化学(特に有機・無機化学)で出てくるスペクトルはほとんどの場合、原子や分子による光(電磁波)の吸収・発光を扱ったものです。
紫外可視吸収スペクトルなら、ある波長の光を、どれだけ原子・分子が吸収するか、ということを波長ごとに調べて、それをグラフ上に表したものです。
赤外スペクトルは紫外可視と同じことなのですが、当てる光が、紫外・可視光から、赤外光に変わっただけです。
基本的に、吸収スペクトルは当てる光の波長領域が異なるだけで、やっていることは変わりません。
有機化学で良く出てくるNMRは、磁場をかけた中での原子・分子によるラジオ波の吸収を調べるものです(現在の機械では発光を調べているのだが、それは後々習うでしょう)。
測定機械のしくみとか、そもそもなんでその波長の光を吸収するのか?といった原理は違いますが。
発光は授業ではあまり出てこないかもしれませんが、吸収スペクトルとは逆に、原子・分子から出てくる光の強さを波長ごとに調べて、グラフにしたものです。これも対象とする光の種類によって名前がいろいろ分かれていますが、初等の講義で出てくる可能性があるのは、X線蛍光測定とか、紫外・可視の蛍光分光法くらいでしょうか。
スペクトルの絵を見たときに、形がいろいろとあったと思います。
原子からの発光・吸収は、非常に細い線として観測されるため、線スペクトルとかいったりしますね。ある特徴的な波長の光とだけ相互作用するため、細い線となります。
一方、分子になると、吸収・発光は広がり、山形になってきます。なんで?というのは講義で教わるでしょう。