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誘導M型フィルタについて教えてください。

はじめまして。投稿見ていただいてありがとうございます。 誘導M型フィルタでの減衰量測定実験において、減衰極で減衰量が無限大にならないのはなぜでしょうか?

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回答No.2

誘導m型フィルタの回路はもちろんご存知だと思いますが、以下伝送線路は同軸フィーダを使う不平衡型だとして説明します。 誘導m型フィルタが減衰極の周波数の信号を後段に伝えないように遮断するには基本的に二種類の仕組みがあります。必要に応じてどちらか一方とか何段かで複数組み合わせて使われます。 1.信号のホット側とコールド側(接地側)の間を直列共振回路でその周波数成分だけ短絡させる。   →その周波数成分は入力側に全反射され、入力側の内部インピーダンスの抵抗成分で電力消費    され熱エネルギーに変換される。 2.信号の入力側と出力側の間に直列に、並列共振回路を入れてその周波数成分だけブロックして   出力側には通さない。   →1.と同様にその周波数成分は入力側に全反射され、以下同文。 と言うの期待しているわけですが、現実の回路素子には損失が存在するために次のような振る舞いをします。 上に挙げた1番の場合、直列共振回路に損失が有ると言うことは共振周波数においても抵抗成分が存在し回路を短絡したことにはならず、その為に出力側に信号が漏れます。 次に2番目の場合ですが、その前に。 電気工学や無線工学の本で共振回路について載っていますね。並列共振回路の両端のインピーダンスは回路のQが有限値だと共振周波数においても無限大にはならないと説明されているわけですが、それはあたかも理想的な並列共振回路にさらに並列に高抵抗が接続されたのと等価になります(この変換方法は直列並列変換として無線工学の本に載っています)。 で先の2番目の場合、並列共振回路のインピーダンスは損失の為に有限値となり、その為に出力側に信号が漏れます。 部品メーカーの製品ですとデータシートには、コイルだとある周波数での無負荷Qが、コンデンサですとQもしくはtanδの形で載っています。 自作なさったコイルでしたら#1に書いたような測定器で測って下さい。

hiro827a
質問者

お礼

sunspot_numberさんありがとうございます。 おかげでどうして回路素子に損失がある場合に減衰極において減衰量無限大とならないのか分かりました。 ありがとうございました。

その他の回答 (1)

回答No.1

原因は主に三つ考えられます。 1.現実の電子部品としてのコイルやコンデンサは損失の無い理想的な素子ではありません。  現実のコイルは金属導体で作られていますから抵抗成分を持ちますし、巻き線間には分布容量が存在します。 コイルの性能はおよそ100MHz以下の周波数だとQメーターという測定器で、またそれ以上だとネットワークアナライザと呼ばれる測定器で測ります。 コンデンサは両極板間に誘電体を挟んでいますからこれも抵抗は無限大では有り得ず、また両端子から引き出されるリード部分にはインダクタンス成分と抵抗成分を持ちます。 それがコンデンサの損失になります。 そのためにコイルとコンデンサが共に損失の無い純粋な素子と違い減衰極でもある程度の減衰量しか得られません。 しかし通常フィルタを利用する場面では例えば送信機の出力側に置いて基本波に対して最低何dB減衰させるという要求仕様があり、それを実現する為にもし一段では足りなければ二段にするとかして要求を満たすように設計します。 高周波での等価回路については「トランジスタ技術SPECIAL No.47 特集 高周波システム&回路設計」CQ出版社 などをご覧下さい。 2.回路の実装上の問題  もしフィルタの両端がその間にシールド板が無くて空間で結合されているなら(しかもその距離が短いと)これはフィルタの性能を十分には発揮出来ません。 フィルタを通らずに一部は空間を通って出力側に漏れます。 入出力間は必要な減衰量が得られるようにシールドしましょう。 3.フィルタの減衰量を測定する測定器の限界  フィルタの減衰量を測定するには一般的に、スペクトラム・アナライザ+トラッキング・ジェネレータの組み合わせ。もしくはネットワーク・アナライザが使用されますが、 これらの測定器は幾ら十分なシールドが施されているとしても内部の局部発振器からの信号の漏れは0ではありません。 具体的な例ではアドバンテストのR3361シリーズというトラッキング・ジェネレータ内蔵のスペクトラム・アナライザだとトラッキング・ジェネレータ側からスペクトラム・アナライザ側への漏れは-110dBが保証されています。 この場合110dBを超える減衰量の測定結果には責任を持てませんよということになります。

hiro827a
質問者

お礼

sunspot_numberさん、とても詳しい回答ありがとうございます。 とても参考になりました。 原因1のご回答についてですが、リアクタンス部分が純リアクタンスでないための損失があると、どうして減衰極における減衰量(=無限大)に影響がでるのでしょうか?減衰量を表す式より、リアクタンス部分が純リアクタンスでないことから、理論通りの減衰量が得られないことが理論的に説明可能でしょうか。

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