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サイクリックボルタンメトリー法を使った電気化学に関する質問です。

フェロセンを溶解させた系で、サイクリックボルタンメトリー法で測定を行いました。 この結果が、可逆か準可逆、非可逆かの判断を出来ずにいます。 参考書では速度定数k(cm/s)、走査速度v、反応電子数nで決まり、 可逆なら k>0.3(nv)^(1/2) といった判断基準があると思うのですが、 この時のkの計算方法が分かりません。 また、走査速度vの単位は(V/s)で良いのでしょうか? あと、ボルタンメトリーで走査速度をあげるとピーク電位差が増大するのは、 この系が準可逆、非可逆である場合の他に、何が関係してくるのでしょうか? おすすめの参考書などがありましたら教えていただきたいです。 文章が分かりにくいとは思いますが、知っている方がいましたら教えていただきたいです。 よろしくお願いします。

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  • c80s3xxx
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回答No.2

まず重複質問は不可. もうひとつのほうに書いてしまったので,以下はそのコピペ. ----- まず,k の求め方ですが,それが簡単に求められるなら苦労はありません.古典的には Tafel プロットによる解析が有名ですが,Tafel プロットが適用できるような系はむしろ珍しいくらいです. Tafel プロットは,要するに Butler-Volmer 式に実測された電流を当てはめているだけですから,k を知るためには,基本的には拡散等の物質移動過程の含まれない状況での電流を測る必要があります.通常の CV 条件で,そのような状況はまずありません.k がよっぽど極端に小さければ別ですが,ふつうに不可逆といわれるくらいに k が小さくても,拡散の影響を排除できる場合というのはそうそうはありません.反応物濃度を高くし,対流を使って拡散層を薄くするなどの工夫が必要です.そこへもってきて,フェロセンというのは大概の電極材料に対して k が大きいのです. さて,可逆か不可逆かどうかの判定は,CV の場合はもっと簡単です. まず,酸化と還元のピーク電位の差を見ます.これが室温なら 57mV くらいになっていればほぼ可逆とみなせます.可逆性が落ちればこの値が大きくなります. 電位掃引速度を変えた場合,速度を上げるほどピーク電位差が広がるなら,その時間スケールでは可逆ではありません (可逆か不可逆かは観察する時間次元にも依存することに注意). k の値は,掃引速度でピーク電位差が変わってくるならこの依存性に基づいて解析できることがあります.ただし,簡単な解析式はないので,CV の結果を数値シミュレーションかなんかで計算したものと比較するというのがよく行われます. CV の数値シミュレーションは,たとえば BAS が売っている DigiSim というソフトでできます.DigiSim の計算の中身 (計算の基本アルゴリズム) は論文等で公開されているものをそのまま使っているので,その気になれば同等の性能の計算プログラムを書くことはそれほど困難なことではありません.このプログラムは,拡散過程を高速に計算するために hopscotch というアルゴリズムを使っているところがみそです.しかし,いまはパソコンでさえ高い数値計算能力があるので,アルゴリズムに凝らずに,単なる差分陽解法でもそれなりの速度で計算できます. 数値計算によるシミュレーションは,この辺が参考になるかな. ​http://www.currentseparations.com/issues/19-2/19-2c.pdf​ もちろん,可逆性以外の原因でピーク電位差が変化することはいろいろありえます. ---- ところで,#1 の方の記述は残念ながら勘違いなのか指が滑ったのかわかりませんが,大変につっこみどころが (^^; (けんかを売っているわけではありませんので,念のため) > フェロセンが水に溶けるわけ無いので、水系でないとすれば、フェロセンは必ず可逆になります。(保証します) ならない場合はそれほど珍しくありません.アセトニトリルに溶かした場合さえ,電極によっては準可逆にしかならない場合が自分でやった中にも実際にありましたので. > 走査速度とピーク位置の関係の最大のものは「拡散係数(速度)」です。 違います.ピーク位置を支配する最大の要因は電子移動の固有反応速度定数です. > いかに電子伝達が早くてもスキャンが速ければピーク位置間電位差は大きくなります。 その通りですが, > つまり電極表面の電気二重層内の物質交換が律速になっています。 「電子」交換でしょう.まあ,k の中身まで踏み込んで,量子力学的な意味での電子移動とヘルムホルツ層内での化学種の動きとを分離できるのなら別ですが. > 可逆か不可逆かの判断は、ピークの前後の同じ電位範囲で何度も逆転走査して、ピーク位置がずれず、ピークの形が変わらなければ可逆と考えて構いません。 だめです.電気化学の可逆は,熱力学の変化の準静的過程と同じように,平衡状態が維持されているように見えるという意味です.この場合は電極電位と電極表面での酸化体,還元体の存在状態が Nernst 条件を満たしているかどうかが可逆かどうかがポイントです.繰り返し掃引で位置が動くかどうかは何の情報にもなりません.通常の化学反応の可逆・不可逆とは意味が全然違うことに注意. > 丸善刊 第5版 実験科学講座 25巻の「触媒化学、電気化学」の電気化学の部分をしっかりマスターしてください。 実はこの本には私自身が関係しているのですが,どの項目も所詮頁数があまりに限られている中での記述なので,私的には必ずしもお薦めではありません.まあ,はじめて電気化学が独立した項目として実験化学講座に入った意義は大きいですが. 電気化学会の「電気化学測定マニュアル」とかのほうが私的にはお薦め.これもいろいろと言いたいことはありますが. あと,古い本ですが,技報堂の「電気化学測定法」も悪くないです.

itodch
質問者

お礼

重複させてしまったことは以後、気をつけます。 まだまだ勉強不足ということを痛感しました。 参照電位の評価のためにフェロセンを溶解させたのですが、 電位差が広がるため、可逆ではないようです。 まさか参考書に関係している方から回答をいただけるとは 思ってもいませんでした。 参考書や文献、回答へのご指摘までもしていただいて 本当にありがとうございました。

その他の回答 (1)

noname#160321
noname#160321
回答No.1

>参考書では速度定数k(cm/s)、走査速度v、反応電子数nで決まり、可逆なら k>0.3(nv)^(1/2)… あまり気にしなくても大丈夫です。(いい加減な専門家) フェロセンが水に溶けるわけ無いので、水系でないとすれば、フェロセンは必ず可逆になります。(保証します) 走査速度は普通0.1から0.5V/sでしょう。どうせ±2Vしか見えません。 走査速度とピーク位置の関係の最大のものは「拡散係数(速度)」です。 いかに電子伝達が早くてもスキャンが速ければピーク位置間電位差は大きくなります。つまり電極表面の電気二重層内の物質交換が律速になっています。 可逆か不可逆かの判断は、ピークの前後の同じ電位範囲で何度も逆転走査して、ピーク位置がずれず、ピークの形が変わらなければ可逆と考えて構いません。 また、可逆でも複数電子過程の場合(通常2電子多くても3電子)ピークに「肩」が現れることが多いので、そこに注意してください。 くれぐれも、非水系では水の除去に気をつけてください。 同時に、塩橋はなくても銀塩化銀電極は非水系で使えます。 教科書は古いのしか知りません。そこでまず、 丸善刊 第5版 実験科学講座 25巻の「触媒化学、電気化学」の電気化学の部分をしっかりマスターしてください。 その後他の実験法の図書をご覧下さい。

itodch
質問者

お礼

非水溶媒を用いたので、水分の除去には注意して研究を行いました。 ご指摘いただいた参考書も読んでみます。 回答ありがとうございました。

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