他の方の同じような質問に対する参考で記載した文章です。参考にしてください。
・日本政府の対ミャンマー路線
日本政府が単独で欧米と異なる路線を取っているのではなく、アセアン:東南アジア諸国連合(ミャンマーの他に、タイ・ラオス・カンボジア・ベトナム・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ブルネイ・フィリピンの10カ国)の方針を支持してたという解釈のほうが良いでしょう。
日本ではほとんど報道されませんが、アセアンのミャンマーに対する外交姿勢が、日本の態度を決める大きな要素となっています。
ミャンマーと最長の国境線を持つ「タイ」は、過去にミャンマーからの難民の流入や麻薬問題などで多大な影響を受けてきました。
『ミャンマー情勢の安定』が大きな国益であるタイにとって、民主化激化によるミャンマー政権の不安定化も、国軍による民主化抑圧による政治難民発生も、どちらも困るのです。(タイにとって、ミャンマー問題は日本の何倍も深刻な問題です。タイは多くの日本企業が進出し、世界でも一二を争う親日国ですから、日本政府はタイの国益を無視できません。ミャンマー経済が崩壊したり、政治混乱がおきて、タイに大量の難民が流入する事態は起こせません。)
タイに限らず、アセアン諸国にとって地域の不安定化は、軍事費の増額や外交路線の変更など多くの政策変更を余儀なくされます。
結局、アセアン諸国は経済制裁をしないまま、軍事政権には民主勢力の抑圧をしないように勧告する状況が続いており、日本もその路線に従ってきました。
アセアン諸国は、過去の経験から政治の安定が経済発展につながることを良く知っており、自国の経済発展のためにも近隣諸国の政治的安定を求めており、軍事政権であっても内政が安定していれば良いとの考えです。(これらの国のいくつかでは、軍政の経験があり、民政移行も経験しています。軍政下で経済発展して民主化した国もあります。アセアン諸国は、民主化・民政移行が成功するその前提条件が何かも十分かっているでしょう。)
尚、今回のミャンマーの情勢変化で、アセアン諸国の方針は完全に手詰まりの状態となっており、対応に苦慮しています。
日本としても、アセアンが明確な方針を出せない以上、アセアン諸国に気を使いながら欧米諸国と足並みをそろえる方向に向いています。
参考:日本の援助資金の実態
日本政府は無償援助をするとき、現金を相手国政府に直接支払うことは、災害時の小額の緊急援助以外は、あまり行いません。
ですから、日本の援助資金で武器購入を行うことは、不可能です。
一般に、日本の無償援助資金は、援助の実施を請け負った日本企業に対して支払われ、(鈴木宗男議員は、このれを利権化しました。)日本企業は援助国に、病院・学校を建設したり、職業訓練や専門教育を実施したりします。
このように日本の無償援助は、相手国政府の人間が着服したり、使い道を勝手に変えたり出来ないのですが、相手国が自由にお金を使えないので、評判がいまいちであることも事実です。(ひも付き援助といいます。)
お礼
ある意味日本は孤立しているようにも見れますね。 アセアン諸国からも東アジアからも、欧米諸国からも... 日本は外交が上手じゃないと聞きますがどっち取らずのようなきがします。 日本の援助資金で武器購入がないと知り少々安心しました。 なにかと欧米に目を向けがちでしたが今後はもう少し アジア諸国に目を向け多く学んでいきたいと思います。 とても詳しい説明ありがとうございました。