試用期間とは,新たに雇入れた従業員について、本採用に際して、一定の期間を定め、その期間中にその従業員の資質、能力、性格、人物等について評価し、従業員としての適格性の有無を判断して、本採用にするかどうかを決定する一定の期間を試用期間といいます。
試用期間の法的性質は、労働関係の法的性質にいては色々な説がありますが、大きく分けると(1)および(2)になります。
(1) 試用契約を本契約とは別の契約を締結します。
(2) 本契約は試用契約の段階で成立するが、試用期間中は本契約とは少し異なる労働関係が存在します。
試用期間については、従業員就業規則とは、別に定める必要があります。
試用期間についての就業規則の定めは、会社の実態に応じた事項を定めますが、一般的には次の事項を定めておく必要があります。
(1) 試用期間の長さについて。
(2) 試用期間の短縮・延長の有無について。
(3) 試用期間中の待遇について。
(4) 従業員としての不適格または適正と認めたときの措置ついて。
(5) 試用期間経過後の取扱について。
(6) 勤続年数通算の有無ついてです。
試用期間の長さについては、趣旨、目的に照らして一定の期間の設定に合理性が認められなければなりません。したがって、試用期間が従業員の適格性の有無を判断するのに必要な期間をこえるような長期間の場合は、試用期間としての合理性を欠き、公序良俗に反し無効となります。
試用期間の具体的な基準というものは特にありませんが、業種や職種などによって異なる場合があります。通常、2~3ヶ月としているところが一般的ですが、試用期間中は本採用後に比べると解雇が比較的容易となります。採用後に問題が明らかにもあることがありますので、6ヶ月程度期間をおいてもいいでしょう。
民法では、『契約自由の原則』で、契約は当事者間で誰と、どのような内容にするかなど自由に結ぶことができますが、労働契約は『契約自由の原則』を適用すると、社会的な力関係から、従業員が使用者の従属下におかれることになります。そこで、労働基準法は、従業員が一方的に不利益を受けないために労働条件を定め、労働契約で労働基準に達しない労働条件を定めても、その部分については無効とされ、労働基準法で定める基準によることとされています。
つまり、労働条件などについては、労働基準法の適用範囲外についての契約を結ぶことはできません。
お礼
なるほど、社会保険の話のみなんですか。 なんとも歯がゆい感じです。 本給の一部として、住宅手当を試用期間社員以外の全員に 支給しており、手当無しの初任給では暮らしていけない者もいるので、 何とかしてやりたかったのですが。 法的に根拠が無いということであれば、 労使で交渉するしかないようですね。ありがとうございました。