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郵便局から外国への送金に適用される為替レートを教えてください。
日本国内郵便局から外国への送金(韓国)に適用される為替レートは何でしょうか探し続いてますが外国送金する場合に適用される為替レートの情報が掲示されているページは見当たりませんでした。 りそな、UFJ銀行もつらいです。 非公表でしょうか?当方の能力には限界を感じますね。 とうかご存知の方々ご回答をお待ちしております。 宜しくお願い致します。 ps。核心は郵便局、りそな、UFJ銀行の外国送金の場合の適用される為替レートのネットでの確認です。
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日本国内の郵便局からの韓国あて送金は米ドル建てで行われます[1]。従って必要となる数字は日本円から韓国ウォンへの換算レートでなく、日本円から米ドルへの換算レート(厳密に言えば対顧客電信売レート、後述)ということになります。しかし日本円→米ドルの換算レートであっても、日本郵政公社はWebサイトにその数字を掲載していません。正確に知りたい場合は郵政公社や外国為替取扱局に問い合わせるしかないです。 回答にあたっては為替用語を避けて通れないので、最初に用語の説明をさせてください。既にご存じのことと重複がありましたら失礼お許しください。 「銀行間取引レート」 文字通り外国為替市場で銀行間の取引に使われるレート。新聞やテレビで「午前の東京外国為替市場は1ドル=119円90銭から95銭で取り引きされています」と報じられているレートは特に断りのない限りこれ。 「公示仲値(TTM)」 銀行間取引レートは常に変動しているのでこれを窓口での取引基準にすると煩雑となる。そこで金融機関は1日に1回「公示仲値」と呼ばれるレートを定め、その日の取引の基準レートに使う(1日数回の改定を行う銀行もある)。公示仲値は各金融機関が独立に決めるので必ずしも一致しないが、いずれも銀行間レートを参照しているので金融機関ごとの違いはあっても0.1%や0.2%といった程度に収まる。送金レートや両替レートはこの公示仲値に一定のマージンを加算することで機械的に計算される。 「対顧客電信売レート(TTS)」 外貨現金のやり取りを伴わずに、顧客が外貨を購入する場合に適用されるレート。具体的には外国送金、外貨預金、トラベラーズチェック発行などが該当する。外貨現金のやり取りを伴う場合は「外貨現金取扱手数料」が上乗せされる(*1) 「対顧客電信買レート(TTB)」 TTSのちょうど逆で、外貨現金のやり取りを伴わずに顧客が外貨を売る(=金融機関が顧客から外貨を買う)場合に適用されるレート。TTMから一定のマージンが差し引かれた数字になる。 韓国に米ドル建てで送金する場合、日本の郵便局の側でまず日本円→米ドルの変換が行われます。米ドルのTTSはTTM+1円です。すなわち郵便局のでの公示仲値が1米ドル=120円20銭であったなら、送金額の1ドルあたり121円20銭を払うことになります。ただし前述のように郵政公社はTTSやTTMをWebサイト上で発表していないので、正確な数字を知りたい場合は郵政公社に問い合わせるか外国為替取扱局の窓口で確認するかになります。およその数字で良いのなら、新聞やテレビで報じられる「銀行間取引レート」に1ドルあたり1円を加算すれば目安になります。他の銀行のTTSで代用しても大外れはありません(*2)。 さて韓国に着金後、今度は米ドル→韓国ウォンの変換が行われます。この際に適用されるレートは、韓国の金融機関における米ドル→韓国ウォンのTTBレートです。米ドル→韓国ウォンのTTBレートですが例えば[2](韓国外換銀行、英語)や[3](ハナ銀行、韓国語)で調べることができます。もちろん日本と同様、金融機関間で0.1%や0.2%といったばらつきはあります。 韓国外換銀行のページでは日付と通貨種(USD)を指定して[Submit]ボタンを押せばレートが表示されます。数種類の数字が出ますがReceivingとあるのがTTBに相当します。例えば2007年5月3日11時22分のTTBですと1米ドル→920.30韓国ウォンです。Basic Rate(=TTM)から1米ドル当たり9ウォン10チョン引かれているようです。 相手に韓国ウォンで100万ウォンを送る場合、相手の手許に届けるべき米ドルの額は1,000,000÷920.30=1,086.60ドル(TTBで換算)となります。そして日本で1086.60ドルを送金するのに必要な円貨の額は1,086.60×(120.20+1.00)=131,696円(TTSで換算)と求められます。どうしても為替変動がありますから、ウォン貨でピッタリの額を送金するのはなかなか難しいですね。 