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日本の通信の秘密はいつから保証されているのですか?

高校の歴史の授業で、日本の郵便制度において、いわゆる検閲をされないですむ、通信の秘密の保証がなされたのは、世界でも比較的早かった、というようなことを聞いたような気がするのですが、正確には、何年頃からそうなったのでしょうか? そのほか、日本の郵便制度の検閲の有無の歴史をざっと教えていただけたら幸いです。

みんなの回答

  • Ganymede
  • ベストアンサー率44% (377/839)
回答No.2

「急がば回れ」で、まず旧憲法と現憲法をざっと読んでみてください。 大日本帝国憲法(1890年・明治23年施行。中野文庫) http://www.geocities.jp/nakanolib/kou/kenpo.htm 日本国憲法(1947年・昭和22年施行。法庫) http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM 現憲法は21条2で「検閲は、これをしてはならない。」と定めていますが、旧憲法は検閲を禁じていません。実際、手紙も含めて検閲することがありました。したがって、ご質問文にいう「日本の郵便制度において、いわゆる検閲をされないですむ、通信の秘密の保証がなされたのは」、戦後の47年のことです。 ただし、47年といえば日本は占領軍(進駐軍)に統治されていました。日本政府を通した間接統治です。そして、占領軍に検閲は付き物のようです。GHQ は、新聞・雑誌・放送などはもちろん、郵便までも検閲していました。よって、サンフランシスコ条約発効によって日本が独立を回復した「1952年」が、ご質問の答ということになるかも知れません。 旧憲法の「第二章 臣民権利義務」(18~32条)を読むと、「法律ノ範囲内ニ於テ」、「法律ニ定メタル場合ヲ除ク外」という言い回しが繰り返し出てきます。臣民の権利を認めてはいるのですが、憲法の「下請け」である法律に、いわば「丸投げ」しているとも言えます。 信書の秘密について、旧憲法26条は「日本臣民ハ法律ニ定メタル場合ヲ除ク外信書ノ秘密ヲ侵サルルコトナシ」と定めています。逆に言うと、法律で定めれば、信書の秘密も侵せることになります。それを利用して、内務省などが検閲を行うことができました。 旧憲法26条を受けて、旧郵便法は信書の秘密を定めていたのですが、その意味するところは、「内務省などによる検閲を除いては、逓信省(郵便官署)の吏員が勝手に郵便を盗み読んではならない」というようなことでしょう。 それでも、日本が憲法に「信書ノ秘密」を規定したのは、世界でも比較的早いことでした。というか、「通信の秘密」「信書の秘密」については、憲法に明文の規定がない国が意外と多いのです。総務省郵政行政局の、ある研究会の配布資料をご覧ください。 郵便・信書便における通信の秘密 http://www.soumu.go.jp/yusei/seido_minaoshi/pdf/070327_1_si2.pdf 上記の資料の「(参考)諸外国における郵便の秘密」の表によりますと、イギリス・フランス・アメリカは憲法に明文の規定がないそうです。ただし、法律にはもちろん規定があり、違反すると罰せられます。 また、「信書の秘密」を憲法レベルで規定したのは日本(1890年)が最初ではなく、ベルギー憲法(1831年)や旧プロイセン憲法(1850年)の真似らしいです。 郵便・信書・通信の秘密 http://www.soumu.go.jp/yusei/seido_minaoshi/pdf/070327_1_si3.pdf (引用開始) 2.大日本国憲法26条は、「法律ニ定メタル場合ヲ除ク外信書ノ秘密ヲ侵サルルコト」のない日本臣民の権利を保障していた。美濃部達吉(『逐条憲法精義』)によれば、ここでいう「信書の秘密」はベルギー憲法22条の le secret des lettres および旧プロイセン憲法33条の Briefgeheimnis に相当する言葉で、「正確にいえば、郵便電信の秘密と称すべきものである」。(引用終り) ご存知のように、通信の秘密・信書の秘密は基本的人権の不可分の一部です。また、幕末・明治期の日本は、英仏米などの国から「人権」について学びました。したがって、英仏米が「通信の秘密」を憲法の明文で規定していないからといって、それを保障するようになったのは日本よりも後だ、とは考えられません。 ベルギー・旧プロイセン・日本がそれを憲法に書いたのは、後発の国だったからでしょう。先進国の人民が(国王などとの)闘いを経て長い間に獲得した諸権利を、後発の国は「人権一覧」のようにして憲法に書き込んだわけです。

noname#103352
質問者

お礼

なるほど、とてもよく分かりました。 やはり、一言では語れないことですね。 後発だと明文化されたルールは洗練されているが、実使用上は先発の方が不文律として先行しているわけで、どちらに注目するかの問題であるようにも思いました。 不勉強な私などに、丁寧なご回答をありがとうございました。 本当にどの本よりも参考になりました。

  • 32cooper
  • ベストアンサー率23% (9/38)
回答No.1

答えになっていないかも知れませんが。 有線電気通信法には (有線電気通信の秘密の保護)第9条 有線電気通信(電気通信事業法第4条第1項又は第164条第2項の通信たるものを除く。)の秘密は、侵してはならない。 という項目が最初にあります。 なのでこの法ができた昭和28年には秘密の保証があったようですが。

noname#103352
質問者

お礼

なるほどそうですね。 ただ、電気通信法というのは、電話やネットのことじゃないでしょうか? 私が主に知りたいのは、信書などの郵便制度の検閲についてです。 もう少し詳しくお話ししますと、高校の先生は割と日本びいき?(笑)な方で、「日本の郵便制度ができたときは、後発なこともあって、ずいぶん先進的な制度になったんだ。その当時、検閲されない郵便制度というのは、世界的にもまだ珍しかったんだ」というようなことを、言っておられたような気がするのです。 が、記憶が曖昧でして、はっきり知りたいと思うようになったのです。