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DNAの濃縮(イソ沈、エタ沈)がうまくいきません

 エタノール固定した動物組織からフェノクロ法でDNAを抽出していますが、最後の濃縮の段階がどうしてもうまくいきません。  塩(3M酢酸ナトリウムをDNA溶液の1/10量)、共沈剤(ブルーデキストラン)、イソプロまたはエタノールを加えて冷凍庫にいれるとチューブの底にドロンとした粘性の高い塊ができます。この塊はこれまでに凍結サンプルを使った場合も時々できることがありましたが、今回はすべてのサンプルで発生してしまったので非常に参っています。 1点目  これは一体なんでしょう?PCRがうまくいかないのとBDで色がつくところを見ると糖類と核酸がごちゃまぜになったものかなと思うのですが、この塊からDNAだけをサルベージすることはできないのでしょうか? 2点目  上述のような状態なので、ためしに上澄み部分だけを別のチューブに移し、ここから回収できないかとさらに溶媒を加えていろいろ試みているうちに液量がものすごく増えてしまいました。溶媒を足すともやもやするのですが、沈殿するまでは至りません。この溶液中に含まれているDNAも回収したいのですが、溶媒に溶けている状態から濃縮することは可能でしょうか? どなたか良い案(解決法、予防法、ヒントなど)をお持ちの方がいらっしゃいましたら、よろしくご助力ください! ご回答をお待ちしております。  

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  • tomoyaok
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回答No.3

#1です。 どろどろとなっているのは高分子の多糖なのではないかと考えました。 ですので、ゾルあるいはゲル上になっているものを凍結させるのは それらを結晶化?させる意味合いです。 DNAは比較的容易に水に溶解することがわかっていますので、 凍結融解を行うことは不純物のみを沈殿させることを期待しています。 ただ、糖類の場合は結構水に易溶であったりするので、この方法は 効果的でないかもしれません。 #2にもあるとおりキットがあるなら、そして予算が許すなら そのほうが時間も短縮できていいと思いますが、キットの各段階が どのような効果をもたらしているのかを考えながらやらないと、 結局いろいろな面で無駄になるかもしれません。 そういえばかつて酵素抽出を植物から行ったときに、同様の粘性物質で 困ったことがあります。最終的には解決しなかったのですが、 1)イオン交換樹脂あるいはキレート剤を入れる。これは金属イオン等の 分離を行い、粘性物質の形成阻害を期待しました。 2)pHをかえる。 を行ったことがあります。酵素では一般的に、 そういうことがされているみたいですが 効果がありそうであれば、試してみてください。

nautilus
質問者

お礼

 たびたびお世話になります。  なるほど、凍結融解+遠心は糖を結晶化させて落とすということだったのですね。  私は植物関係は詳しくないのですが、糖類の問題が一般的なんだそうですね。 動物だと貝類なんかで同様の多糖類問題が報告されていて、やはりキット抽出が有効なようです。今回私が使った甲殻類(カニ)だと甲羅の成分(キチン・キトサン)が黒幕だったんだろうかと推測しているんですが、詳しいことはわかりません。  結局今回はキット使用で抽出を乗り切ることになったんですが、今年は予算の問題でそうそうキットを大量に買うことはできそうにないので、次回以降の抽出の時に最初のアドバイスとあわせてもうしばらく工夫しながら様子を見ようと思います。  貴重なアドバイスありがとうございました。また何かありましたらよろしくお願いします。

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その他の回答 (2)

noname#160718
noname#160718
回答No.2

 実際見てみないとなんとも言えないところはあるのですが、イソプロを経てエタノール沈殿までかけた状態でできるペレット、ということは、質問の1点目の回答としては、不純物が大量に混在しているものの、サンプル中のDNAの大部分がそこに含まれている、と考えた方が良いような気がします。  つまり2点目の回答として、この上清を相手にしてもあまり良い結果は得られないのでは、と思うのですが。ペレットの方からDNAを単離することを考えた方が良いと思います。  まあ単純に考えれば、その状態で一度強く(12,000gほど?)遠心して上清を捨て、そのペレットに対してもう一度DNA抽出をやり直す、といったことを私ならやってみます。どの段階から再開するかは、そのペレットに含まれる不純物の正体によるので、いくつか試してみる他ないでしょうけど。  エタノールで何回か洗うだけで不純物が除去できる可能性もないとはいえないですね。最初に試してみる価値はありそうです。  つまりエタノール沈殿→遠心→上清除去→エタノール入れる→ぼるテックス→遠心、を何回かやってみると。  今は組織から高純度にDNAを抽出できるキットが何種類も出ていますから、次からはそういうキットを試してみるのも良いと思います。  私も昔、血液からDNAを抽出するのに塩化アンモニウムで赤血球除去してからフェノクロ法でやってましたけど、全血からダイレクトにDNAを抽出するキットを使ったら、遙かに短時間で抽出でき、かつ遙かに収量が多かったのでアホらしくなって以後、フェノクロ法はやらなくなりました。ま、そのキットに含まれる[溶液1]はやっぱり塩化アンモニウムだったりするのですが。

nautilus
質問者

お礼

丁寧なご説明ありがとうございます。お礼を申し上げるのが遅くなってしまって申し訳ありませんでした。  さて、DNA回収ですが、ペレットから回収する方が良いということですね。 実は沈殿を再度エタ沈することは投稿前に試していました。 99%エタを入れてガシガシ振ると確かに通常のDNAらしき沈殿ができるのですが、これを70%エタでリンスしている間にペレットがものすごく小さくなるうえ、またドロドロになってしまいました。 それで"繰り返すだけロスする~”と途方にくれて投稿した次第です。  その後、キットでの抽出を試みたところおかげさまで無事にPCRで増幅が確認できました。 ただ、ターゲットは増えているんですが、えらくスメアになってるのが少し気になりました。スメアの分子量が大体同じぐらいなのでなんか余計なものがまだ取りきれてないか、それとももともとこんなもんなのかと判断しかねていますが、まずはこの問題に関しては一歩前進です。 本当にありがとうございました。また何かありましたらよろしくご助言ください。

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  • tomoyaok
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回答No.1

アルコールを入れる前の液を 一回凍らせて、溶解して、遠心して、 上澄みをエタ沈したらどうでしょうか。 もしくはアゲロースゲルで少し泳動して、 DNAだけ回収する、のも手かもしれません。

nautilus
質問者

お礼

早速のご回答ありがとうございました。  次回の抽出時にはそのようにしてみます。  ちなみに、今回はすでにすべてのサンプルに溶媒を加えた後だったので、とりあえずブタノールで水溶液を回収できないかと試してみましたが、だめでした。でも、心細かったのでご助言いただけて本当に助かりました。  もしよろしければ、水溶液の状態で凍結融解するのはどういった根拠なのか教えていただけませんでしょうか。

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