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民法 錯誤に関する疑問
- 民法95条における錯誤について混乱しています。動機の錯誤は錯誤無効を主張できないとされていますが、和解の場合は違うのでしょうか?
- 最高裁判例によれば、和解による代物弁済の場合、和解に関与した訴訟代理人の意思表示に錯誤があれば和解は無効と判示されています。しかし、なぜ動機の錯誤でも無効主張が認められるのでしょうか?
- 和解時にはジャムの品質が良品であることを前提としているので、動機の部分についても明示されているのかもしれません。しかし、具体的な理由については明確にはされていません。
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最高裁昭和33年6月14日判決について、質問文を読んだ限りの知識ですが…… 要素の錯誤と動機の錯誤の区別は主観的・心理的なものであって、必ずしも明瞭なものではなく、その線引きは極めて難しいために、裁判でもよく争われるそうです。 判例によれば「もしその点について錯誤がなかったならば、その意思表示をしなかったと考えられ、かつ意思表示をしなかったことが一般取引上の通年に照らして妥当と認められる、そのような意思表示の内容の主要部分を指す」(大判大7.10.3)とされています。 そして、質問文にある判決を読む限り、本件ジャムが(あまりにも)粗悪品であるがために一般人であっても、和解しなかったであろうと評価され、要素の錯誤にあたると認定されたと読めます。 >和解をする際に、ジャムが良品であること前提で和解しますと動機の部分を明示しているからOKなのでしょうか?? 動機表示説という考え方があり、表意者の保護と取引の安全との調和を考えて、動機が明示あるいは黙示に表示されて法律行為の内容となり、それが要素にあたれば無効になる(最判平1.9.14)とされています。しかし最判昭33.6.14が、もしこれにあたるとするならば、判決文に「要素の錯誤により」とは書かれず、「動機が明示あるいは黙示に表示されて・・・」と書かれるはずです。
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- cowstep
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No1回答者です。錯誤を「表示上の効果意思と内心的効果意思の不一致」という伝統的な観点から見ると、分かりにくいように思われますが、平たく言えば「勘違い」ということです。勘違いを理由に、すべての意思表示を無効にしたら、取引は成り立ちません。期待はずれは、よくあることです。 しかし、取引の前提となる事実を誤認し、その誤認がなかったら、取引はしなかった筈だと言える場合は、法律行為がなかったことにしましょうというのが、民法95条の趣旨だと解されます。このように理解すると、本件の場合、和解の前提となるジャムの品質について誤認があり、その誤認がなかったら、取引はしなかった筈だと言えると判示されたと解されます。
お礼
解決いたしました。ご回答ありがとうございました。
質問文からだけでは、内心的効果意思(要はどのようなジャムを期待したのか?)について詳細はわかりませんが、判例を検索するに「市場で一般に通用している特選D印苺ジヤムであることを前提とし、これを一箱当り三千円(一罐平均六二円五〇銭相当)と見込んで」いたそうです。 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319121223080120.pdf
お礼
解決いたしました。ご回答ありがとうございます。
- cowstep
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動機の錯誤は、すべて「民法95条における錯誤にはならず」という訳ではありません。判例・学説が分かれていて、どの立場を取るかによって結論が異なるので、初学者は混乱します。 判例の事案では、ジャムが粗悪品であることを知っていたならば、和解しなかったであろうと言えるほど、粗悪品であったことが問題であり、ジヤムが一定の品質を有することを前提として成立した和解契約は、「右ジヤムが原判示の如き粗悪品であつたときは、右和解は要素に錯誤があるものとして無効であると解すべきである」と結論づけられています。
補足
早速のご回答ありがとうございます。ただ私の理解では、錯誤とは、大前提に『表示上の効果意思と内心的効果意思の不一致』があるということなのですが、そういう意味では判決の、「右ジヤムが原判示の如き粗悪品であつたときは、右和解は要素に錯誤があるものとして無効であると解すべきである」と結論づけられているだけだと、どこに意思と表示の不一致があるのかわからないのですが、もしよろしければ補足お願いできないでしょうか
補足
早速のご回答ありがとうございます。ただ私の理解では、錯誤とは、大前提に『表示上の効果意思と内心的効果意思の不一致』があるということなのですが、そういう意味では判決の「要素の錯誤であり錯誤無効を主張できる」だけだと、どこに意思と表示の不一致があるのかわからないのですが、もしよろしければ補足お願いできないでしょうか。