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『秋刀魚の味』のセリフについての意味と解釈
- 小津安ニ郎監督の『秋刀魚の味』に登場するセリフ「イヤァ 陽のあるうちに秣は乾せか・・・思う勿れ身体無窮の事 ただ尽せ生前一杯の酒か・・・やァ・・・」の意味を解読します。
- このセリフは、秋刀魚の味の中で登場する重要なセリフであり、人生の哀愁を表現しています。
- セリフには、人生の限りある時間を大切に生きることや、享楽的な生き方への懸念が込められており、人の死という無可避の事実に向き合う姿勢が現れています。
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↑後でリンク先を読んだら「身体無窮」じゃなくて「身外無窮」ではないですか! いやはや、一字違うだけで、えらい違いです(笑 最前の回答はなかった事にしてください。 これは杜甫の漢詩の一文です。 二月已に破れ 三月來り 漸く老いて春に逢ふ 能く幾回ぞ 思ふ莫れ 身外無窮の事を 且し盡くせ 生前有限の杯を 秣の部分だけ、劇中の佐久間さんという登場人物がとってつけたもので、以下のせりふは、この杜甫の漢詩の末尾の二文そのまま、です。 秣のところは、自分の娘の婚期を遅らせてしまった事を悔いているのだと思います。 「身外無窮」だと自分とは関わりのない事、という意味です。 ですので、訳すならば、 「自分のせいで娘の婚期を逃してしまい、娘にはすまない事をした。ああ、でも自分以外の事でくよくよするのはやめよう。とりあえず今を楽しむ事にしよう」 という感じ? なんだかんだいってますが、劇中の佐久間さんは、娘に悪いことをした、というのを結構悔んでいる様子です。せっかくの宴席を暗い話にしてしまうのが悪いと気を使って「いまを楽しもう」と言っているのか、あるいは佐久間さんの現実が余りにも侘しくて、悩みも多いので逆説的に「いまを楽しもう」と言っているのか?
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- nekoirazu
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秣は馬の餌です。まぐさ、とも、かいば、とも読ませます。 昔の農家は馬を飼っているところが多く、馬の世話の中にこの秣作りというのがあり、藁とか馬が好きな草を刻んで馬が食えるようなサイズにするのが日課でありました。 それを、陽のあるうちに乾せ、と言っているのは、いまできる事はできるうちにしておけ、先延ばしにするな、一寸先は闇だから、というような事でしょうか。 このせりふを言っている人は、恐らく子供のころは農村で育ったという設定なのでは? 思う勿れ身体無窮の事 これも、いつまでも健康であると思うなよ、と自分に向かって言っているのです。 このせりふを言っている人は、若い人ではないのでは? 最後の一文は王維の漢詩をもじったものです。「君に勧む 更に尽くせ 一杯の酒」というのは別れの杯の事。 ですがここでは、いまを楽しもうというような意味だと思います。 わざわざ王維の漢詩を出してくるあたり、このせりふを言っている人はそれなりに学があり、またこのせりふは昔の仲間か久しぶりに再会した旧友に向けて言っているのでは? 訳すれば「いまできる事はできるうちにしておこうという事か。いつまでも健康でいられる訳じゃないんだから。とりあえずいまを楽しもうじゃないか」というような感じ?
お礼
知識に裏打ちされたすごい洞察力ですね、感服いたしましたm(__)m 王維の漢詩もいいですね、私も機会があればどこかで使いたいと思います(笑)
お礼
なるほど!まさか杜甫の漢詩を引用していたとは驚きですね~佐久間さんの気持ちがよりいっそう染み込んできました、ありがとうございます(^_^.)