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推理小説の凶器について
凶器に氷やドライアイスを使って 殺人を行った場合、結果的に、何 が原因で犯人を捕まえる事ができ るのでしょうか?
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- HINOMIYA
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まずご承知いただきたいのですが、 推理小説の場合は、必ずしも裁判を意識しなくても良いということです。 現実の殺人事件の場合、(現行犯以外で)犯人を捕まえるのは、警察の仕事です。 警察は、犯人を捕まえる以上、送検して公判を維持する為の証拠や証言をそろえなければなりません。 凶器が出てこない殺人事件の場合なら、動機などの面から犯人らしい人間を割り出し、柔らかな拷問のような取調べの上で自白を引き出し(実際、やってなくても「やりました」と言って楽になりたくなるそうですからね)、傍証を固めて立件と言うことになります。 ただ、推理小説としては、ちっとも面白くないでしょうね。 推理小説的に犯人を捕まえるとすれば、こんな感じになると思われます。 まず、凶器が不明な殺人が起きます。 この時点では、犯人が誰か判りません。 犯人と疑わしい人は出てくるかもしれません。 ところが、第2の殺人発生。 先程犯人ではないかと疑われていた人が殺され、謎は深まるばかりです。 更に第3の殺人発生。 もう、何がなんだかわかりません。 ここで名探偵推理モードに突入します。 「3つの殺人を通して考えれば、犯人の目的はこうで、なおかつ、3つの殺人を実行可能なのは、A子さんだけだ!」 うなだれるA子。 「最初の殺人は、窓辺のツララを使ったと考えれば、凶器が見つからないのも無理からぬことですね。 そうではありませんか、A子さん?」 更にうなだれるA子。 納得する一同。 事前に「現場でお湯が沸いていた」とか「暖房が暑すぎた」とかの伏線を張っておけば、読者も納得です。 氷やドライアイスを使って完全犯罪を達成することは、可能だと思います。 しかし推理小説は、推理されるための小説です。 そのとき読んでも判らないけど、最後まで読めば「おお!」と納得できるような犯人のミスが、小説の中に散りばめてあります。 また、ひとつの殺人自体は完全に近くても、たいてい連続殺人になって、他の事件からバレてしまうこともあります。 「何が原因で捕まるか」は、推理小説作家の腕の見せ所です。 いかに読者を納得させるかという意味で・・・