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C7H9Nの異性体
C7H9Nの分子式を持つ2種の有機分子AとBがある。 (1)Aの方がBより強い塩基である。 (2)重水(D2O)と混ぜて振ると、NH結合がND結合に変化する。Aでは2個の重水素が交換反応を起こし、Bは1個の重水素しか交換しない。 (3)Aを酸化すると安息香酸が生成する。 (4)Bの紫外吸収スペクトルには、Aより長波長側に強い吸収帯が現れる。 以上からどのような分子構造が導かれるか。 という問題がわかりません。根拠も含めてわかれば教えてください。
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まず(2)から考えましょう。 N-プロトンがDに交換され、さらにAでは2個、Bでは1個の重水素が入るということから、AはR-NH2, BはR-NH-R'という形のアミン、すなわち前者は1級、後者は2級であることが分かります。 これと分子式から、AのR基に使えるのはC7H9N - NH2 = C7H7となりました。Bでは、RとR’二つの置換基あわせてC7H9N - NH = C7H8です。 次に(3)を考えましょう。安息香酸ができたということですから、Aはベンゼン環がありますし、さらにベンゼン環側鎖には1個のアルキル基がついているはずです。 これと上述したことから、Aの構造は分かるはずです。 Bの構造推定はやや難しいですね。 不飽和度も考えてみましょうか。 不飽和度0なら、C7のアミンでは水素原子は 2 x 7 + 2 + 1 = 17個持つはずですから、不飽和度は(17-9)/2 = 4です。 まだまだいろんな構造が可能になってしまいますが、こういう場合は知っているアミンから誘導して推定するのが近道です。 そこで(1)を使いましょう。 これは知っているか分かりませんが、アルキルアミンと芳香族アミン(要するにアニリン)を比べると、前者の方が強い塩基です。ちなみに、アルキルアミン同士で比べるとアルキル基が多い方が一般に強塩基となります。 また、これは(4)とも適合します。アニリンは窒素分子の非共有電子対がベンゼン環と相互作用するため、吸収は単純なベンゼン環orアルキルベンゼン(Aのこと)に比べ長波長シフトします。 また、もしもベンゼン環を持たない構造を考えた場合、ベンゼン環を持つAよりも長波長に吸収を持つのは変ですね。 ですから、Bはアニリン誘導体だと考えましょう。 すると、R,R'のうち、一個をベンゼン環とします。 さて、このことと、上述したR,R'に使える原子数から答えは出せますね。
お礼
お礼遅くなりました。 詳しい説明ありがとうございます。 とても参考になりました。