またこのほかに手数料がかかります。日本郵政公社の外国送金の手数料は1回2,500円ですが、外国送金の場合は送金側金融機関だけでなく、中継金融機関や受取金融機関でも手数料が発生することがあります(相手にはその分が差し引かれて着金する)。中継金融機関や受取金融機関の手数料額は事前に分からないことが多いのですが、典型的には数千円程度ですのでその分余分に送っておくか、定期的に送金する相手なら次回の送金で精算するかになります。これは郵便局以外の金融機関から送金しても同じです。 三菱東京UFJ銀行の換算レートは[4]に出ています。ただし韓国ウォン建てでの送金はできないので、日本円建てや米ドル建てで送金することになります。日本円建ての場合、日本で通貨間換算は発生しないのでその目減りはありませんが、代わりに「リフティングチャージ」と呼ばれる手数料がかかります(*3)。リフティングチャージは送金額の0.05%程度ですが、送金1回あたりの最低額が決まっていて小額の送金でも2,500~4,000円程度かかります。米ドル建ての場合はリフティングチャージは不要です。10万円や20万円といった程度の送金なら、あえて米ドル建てを選択してリフティングチャージを回避するのも手です。 円建てにしても米ドル建てにしても、韓国側で韓国ウォンへの再度の換算が発生するのは同じです。上で説明した郵便局の場合と同じ方法で金額を計算ください。中継金融機関や受取金融機関の手数料についても同じです。 りそな銀行でも計算そのものは同じですが、Webサイトにはやはりレートを掲載していないようです。辛うじて埼玉りそな銀行の「りそなダイレクト」のページに米ドル外貨預金のレートがあり[5]、一応参考にはなるものの(外貨預金の預入時のレートはTTS)直接問い合わせた方が無難そうです。 何らかの事情でウォン建てで送金したい場合、韓国外換銀行で扱いがあります。ご興味があれば[6]を参考に、韓国外換銀行に直接問合せ頂ければと思います。 【まとめ】 (1)三菱東京UFJ銀行はレートをWebサイトに掲載していますが、日本郵政公社とりそな銀行は掲載していません。「どうしてもレートをネット上で確認したい」となるとどうにもお手上げです。 (2)日本郵政公社からの韓国宛て送金は米ドル建てになるので、日本での日本円→米ドルのTTSレートと、韓国における米ドル→韓国ウォンのTTBレートの2つのレートを用いて計算することになります。 (3)日本郵政公社の日本円→米ドルのTTSレートは(1)で述べたように掲載されていませんが、外国為替市場の銀行間レートに1ドル当たり1円を足せば目安になります。韓国側のTTBレートは本文中で紹介したページを参考にしてください。 (4)どうしても韓国ウォン建てで送金したい場合、韓国外換銀行の東京支店・大阪支店で取扱があります。 (5)外国送金の場合、国内送金でなじみのない手数料(リフティングチャージ、中継金融機関/受取金融機関手数料)がかかるので、金融機関の窓口で手数料をよく確認されることをお勧めします。 参考ページ [1] http://www.yu-cho.japanpost.jp/s0000000/ssk20560.htm [2] http://www.keb.co.kr/IBS/english/fx/rate/change/index.jsp [3] http://www.hanabank.com/online/contents/foreign/rate/rate_01/rate_0101/index.jsp [4] http://www.bk.mufg.jp/gdocs/kinri/list_j/kinri/kawase.html [5] http://net.resona-gr.co.jp/saitamaresona/gaika/kawase/index.html [6] http://www.koex.jp/ *1 実際には「対顧客電信売レート+外貨現金取扱手数料」を最初から「外貨現金への両替レート」として表示することが多い。 *2 米ドルTTSにおけるTTMからの上乗せ幅は各行1円で横並び、銀行間でのTTMのばらつきについては本文中で述べた通り。一部ののネット専業銀行(ソニー銀行、イーバンク銀行など)は上乗せ幅を25銭や10銭などに設定しているが、外国送金はできないことが多い。 *3 外国為替の取引において、持ち込まれる通貨と国際間の送金に使われる通貨が同一の場合は「リフティングチャージ」と呼ばれる手数料が別途かかる。なかなかなじみにくい概念だが、通貨間換算による手数料収入がない分を補う手数料ととりあえず考えればよい。
お礼
ご回答ありがとうございます。 具体的実例で理解しやすかったです。 当方初心者にいろいろ役立つ情報がいっぱいでたいへん勉強になりました。こころから感謝いたします。