譲渡制限会社の株式相続について教えてください

質問

教えてください。
昨年、Ａ社の株を私が相続しました。（他の相続人のすべてのかたが相続放棄されましたので、私一人が相続人となりました。放棄された方の裁判所発行申述書コピー有り）
1月末にＡ社の株主総会があるのですが、Ａ社の社長から、相続した証明を提出せよ、と文書がきました。
Ａ社の社長にとっては、現在の株主構成を考えると、私が相続をしていると決算の承認や取締役の選任が自由に出来ないため困る状況です。
そもそも、被相続人は、そのＡ社社長に追い詰められ苦しんできた方だったので、そのような人の言いなりになって、どうしてもそのような文書を提出することに躊躇してしてしまいます。
もし提出せず、議決権の数でＡ社社長が思い通りの議決をしていった場合、そこでの議決がＡ社社長のいいように進められた場合、差し止め請求や、なんらかの制裁（刑事罰など）など可能でしょうか？

回答No.1

KOM2006

相続によって株主が移転した場合でも、株主名簿の書き換えを行なう必要があり、これをしないと会社に対抗できません（会社法第１３０条。大判明４５．４．２４）。つまり、会社側から質問者様を株主と認めない限り、質問者様が実質的な権利証明をしたとしても、会社に対して株主の地位を主張することはできません（最判昭３０．１０．２０）。したがって、「相続した証明」を提出すると同時に、株主名簿の書き換えを請求することになります（同法第１３３条、第１３４条第４号、同法施行規則第２２条）。これをすることによって、はじめて質問者様が基準日以降の株主であることを会社その他第三者に対して主張することができます。逆に、これをしないといつまでたっても会社に株主と認めてもらえず、株主としての差止請求権や株主提案権、総会での議決権を行使することができなくなります。

ですので、お気持ちはわかりますが、株主名簿書き換えを完了されることをおすすめします。そうでないと、株主としてその社長や会社に言いたいことも言えなくなってしまいますから。

お礼

ご丁寧なご回答、本当にありがとうございます。
早速、手続きを行いたいと思います。