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死刑執行での法務大臣の意味とは
お世話になります。「死刑自動化」という鳩山発言を受けての質問です。 いつも思うんですが、法務大臣が死刑執行にあたって最終署名する意味って何なんでしょう。法律では判決から半年以内に執行することが決まっているそうですから、法律に沿う限り、いくら法務大臣が署名拒否をしても最大半年で自動的に処刑されるのが本当ではないのでしょうか。 そもそも、法務大臣が個人の思想で司法判断を勝手に延期できるという不思議な仕組みの意味がわかりません。これって、消極的ですが行政の司法への介入ですよね。これも、法務大臣の署名が必要なんていうことになっているからこそ起こる問題、ではないのでしょうか。 専門家は、「法務大臣の署名は極めて重要な職責のひとつ」と主張しますが、それが「重要」である意味は一体どういう点においてなのですか。
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>消極的ですが行政の司法への介入ですよね。 既にある回答にもありますが、もともと刑罰の執行は古今東西、行政権の仕事です。死刑に限りません。 刑を司法権が定める(定めているだけです)しくみにしているのは、 行政権の暴走独走に対する牽制という意味合いが強いです。 (三権分立の本来、為政者=行政権への牽制が目的ですから) 従って、司法の定める範囲を越えない中で行政による裁量を許すのは三権分立に反しないとされています。 (もちろん行政である以上、法の制約は受けますが、その法が許せばという前提) こういうケースは仮釈放制度など他にもあります。 さて、執行に法務大臣の命令が必要とされている刑罰は日本では死刑だけです。 他の刑は検察庁が刑の執行を指揮します。 法の建前としては、死刑は最高の刑かつ後戻りの出来ない刑なので、最後の最後まで慎重であるべき、 従って、刑を執行する機関(検察庁)の親玉(法務省)のヘッド、つまり法務大臣が指揮しろ、ということです。 なんだか、前法務大臣の言葉は、自分が刑罰を執行する 機関の親分であることをちゃんと理解しているのかな、と感じました。 国務大臣が法律を知っている必要は必ずしもないと思いますが、 法務大臣が法律に無知ではシャレにならないと思います…。
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- nep0707
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No.4です。書き漏らしがありました。 刑の執行という仕事はもとより法務省管轄下の組織の仕事ということは 既に書いたとおりですが… 「自動化」というのも変な話です。 死刑以外の刑だって決して自動的に行われているわけではありません。 ロボットやコンピュータが執行を担当するわけじゃないんですから。 誰かが指揮命令しなければ実行に移されません。 最終的に命令書にサインするのが最高責任者なのか (法務省の最高責任者は法務大臣、という当たり前すぎる話です) そこまで行かないかの違いだけです。 分かってないのは鳩山さんか、鳩山さんの発言を取り上げたマスコミか… もしかしたら両方かも… でも、それを読む国民の側ももう少し自学して、いい加減な情報を淘汰していかないと、とも思ったり… いろいろ思います。
- 845tk
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9/27 の毎日新聞社説に法務大臣の役割について論評しています。 私は同感と思う部分が多かったです。 http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070927k0000m070165000c.html
お礼
回答ありがとうございます。回答おそくなりました。 せっかくリンクしていただいたのに、見るのが遅かったせいか、うまく開けない状態です。大変申し訳ないことです。ぜひ読みたいと思いますので図書館かどこかを探してみます。
- Tacosan
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死刑の執行に関する法令の決まりは刑訴法475条~479条にあって, 本件に関係することを簡単にいうと ・死刑を執行するためには法務大臣の命令が必要 (475条1項) ・法務大臣は, 判決が確定した日から 6ヶ月以内に執行を命令しなければならない (但し期間の計算に条件多数) (475条2項) ・法務大臣の命令があってから 5日以内に執行しなければならない (476条) です. 従って, 刑訴法を改正しない限り「判決が出たら 6ヶ月以内に自動的に死刑が執行される」ことはありません. なお, 475条2項により「6ヶ月以内に命令しなければならない」ので, 理屈からいえば「6ヶ月以上経っても死刑執行を命令しない」のは「不法行為」と解されると思われます. とはいえ, この期間の計算にはいろいろと条件があるので, 本当に「6ヶ月たった」かどうかの判断は難しいと思います. で, なぜ「法務大臣の命令が必要か」というところですが, おそらく「死刑というのは国家が与える刑罰として最高にして不可逆のもの」であり, それを命じるには本来「国民の判断」が要求されるところ, 「国民の代表としての法務大臣」の判断で代えるという論理なんじゃないかなぁ.
お礼
回答ありがとうございます。お礼遅くなりました。 条文ありがとうございます、大変勉強になりました。 計算が複雑とのことですが、何年も死刑囚が処刑まちになっている現状はどう考えても行政の怠慢、不法行為ということになるでしょうね。 しかし、理屈では行政の長がサインするというのは何となくわかりますが、司法が何年もかけて審理をつくしたものを、たかが一人の政治家が私情で恣意にしていいもんでしょうか。政治家ってそんなにたいしたもんではないですよね。
- sapporo30
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> 消極的ですが行政の司法への介入ですよね。 この部分は、誤りです。 判決を下すのは、司法ですが、判決内容を施行するのは行政です。 刑務所は、裁判所の管轄下にいませんので・・・ > 法務大臣の署名が必要ないとすると 大臣が政治家だからそういう議論が起きるのであって 刑を執行するのに、誰か 命令をしなければならないのです。 その命令を誰が出したか? あいまいでいいのですか? 法務省のトップは、法務大臣ですから、大臣が署名をする のは、当然と思います。 法治国家である以上、法律にそって行動しないのがいけない だけであって、署名を拒否するような人を大臣にするのが いけないだけです。
お礼
回答ありがとうございます。お礼遅くなりました。 >判決内容を施行するのは行政 確かにそうなんですが、裁判所が死刑を出しても現状みたいに死刑囚がどんどんたまっていくのでは、実質的に行政が司法の判断を無視することもできる、つまり上位に立っているのも同じではないのでしょうか。 >署名を拒否するような人を大臣にするのがいけない ごもっともです。こういっちゃ申し訳ないですが、所詮政治家が1年ほど名誉職でやるだけですから、ろくでもないのが選ばれるんですよね。「思想の問題で死刑は署名しない」なんて、法相の言葉とは思えないです。
お礼
どうもありがとうございます。お礼遅くなりました。 >刑罰の執行は古今東西、行政権の仕事 その点はよくわかりました。ただ、行政の恣意で司法の決断がはたして履行されるのかどうかもわからないような状態だと、実質的には行政が司法の上位になっているのと変わらないような印象を受けてしまいます。 >最後の最後まで慎重であるべき そのこと自体は異論はないんですが、慎重であるのと不作為は違いますよね。単に個人的信条で死刑を拒否したり、意味なく先送り(次の大臣に丸投げ)している現状を見たら、自動化論の声が出るのも不思議はないと思います。 >法務大臣が法律に無知ではシャレにならない おっしゃるとおりだと思います。所詮そんな程度の人たちが大臣のいすに座ってる寒い現実です。