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「お寒い中・・・」
「お寒い中、わざわざお越しいただき・・・」 というような挨拶を、最近耳にすることがよくあるのですが、 「お寒い中・・・」という言葉を耳にするたび、 私は何か違和感を覚えてしまいます。 (「寒い」に「お」をつけるなんて、と。。。) そこでお聞きしたいのですが、 「お寒い中・・・」という言い方は、文法的に正しいのでしょうか。 (正しい日本語なのでしょうか。) また、違和感を覚えるのは私だけなのでしょうか。 教えて下さい。
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敬語による問題のない言い方です。個人的にも違和感は全くありません。 「お寒い」は、現在の敬語分類上では、物事を美化して上品に述べる「美化語」と考えるのが妥当でしょう。 「お・ご」が付く語は美化語の他に、尊敬語、謙譲語の場合もあります。 上位者として高めたい人物の動作、持ち物、状態の場合は尊敬語です(ご出席、お名前、お美しい)。 自分の動作や持ち物でも、それが上位者に向かう場合には謙譲語です(「先生にお手紙をお送りした」「先生へのご説明が足りなかった」)。 尊敬語でも謙譲語でもない、単に物事をきれいに述べる場合の「お・ご」が付く語は美化語ということになります。「お酒を飲もうかな」「あそこの店のお料理はおいしいね」などの場合は美化語です(ただし、「お酒をお注ぎしましょうか」という場合の「お酒」は謙譲語とも尊敬語ともいえるでしょう)。 ただし、一般に美化語は日記や思考にも使えるのに対し、「お寒い」や「お暑い」はそうではないので、美化語ではないとする学者もいます。また、「先生はお暑くはないですか」という場合は相手の「状態」なので尊敬語です。そして、「お寒い中~」や「お寒うございますね」という場合も、気候とはいえ相手の状態に関わっているので、尊敬語と考えてもいいと個人的には思います。同じ気候を表す形容詞でも「お涼しい」「お暖かい」などとは言いませんから、「お寒い」と「お暑い」は、相手に関わる厳しい状態をいたわるために、特に敬意表現として「お」が付くようになったのでしょう。 分類上はどうであれ(分類や文法は後付けでしかありませんから)、「お寒い」は敬語として使われてきており、適切な言い方といえます。 参考文献 『敬語』菊地康人著 講談社学術文庫 文化審議会答申『敬語の指針』 http://www.bunka.go.jp/1kokugo/pdf/keigo_tousin.pdf
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- Parismadam
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こんにちは。9/19のご質問ではご丁寧なお返事を有難うございました。 ご質問1: <「お寒い中・・・」という言葉を耳にするたび、 私は何か違和感を覚えてしまいます。> 1.その違和感の原因は、「お」という尊敬語が、「寒い」という寒暖を表す形容詞についているためと思われます。 2.「寒暖」を表す形容詞は、hitomiさんがよくご存知の英語やフランス語でも、itやilを仮主語として立てるように、「人が主語」であるような気がせず、「お」という尊敬を表す接頭語が、まるで「天気様」に対して用いられている印象があるからだと推察されます。 3.実は、この「寒い」という形容詞が曲者で、この形容詞は主語が「気温」「人」どちらも主語にとれる形容詞なのです。 (1)「気温」が主語の場合: 例: 今日は寒い。 外は寒い。 (2)「人」が主語の場合: 例: 今日は私は寒い(と感じる)。 外にいると私は寒い(と感じる)。 4.「寒い」の主語が「気温」であれば、物である「気温」に対して尊敬語の「お」を使うのは、確かに違和感があります。 通常は 「この寒い中、わざわざおこしいただき、、、、」 と、「この(気温の)寒い中」の「気温」に対して尊敬の「お」はつけないのが普通です。 5.「寒い」の主語が「人」であれば、客体である「人」が感じる状態に対しては、尊敬を表す「お」を使うのが普通です。 6.つまり、「お寒い中」で使われている「寒い」の主語は、相手である「人」になっており、「寒い」は相手の感じる状態なのです。相手の状態には、尊敬の「お」をつけるのが一般です。 例: お元気ですか? お寒くありませんか? 7.ご質問文の「お寒い中~」の文をわかりやすく言い換えると、 例: 「お寒く感じられるところを、わざわざおこしいただき、、、」 「お寒いでしょうに、わざわざおこしいただき、、、」 と、人が主語になる用法として使われ、相手の「気持ち」や「状態」に対して、尊敬語である「お」をつけるのが通常の敬意となるのです。 8.従って、ここで使われている「お」は、自分の品や格をよく見せるために使われる「美化語」ではなく、相手の状態に敬意を表す尊敬の接頭語の「お」になります。 ご質問2: <「お寒い中・・・」という言い方は、文法的に正しいのでしょうか。 (正しい日本語なのでしょうか。)> 文法的に正しいです。 1.ただしそれは、「寒い」の主語が客体としての「人」である場合です。 2.主語が「気温」で、「気温が寒い」という意味で使う場合には、「お」は不要です。 例: (X)このお寒い中、大変でしたね。 (O)この寒い中、大変でしたね。 2.上記のように、「寒い」の主語が「物」「人」という2つの可能性があるために、今回のような混乱が生じたものと思われます。 以上ご参考までに。 PS:フランスは今とても寒いです。今週は交通ストも数日予定されていて心まで寒くなります(笑)。日本はいかがですか?
