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結晶粒界って?
結晶粒界というのは,結晶と結晶の間にあるというのは分かるのですが,実際には何があるのでしょうか?
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結晶粒界は結晶粒の境界ですから、純物質について言えば転位など、欠陥の集合体といえます。 しかし、一般の材料では2種類以上の物質が混ざった状態ですので粒界に主相以外の物質が析出することがよくあります。 これは、粒界が欠陥の集合体であるため、拡散の速度が速くなっていることが原因です。 つまり、析出相がある場合には粒界に析出しやすい、ということです。 純アルミニウムについてですが、純物質であれば基本的に粒界に他の物質が析出することはありません。ただし、一般に市販されているものには不純物が含まれていますから、これが粒界に析出することがあります。
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直接的な回答ではありませんが、以下の参考URLサイトは如何でしょうか? 更に、 ・www.tic-mi.com/html/gekkanshi/mi9912/song.pdf ご参考まで。
- Umada
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結晶と結晶の間には何もないこともありますが、物質が存在することもあります。 例えば窒化ケイ素焼結体では、結晶粒の間にシリカなどを主成分とする、結晶粒とは明らかに別の物質が挟まっています。これらの物質はひっくるめて、一般に粒界層(粒界相)などと呼ばれます。 粒界相がその材料の特性全体を支配することも少なくありません。粒界は単なる境界でなく、材料の特性を制御する上で非常に重要なカギを握っています。 粒界では結晶の構造が乱れていることや、また粒成長の機構的な関係から、粒界で不純物の量が多く(あるいは少なく)なることはしばしば見られます。この部分まで含めて粒界層と呼べるかどうかは別として「物質的には何も存在しない」ということはありません。
補足
結晶粒界は結晶と結晶の境ということですが、転位が集積しているというわけではないのですか? 純アルミニウムに関してはどうなのでしょうか? また、結晶の析出物や介在物といったものとは関係ないのでしょうか? 一度に色々質問してしまいすいません。 専門家の方ということなのでどうぞ宜しくお願いいたします
先の回答に誤字がありましたので訂正します。 結晶粒界(grain boundary)とは、結晶粒と結晶粒の境界のことです。光学顕微鏡による組織観察で網の目状に見える線が結晶粒界です。腐食によって他の部分より少し削り取られ、顕微鏡で見ることができるようになっています。それぞれの結晶粒は規則的に並んだ原子の集まりでできています。しかし、同じ規則で並びあった結晶粒が隣り合っても、空間においてその並ぶ方向は必ずしも同じであるとは限りません。この原子の並ぶ方向の異なる境界が結晶粒界となります。結晶粒界は隣合う結晶粒によって定義されるため、結晶粒の方位関係によっていろいろなものがあります。一般に結晶方位差が大きい粒界を大角粒界(high angle grain boundary)、方位差が小さい粒界を小角粒界(low angle grain boundary)と呼んでいます。 結晶と結晶の間にあるのではなく、結晶と結晶の境界です。
結晶粒界(grain boundary)とは、結晶粒と結晶粒の境界のことです。光学顕微鏡による組織観察で網の目状に見える線が結晶粒界です。腐食によって他の部分より少し削り取られ、顕微鏡で見ることができるようになっています。それぞれの結晶粒は規則的に並んだ原子の集まりでできています。しかし、同じ規則で並びあった結晶粒が隣り合っても、空間においてその並ぶ方向は必ずしも同じであるとは限りません。この原子の並ぶ方向の異なる境界が結晶粒界となります。結晶粒界は隣合う結晶粒によって定義されるため、結晶粒の方位関係によっていろいろなものがあります。一般に結晶方位差が大きい粒界を大角粒界(high angle grain boundary)、方位差が小さい粒界を小角粒界(low angle grain boundary)と呼んでいます。 結晶と結晶の間にあるのではなん、結晶と結晶の境界です。
お礼
有り難うございました。たいへん参考になりました。