が浮いて上昇するからです。それでは何故軽くなるかと言うと,気体は加熱されて温度が上昇すると膨張します。膨張とは気体の体積が増える事ですが,ただ分子数は同じまま体積が増えますから,密度が下がります。詰まり単位体積中の分子数が減ります。その結果,重力の影響の受け安さを示す重量が,少なくなり軽くなります。そうしますと浮き易さを示す比重が減り,浮き易くなるのです。
この温度により比重が違う事を上手く利用したのが気球ですよね。気球の場合,混合を防ぎ同温に成るのが遅いのですが,それでも熱の移動が起き,温度差がなくなりつつ気球の重さで徐々に上昇速度が遅くなり仕舞いに下がって来ますよね。
お礼
回答、ありがとうございます! しかも発展的知識をありがとうございます。 大変勉強になりました。 でも、やはり最初の「比重が違うから」というのは少し理解しがたいです。 低レベルな質問かもしれませんが、比重が違うとなぜ混ざらないのですか? (ここでの比重というのは空気同士の場合限定ですよね?)