お礼
Parismadam様 いつもご丁寧なご回答をいただき、本当にありがとうございます。 ご多忙なこととは存じておりますが、わざわざ詳細なご解説、 本当に嬉しく、毎回感謝の気持ちでいっぱいです。 いつもParismadam様の知識の豊富さ、ご教養の深さには 頭が下がる思いがいたします。 ところで、「お寒い」についてですが、仰るとおり尊敬語の ような気がいたしてきました。 他の回答者さまからもご指摘いただきましたが、「お寒い」とは 言っても、「お涼しい」とは言いません。 もし「お寒い」が美化語なら、「お涼しい」と言っても良さそうな ものだと思うのですが。。。 なので、「お寒い」は相手の苛酷な状況をいたわって、の言葉 なのでしょうね。 日本語は欧米の言語と違って、主語を明示しないのでややこしい ですね。 でも今回ご回答いただいた中、圧倒的多数の方が「違和感」がない とおっしゃられていて、私は改めて自分の日本語に対する知識の 無さを恥じてしまいました。 (もっとも、知識の無いのは日本語だけではないのですが。。。) 外国語の勉強も趣味程度のものですが(Parisumadam様は、 私のことを買い被って下さっているようですが) 趣味で翻訳などをしていると、外国語への知識はもちろん 大切だけど、それと同じくらい、もしくはそれ以上に日本語の 勉強の必要性を痛感いたします。 わたしなど一生かかっても、Parismadam様のお足元にも及びませんが それでも、少しずつ色々なことについての知識を身につけて いきたいと思っております。 またこれからも、是非ご教示よろしくお願いいたします。 PS:今年は秋が長く続きましたが、さすがに12月ともなると 日本も寒い日が続くようになって参りました。 とは言え、わたしが子供の頃の冬は、もっと寒かったよう な。。。やはり、地球温暖化の影響なのでしょうか? Parismadamさま、くれぐれもご自愛くださいませ。
確かに何だか変な表現ですが、一応国語辞典には載っています。ただ、それなら「お暑い」だって載っていてもよさそうなものですが、少なくとも私の手許の辞書にはありません。それから「お涼しい」は‥ (笑) さて、私が思うにこれは、「陽気が」寒いでということではなく、「お越しいただいた人が」寒かったでしょうと、相手を気遣う表現です。単に寒いという状態を指す場合、例えば「毎日寒い日が続いております」のようなケースでは「お寒い」とは言わないと思います ( ^^
お礼
ご回答ありがとうございます。 あ~、良かった。変な感じがしたのは、私だけじゃなくって・・・(笑) 回答者さまがおっしゃってくださったように、「お涼しい中」は 聞いたことがありませんね。 「お寒い中」が正しいなら、「お涼しい」と言っても 良さそうな ものですが、「お涼しい・・・」には、ものすご~く抵抗があります。 (「お寒い」への違和感が20%だとしたら、「お涼しい」には 違和感(抵抗感)120%くらい・・・。) >私が思うにこれは、「陽気が」寒いでということではなく、 >「お越しいただいた人が」寒かったでしょうと、相手を気遣う >表現です。単に寒いという状態を指す場合、・・・「お寒い」とは >言わないと思います ( ^^ とのことですが、なるほど! そうかもしれませんね。 「寒い」の主語が明示されていませんが、「寒い」のは陽気ではなく、 「寒い」と感じている人が主語なのかもしれませんね。 面白いご指摘、ありがとうございました (^━^)ノ”♪
- ANASTASIAK
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>また、違和感を覚えるのは私だけなのでしょうか。 私は感じたことが有りません。 これは文化庁の言う美化語の一種で、許容される 敬語表現です。
お礼
ご回答ありがとうございます。 「お寒い」は美化語なのですね。 どうやら違和感を覚えたのは、私だけ?のようですね・・・。
- yoshi170
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辞書で調べたところ、形容詞・形容動詞に付き、丁寧、または上品に表現しようとする気持ちを表すとのことで、用例として、「お寒うございます」「おりこうにしていなさい」とありました。 辞書に載っていることを考えると、正しいといえるのではないでしょうか。また、私は特におかしいとは思いません。
お礼
ご回答ありがとうございます。 それと、わざわざ調べていただき、本当にありがとうございます。 「お寒い・・・」は正しい日本語なのですね! でも、確かに「お寒うございますね。」や「おりこう・・・」は、 よく言いますよね。 特に「おりこう」は本当によく聞くので、これが形容詞(「りこう」) に丁寧を表す接頭辞「お」がついたものだなんて、考えたことも ありませんでした。。。 でも言われてみれば、「おりこう」がOKなら、「お寒い・・・」も 正しいはずですよね。 「お寒い・・・」と聞いて引っかかったのは、どうやら私だけ?の ようですね。 ありがとうございました。
お礼
ご回答ありがとうございます。 「お寒い」は美化語で、正しい表現なのですね。 >「先生はお暑くはないですか」という場合は相手の「状態」なので >尊敬語です。そして、「お寒い中~」や「お寒うございますね」と >いう場合も、気候とはいえ相手の状態に関わっているので、 >尊敬語と考えてもいいと個人的には思います。 >同じ気候を表す形容詞でも「お涼しい」「お暖かい」などとは >言いませんから、「お寒い」と「お暑い」は、相手に関わる >厳しい状態をいたわるために、特に敬意表現として「お」が >付くようになったのでしょう。 おっしゃる通りかもしれません。 「お寒い」は相手の状態を気遣って「お」をつけているのかも しれません。ちょうど、「お足元が悪い(お悪い)中」と言うのと 同じようなことなのでしょうね。 ところで美化語について前々から不思議だったのですが、 「おナス」「おミカン」とは言っても、「おキュウリ」 「おスイカ」とは言いませんよね。 同じ食べ物なのに、「お」をつけて良いものと、変なものに 分かれるのは不思議です。 でも私は、もっと敬語について勉強しなければいけませんね。(反省) 回答者さまにご紹介いただいた敬語に関する本とURL、 よく読んでみます! ありがとうございました。