金融機関に勤務しており、以前、個人融資を担当し、相続に関してはいろいろと目にしてきた者です。
> また父の死後2年経つと遺産を請求する権利が無くなると聞きました。
「遺留分減殺請求」のことでしたら、遺留分を侵害されたことを知った時から1年、侵害を知ったいたか知らないかに関わらず相続の開始から10年が時効です。
いずれにせよ、相続は既に開始されているのでから「父名義」の財産の処分は、共同相続人全員でなければ行うことができません。
ですから、「お父さまの遺産」については、長女一人では「処分」することができません。
なお、相続開始前3年以内に長女が父から「贈与」された財産については、「相続」の対象となり、場合によっては相続税もかかります。
これらのことを知っていて、こっそり処分しようと思えばできてしまう「モノ」にしてあるかもしれませんが(現金とか貴金属とか…)。
> 父は生前、家と土地を持っていて父が70歳くらいの時に父と同居している長女が、老いた父の面倒みるのだからと言って土地と家を自分名義にして、なかば半強制的に自分の物にしてしまいました。
…ということは、形としては20年くらい前に、父から長女への「贈与」があったということですね。
20年前ですと、「贈与」にはどの程度の税金がかかったのでしょうか。
これが現在で、土地・建物の価値も2,300万円だったとしたら、
(2,300万円-110万円)×50%-225万円=870万円
870万円もの贈与税を払うことになるので、少し興味が惹かれました。
> その時は特に書類に同意したという事も無く
贈与ですから、別に他のご姉妹の同意は必要ありません。
また、お父さまが亡くなった時には、その土地・建物はお父さまの「遺産」でも何でもありません。
ですから、お父さまの法定相続人にも何の権利もありません。
生活や介護には「お金」が必要ですから、その費用捻出のために、もともと父のものであった土地・建物を売るのも問題ないでしょう。
贈与税が今と同程度ならば、2,300万円-870万円=1,430万円。
20年間の「生活費」ならばこれでは全く足りないでしょう。
お年を召されて病気などで通院されていれば、さらに費用は必要になりますし、お父さまが受け取っていらした年金等を合わせても足りなかったくらいではないかと思います。
残念ながら、20年ほど前の土地・建物の「贈与」については諦めざるを得ないと思います。
遺留分減殺請求をされたとしても、お父さまの「被相続財産」は、被相続人の死亡時点でしか算出されません。
それ以前に、「遺産分割協議」がされていないのではありませんか?
長女の方がお父さまと同居され、亡くなるまで一緒に生活をされ(例え病院や施設に入院・入所されていたとしても)ていたのだとしたら、逆に長女の方は「寄与分」を主張できますよ。
長女の方に「ちゃんと」されると、逆に「お父さんの資産としてはこれだけしかなく『遺産』が残ったどころかマイナスだった。だからその分払ってね。」と請求される可能性すらあるのでは?と思ってしまったのですが…。
お礼
ご丁寧なご回答ありがとうございます。 確かに20年の親の面倒を見るのは大変ですよね。。。 面倒を見た本人でないとその大変さは分からないのかもしれません。 小さい頃、姉妹の中で私だけ家業を手伝わされ義務教育も受けさせてくれなかった事や自分の意見をはっきり主張できない性格だったので、気持ち分くらいは土地、家屋売却分の数分の一でもと思いましたが、もう一度考え直します。ode_an_die様にはお世話になり心より御礼申し上げます。