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繰越利益剰余金の借方残高のてん補
簿記を勉強し始めた初心者です。 形式的減資の所で、次のような問題があります。 株主総会の決議によって、繰越利益剰余金勘定の借方残高¥8,000,000をてん補するため、資本金を減少した。 Ans.(借)資本金 8,000,000 (貸)その他資本剰余金 8,000,000 (借)その他資本剰余金 8,000,000 (貸)繰越利益剰余金8,000,000 とあるのですが、その他資本剰余金は相殺できないのでしょうか? なぜ、一度、その他資本剰余金へ振り替えた後でないとてん補できないのでしょうか? どなたか詳しい方、わかりやすく教えてください。 よろしくお願いします。
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質問者様が、おっしゃる通り、その他資本剰余金を省略した形で (借) 資本金 8,000,000 / (貸) 繰越利益剰余金 8,000,000 の一行仕訳のみでも、最終的な解答としては、決して、間違いではありません。 ただ、実務でも、学習簿記でも、会計処理においては 資本金・資本準備金の額の減少によって生じる剰余金は 減少の法的手続きが完了した時(会社法第447・第448・第449)に 「その他資本剰余金」に計上する。(会計基準20) …という規定に沿った会計手順が健全とみなされます。 ご質問文にあります二つの仕訳は その流れに沿った、あるべき計算手順を、示しているのです。 なお、ご質問の二行目の振替仕訳に関してですが 従来、資本の性質を持つ剰余金と利益の性質を持つ剰余金とは 互いに、混合してはならないという考え方があります。 「会社法」としての立場からは、特に、これを禁止する規定はありませんが 「自己株主等会計基準」の立場からすると 資本剰余金を利益剰余金に振り替える行為は 原則として、認められない事とされています。(会計基準19) しかし、形式的減資のように 利益剰余金が負の残高という非常事態に 将来の利益を待たずして、その他資本剰余金で、速やかに赤字分を補う事は 繰越欠損が起きている事実を認識した会計処理であり 資本剰余金と利益剰余金との区分の問題にはあたらないとされ 特例として、認められているのです。
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とてもわかりやすい回答をありがとうございます。 >資本金・資本準備金の額の減少によって生じる剰余金は 減少の法的手続きが完了した時(会社法第447・第448・第449)に 「その他資本剰余金」に計上する。(会計基準20) 会社法を照らしてみると、なるほど、そうですね。 簿記を勉強して、やっと純資産の部までたどり着きましたが、会社法という分厚い壁がのしかかります。。。 やっぱり、会社法を勉強しておかないといけないのかな、と痛感しています。 でも、奥が深くて面白いですね。 また、何かありましたら、よろしくお願いいたします。