なぜ道徳家と言う職業が存在しないのですか？

質問

学者、教育者、宗教家は存在するのに、道徳家と言う職業が存在しないのはなぜでしょうか。
孔子やキリストも道徳を説いていますが、それぞれ思想家、宗教家として道徳を説いたと言う形ですよね。倫理学者も同じです。
昨今学校での道徳教育の必要性が叫ばれていますが、知の機関である学校で道徳を教えると言う事が、今一つ理解出来ないのです。
道徳と言う概念は、知の一部分なのでしょうか。

回答No.3

Ama430 · ベストアンサー

学校教育の世界では、教育の内容を
(1)知育(2)徳育(3)体育
の３つに分類することが多いと思います。

あまりこれにこだわると、道徳的な行動力に教養や判断力が必要であったり、身体活動においてもフェアプレイ精神が重要であったり、という相互の関連が軽視されると思いますが、便宜的には広く通用している分類です。

少なくとも日本では、学校教育は単純な知育の機関ではないということになります。

もうひとつは、No.1の方も指摘されているように、「道徳は教え込むものではない」ということでしょう。
自ら納得するための環境づくりやイベントのコーディネイトは教員の仕事ですが、機械的な注入主義はたいてい逆効果です。

ただし、「道徳」という概念そのものに、「唯一絶対の基準がある」という考え方が反映しているという説もありますが。

お礼

納得行く回答でした。私は「学校教育は単純な知育の機関ではない」と言う事を理解していなかったと言う事ですね。学術と教育を混同していました。

>>あまりこれにこだわると
分類思考が過ぎると閉鎖的になるかも知れませんね。気を付けます。

>>「道徳」という概念そのものに、「唯一絶対の基準がある」という
確かに道徳は芸能や知識よりは相対性が低そうです。

大変分かりやすい回答をありがとうございました。

回答No.2

fujic-1990

質問者さんの考える「道徳家」とはどんなことをする人のことでしょうか？

　例えば、道徳を教えてお金を得るなら「教育者」でありましょう、という具合に、すでに職業と認められているどれかに入ってしまっていると思いますが、いかがでしょ。

　また、職業と言えるからには、なにか（道徳）を実行・実践することで対価（金銭）を得なければなりませんよね。なにかをして、対価を求めるということは、道徳的でありましょうか？

　漠然とですが、「道徳」という言葉と、「対価の獲得」とは反発しあうことのように思われます。

　そのあたりが、道徳家という職業が認知されない理由であろうかと思います。

回答No.1

esagakari

難しいテーマですが…
学者というのは元来学問を説くのではなく学ぶ側ですし、宗教家は基本的には望んでそこに来るものにその宗教の教えを説く人を指します。その場合も道徳的なことを説きますが、それはその宗教、思想の中での道徳であり、それぞれの宗教の価値観の違いによって必ずしも同じにはなりません。教育者はすでに既存の学問やその国の一般常識、その国の教育方針や国柄に沿った道徳を教えます。
そう考えると「世界標準」の道徳は現在も難しく、国民性、主義、宗教観等の違いで様々な「道徳」が存在するのであくまでも「その国の一般的な道徳」、あるいは「世界的に共有しうる一部の道徳」を教えることしかできないでしょう。逆に、ある一つの側面だけで「道徳」を決めてしまえば場合によっては危険な思想にもなりかねないので、日々の生活でその人の環境にあった「道徳」を学ぶほうがはるかに安全だからではないでしょうか…。

お礼

回答ありがとうございます。
確かに世界基準の道徳を打ち立てるのは難しく、非常に危険な思想ですね。
ただ、宗教においてもイスラム原理主義等のように自分たちの神以外を認めず、場合によっては戦争すら辞さないかなり危険な宗教もありますよね。オウム真理教も救済するという名目で次々と人を殺しました。
社会的に危険であるという理由で、教祖が組織を起こす事を自粛するのであれば、危険思想は元々存在し得ないのではないと思うのです。
また道徳だけが世界基準の統一した教えを説く必要もなく、その国、道徳団体の中での道徳を説けばいいので、道徳団体が立ち上げられないのは他に理由が有るような気がするのですが、いかがでしょうか。