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会社法について

会社法の財産引き受けについて、下記の様な判例がありますが、皆様はどう思われますか? 設立後の会社が追認し、あるいは、代金の一部を支払い、譲渡された財産を使用、収益しても有効ではないが、本件で会社が無効を主張する事は信義に反し許されないと判例では述べていますが、皆様はどう思われますか? 賛否を感じられる方は、理由などを書いて頂けると助かります☆

みんなの回答

  • un_chan
  • ベストアンサー率60% (219/365)
回答No.2

 本件の事情が分からないので、賛否はなんとも言えませんが、前段の部分は、一般論ですよね。  会社の設立前の支出で会社が負担すべきものや、設立後に財産引受をする契約については、定款の必要的記載事項(会社法28条)となっています。これは、会社の設立関係者(特に投資家)が、会社の財産等を評価をするために重要なものだからです。  このような、必要的記載事項となっているものについて、追認を認めたのでは、この会社法の規定の潜脱を許すことになり、投資家を危険にさらし、定款の信用性がなくなることになります。  なので、この原則については、賛成です。  もっとも、このような財産引受については、会社設立後に取締役会(または取締役の過半数)で可決すれば、同じことができるのだから無効にするまでもないとの意見もあるかと思います。しかし、設立後のことであれば、それを決めた取締役が会社に対して責任を負うことが明確ですので、投資家にとって、設立前の話とは次元が異なるものだと考えます。  本件でどのような事情があるのか分かりませんが、実際にその引き受け財産を使って収益をあげてしまい、効用が薄くなって不要になった時点で無効を主張して、残代金を払わずに返してしまおうとしていたような状況であれば、それは信義則上、無効を主張することができないとされても仕方がないと思います。  こちらは、第三者と会社関係者の利益衡量で判断することになるのでしょうね。  

noname#34093
noname#34093
回答No.1

この問題では、発起人組合の権限、個々の発起人の権限、設立中の会社の権限、の三つの権限の所在と範囲が問題とされています。 いずれにせよ、これら三つの権利主体のいずれかから、成立後の会社へ、財産引き受け行為の効果が移転するかどうかという問題でしょう。 会社設立段階では、成立した会社は財産的基礎が弱く、いきなり大口の取引を無制限に行わせると、会社の存立自体に悪影響を及ぼし、会社経営の健全の観点から妥当でない、という政策的判断があります。 つまり、会社設立中、会社成立直後のあたりには、会社財産をみだりに現象させるべきでない、という価値観に基づいて法律が規定されています。 ということなので、設立中の会社の行為、成立直後の会社の行為が問題となる財産引き受けでは、これを成立後の会社に効果帰属させないという判例の判断は、多分に政策的なものであって、深い法理論があるわけではありません。 判例が、追認の可否について検討しているのは、おそらく原告が、財産引き受け禁止規定を、「財産引き受けは成立後の会社との関係では、無権代理行為類似の行為という点に注目して、成立後の会社の追認を認めるべきだ」との主張をしたからでしょう。 この見解は、財産引き受けという負担を追うかどうかという点は、会社自体の判断に任せるべき経営判断の問題であるという価値判断によるものでしょう。 これに対して、判例は、財産引き受けの効果を会社が望むかどうかにかかわりなく、設立直後の会社には、財産的保護を(会社の意思に関わりなく)あたえる必要がある。これが後々の会社の財産的基礎の確保の観点から妥当であるという判断をしただけのことです。 会社は、大規模な経済活動をすることを予定しているから、いきなり大口の契約をしてもいい、という考えもありますが、設立直後の会社はどのような業務を行うか不明であるし、他の会社との信頼関係も分からない。ひょっとしたら、偽装の会社設立かも知れない。 このように一般社会において、会社自体の信用性が不明確な段階では、会社の行為をあえて規制する必要があるのです。 これらの見解は立法政策、ないし法解釈理論としては、どちらも成り立ちます。 次に、本件では、信義則上会社は無効を主張できないとの部分ですが、これは個々の具体的な事件関係において、判例のとった一般的な解釈論が必ずしも妥当な結論を導かないときに、例外的に結論をひっくり返すときにつかわれるフレーズです。 「財産引き受けは、法解釈理論としては、絶対的に無効である。」という一般的な財産引き受けに対しての効果を判断しておき、この裁判になった事例は、例外に該当し、結論をひっくり返すことが妥当であると判断されたのでしょう。 具体的な事実関係については、手持ちの資料が不足していますが、このような処理がなされるのが一般です。 結論として賛成! 反対説への配慮としては、設立後の会社は、財産引き受けに係る契約をもう一度見直して、会社財産に悪影響を与えない契約をやり直して、当初の目的を達成することができる。 このようなことは、会社の信用性を改めて確認する意味も含まれ、適切であると考えられる ということができると思います。

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