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人工降雪装置
先日、某市にある青少年科学館を訪ねました。 そこには、日本でただ一つといわれる、自然とほぼ同じ状態で 雪を降らせる、「人工降雪装置」というものがあり、実際に 降る雪を見て、思わず「お~」と声を上げるほど感心しました。 ところで、この「人工降雪装置」は全体で15分ほどの実演なのですが 詳しく説明を聞くと夏場は、降りが悪いそうなのです・・・ 解説員さんの説明によると、この装置は -20度以下に冷やした風洞の中に超音波加湿器で「霧」を発生させ、そこに 「氷晶」という氷の細かな粒を放出させ、その「氷晶」を核に 霧が結びつき、雪となって落ちてくるそうです・・・ 冬の間は、この「霧」となる水の温度が低く雪が成長しやすく多量の雪が降るそうなのですが、夏場は水温が高く、成長せず、雪が降りにくいのだそうです・・・(個人的には逆のような気もするのですが・・・) そこで、私の質問(疑問)なのですが・・・ 1)上の説明で出てくる「霧」というのはおそらく自然で言うところの「雲」のことだと思うのですが、自然界でも、そういう説明は成り立つのでしょうか? 2)夏も冬も-20度の風洞の中に、加湿器で霧を発生させるのに、その水温の変化によって、雪が降りにくくなるものなのでしょうか?また、加湿器に給水する水温を下げてやれば、冬場と同じように降るのでしょうか? 3)上記以外に、夏場に雪が降にくくなる原因はあるのでしょうか? 大変長くなってしましましたが、是非ご回答いただけると幸いです・
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- s_maker
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私は冬場、スキー場で人工降雪のオペレータをしております。 質問者の方がご覧になった人工降雪装置とスキー場で使用しているいわゆるスノーマシンは若干異なるものですが、雪ができる仕組みは同じなので経験と私が調べてきた事からお答えします。 自然雪と人工雪の違いは降雪過程の時間の長短にあります。つまり何時間、何日(時間的なことははっきり言いかねますが)をかけてできる降雪過程に似た環境を時間的に短縮して人工的に作り出してやるのが人工降雪(造雪)というものです。 (1)に関しては、水蒸気が上昇して雲になるわけですが上昇して0℃以下になっても凍ることはありません(過冷却状態)。この雲が大体ー20℃くらいになるとまわりの塵を核として氷晶となり雪の発生となります。この場合ー20℃の風洞の中に水蒸気を発生させるのはこれと同じ状態を作ったものと言えます。 (2)おっしゃる通りです。 スキー場で人工降雪をする場合、水温を下げるために工夫をしています。例えばビルの屋上にあるような冷却塔で水温を下げたり、水槽の水をくみ出しスプリンクラーを使い霧状にして断熱膨張で下がった水を水槽に戻したりとかです。 これも一応計算式があって4℃以下なら、人工雪を作りやすい環境ができるというものですが、実際にはシャーベットにならない程度に0℃に限りなく近い方が雪を作りやすいと言えます。これはスキー場ゲレンデでの水温環境なので科学館と同じというわけではありませんが、原理としては同じです。 (3)夏でも上層で雪のできる過程は同じですが、大気自体が暖かいため途中で溶け雨になるか、過冷却状態の水蒸気が結晶として徐々にではなく一気に付いて落下、又は途中で結晶が焼結を起こし氷となるのではと思います。 人工降雪の場合、我々オペレータが気にするのは外気温・湿度・水温・風速・風向などが挙げられます。先の3つがご質問に係わるものではないでしょうか? 仕事上、文献や業界雑誌を当たってはいますが現場に基づいての述べたものですから、学問的にどうかと言われると返答に困りますが、10年余の経験からお答えしました。
- yuki825
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札幌市青少年科学館のこの装置は本当におもしろいですね。 1)自然界では、空気が冷えるにつれて、含むことのできる水蒸気(水蒸気は目に見えないです)の量が減ります。含むことのできる量の100%を越えると、過剰な水蒸気分子は水滴(目に見えます)になりますよね。それが集まれば雲ですよね。 水滴は、-10度Cくらいまで凍らない(過冷却微水滴)ので、 実験室内の霧は凍らずにいるのでしょう。自然界も同様。 ただ、参考文献だと、雪結晶の成長は「水蒸気」が氷晶に凝結によると考えている ので、目に見えない水蒸気も含めて考えたほうがいいのかもしれません。 この実験装置は、氷晶から雪結晶の成長過程においては、自然界でも説明がつくと思います。 2)に関して、質問者さんの考えどおり、供給する水温が高いほうが結晶が成長しやすいと考えたくなります。供給する水温が高いほど、水蒸気量が増えると考えたからではないでしょうか。 この実験装置では、水温に関係なく充分に水蒸気(微水滴)を供給できると仮定すると、別の理由がありそうです。 うまく説明はできませんが、 (大気が含むことのできる水蒸気量が、水表面と氷表面で違うことから;引用) 過冷却微水滴の水分子が氷晶に移っていってしまうようですが、 (氷と水とどっちにくっつきたいかを>で現しますと) -0.1度Cのとき、氷>水 -5度Cのとき、氷>>水 -10度Cのとき、氷>>>水 (>の数はイメージ的につけてあり、単純に2倍、3倍になるわけではないです) 温度が低いほうがより氷にくっつきたがるようです。(表現が悪くてすみません) 水温はある程度下げたほうがよさそうです。 また、供給する水温が高ければ実験室内の気温の上昇が考えられますが、いかがでしょう。 3)その他の原因について 雪結晶の成長について、 -15度C付近なら、雪結晶が枝の方向の伸びますが、 それより高いと、枝と垂直方向へ伸びるようです。 もちろん、枝方向に伸びたほうが雪らしくなりますし、大きく伸びます。 -20度Cは雪結晶成長に理想の温度なんですね。 何らかの原因で気温が左右されるとすれば、 理想の温度からずれれば雪がふりにくい原因となりそうです。 (寒すぎても、過冷却微水滴が、ダイヤモンドダストのように全部氷晶になって、雪結晶が成長せず) おまけ) 一般的に、雪(の結晶)ができるためには、核が必要といわれておりますが、 この実験装置の場合、「核」の正体「氷晶」も、過冷却微水滴を凍らせたものでしょう(たぶん)。 この実験では氷晶を別の装置から供給していますが、自然界なら雲の中から供給されるでしょう。 自然界では雲の中でたくさん氷晶ができると考えていいと思います。 (自然界で氷晶をできる瞬間を見たこと無いので、確信できません(笑 自然界のメカニズムはよく出来てますよね。 札幌市青少年科学館さんのこの装置については、私も詳細は分かりませんので、 機会があれば、また質問されては、いかがでしょう。 一部私も理解してないところや考え違いの場合もあるかもしれませんので、 回答に対する自信は「なし」ということで、ご了解ください。 参考文献;雪と氷の話(木下誠一編・技報堂出版)
お礼
はじめまして!早速のご回答ありがとうございます! お礼が遅くなり申し訳ありません・・・ 私のとりとめのない、疑問に対して、解りやすい解説を いただき、大変参考になりました。 人工的に雪を降らせる為には、いろんな条件がいろいろ重なり合って それがひとつでも狂うと、なかなか降り難くなるものなんですね (自然でももちろんそうなのでしょうが・・・) ご回答を参考に、自分でもいろいろ勉強してみます ありがとうございました!