「日本語がフラット」とウワサされるのはなぜ?
言うまでもなく、日本語は、(一部の一型アクセントの地域を除いて)ピッチが音韻上弁別的です。
にも関わらず、「日本語はフラット」と深く信じている人が多いように見えます。
英語の発音の説明をするウェブサイトとかでも、「日本語に比べて英語では抑揚をつけないといけない」とか書いてあったり、アメリカ人用にに日本人がかいたウェブサイトにも「日本語はフラット」だとか、さらには、「日本語では音程の変化をめったにつけない」などと書いてあるテキストまで見たことがあります。
日本語はフラットと深く信じ込んでいる人達に、「赤」と「垢」というミニマルペアを教えてあげたとたんハっと気づいた、という光景を私は何度も見ています。
このように、言語学のシロートが10秒考えればわかるような間違いが、なぜここまで深く信じ込まれているのでしょう?
私の予想ですが、
まず第一に、ひらがな・カタカナで通常アクセントが表記されないので、存在感が薄い。(アクセント辞典の存在感も薄い。)
第二に、ピッチアクセントが大の苦手な英語話者が、日本語をしゃべる時しばしば間違った所(しばしば後ろから2音節目)のピッチを上げるという、東京式アクセントでは有り得ないパターンで発音し、それが特に平板型の言葉では日本人の耳には異様に聞こえる。「聞きなれないアクセントパターン」から「外国人はやたら抑揚をつける」と勘違いしてしまった。
第三に、日本の英語リスニング教材が、ほとんど全て不自然なほどイントネーションを強調しているので、英語話者は皆あんなに抑揚をつけてしゃべると思ってしまっている。
第四に、そんなこんなでみんなが「日本語はフラット」言うから、深く考えずそれが当然と思うようになった。
あくまでこれは私の個人的な憶測です。
もし何か科学的に検証した情報等をご存知な方がいたら、是非教えて下さい。
お礼
まったく和製英語だと思っていました。私の勘違いだったようですね。ありがとうございます。