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菊の咲く時期と花のしくみについて
- 菊の咲く時期や花のしくみについて詳しい調査結果をまとめました。
- 菊は短日植物であり、日照時間が短くなると花を咲かせると考えられていますが、一部の品種は初夏に花を咲かせることもあります。
- 今年に限って菊がこの時期に咲こうとしている理由について、異常気象などが関係しているのかもしれません。
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この類の質問は、どちらかというと農学になると思いますが、植物生理と考えれば生物でもOKですかね? とりあえず、一般論を少々。 1)日長の影響 最近も回答したのですが、キクが短日性と言っても、中には、限界日長が自然日長より長い品種があります。 これについては、参考URLをご覧下さい。 可能性が高いのがこれですが、「今年に限って」と言うところが非常に気になります。 2)生育期間中の温度の影響 発見した人の名前を採って「Catheyの温度反応」と呼ばれているものですが、 キクの花成誘導(花芽が形成される生理的状態になること)や花芽の形成が、 温度によってどのような影響を受けるかで分類したもので、 サーモ・ゼロ、サーモ・ポジティブ、サーモ・ネガティブの3つのタイプが知られています。 サーモ・ゼロ:10~27℃の範囲では、花成誘導や花芽の発達はあまり関係しない(ベストは16℃) サーモ・ポジティブ:花成誘導には16℃以上の温度が必要で、高温が花成誘導を促進する(ベストは16~21℃) サーモ・ネガティブ:比較的高い温度でも花成誘導されるが、花芽の発達は高温で抑制され、全体としては16℃以下が好適 大雑把ですが、4~6月に花を咲かせる夏ギクは、サーモ・ゼロ、 7~9月に開花する夏秋ギクと10~11月に開花する秋ギクは、サーモ・ポジティブ、 12月以降に開花する寒ギクは、サーモ・ネガティブに分類されているようです。 これは、あくまでも温度反応に基づく分類であって、 今年が例年より暑いから(涼しいから?)蕾が着きやすいと言うことではありませんけど・・・。 3)限界日長に及ぼす温度の影響 キクではありませんが、良く知られているのが、一季成り性のイチゴの場合です。 一季成り性イチゴもキクと同じく短日性で、 温度が15℃以上くらいの条件では、6~13時間の日長でしか花成誘導されませんが、 温度が5~10℃くらいに低くなると、24時間日長でも花成誘導されるようになります。 このような例は、他の植物でもあることなので、キクでもその様な現象が認められるかもしれません。 ただし、これも、今年の気温が、その様なことに影響するほど異常とは思えませんが。 4)冬季の温度の影響 今年の異常気象といったら、暖冬のことを仰っているのかな?と思ったのですが、 キクで冬季の温度がその後の成長にどのように影響を及ぼすかは、分かりません。 どこにお住まいかは存じ上げませんが、いくら暖冬と言っても、 冬の間の気温がずっと15℃以上と言うことでもない限り、植物はしっかり低温の影響を受けているはずですので、 暖冬のせいで夏に蕾が着いてしまったということはないと思います。 5)植物の齢 エージ(あるいはエイジ:Age)が進むと、開花しやすくなると言われています。 だからといって、これも、いつもより早く蕾が出来てしまったことに結びつくほど影響するかどうかは、分かりません。 思いつくままにつらつらと書いてみましたが、直接回答に結びつくような回答ではありませんので、 ここに書いてあることは、参考程度に考えて下さい。
お礼
非常に詳しいご回答をありがとうございました。 カテゴリーはここか「ガーデニング」かで迷ったのですが・・・。 (でも仰るように農学が適切だったかもしれませんね) 菊の開花は日照時間のみに左右されるものではないのですね。 いろいろ複雑な条件が絡み合っているのだと初めて知りました。 当地は名古屋市内です。 今年の冬はやや暖冬でしたが、積雪も2回ほどあり出しっぱなしの菊はそれをかなり被っていたはずです。あと、連休の頃初夏かと思われる暑さが続きました。一転して今は肌寒い日々が続いています。これらも花芽の形成に影響したのでしょうか?(秋になったと勘違いしている?) 五年物は確かに老朽化?しています(笑) 年々花が小さく貧弱になっていくのがちょっと可愛そうです。 いろいろな可能性を分かりやすく教えて頂き勉強になりました。 ありがとうございました。